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YからRへ――転職1年を赤裸々にふり返るXserve

2006-06-04 | ヌルヌルアーカイブ
6月に入っても、あいかわらず冴えない天気が続いている。去年の今ごろは、もっと太陽の光を浴びていた。転職先のR社での研修期間が終わり、いよいよ本格的に新しい仕事がはじまるんだと、ワクワクしていた。

あれから1年――。

思い返すと、俺は当初、相当期待されていた。前評判が高かった。なぜかというと、面接での評価が高かったから、らしい。入社が決まった当時、人事に特別に見せてもらった評価シートには、数段階ある評価のうちの最高のものが走り書きされていた。

そもそも俺は人前で話すのが大の苦手で、論点を整理するのも苦手。しかも赤面症で、緊張するとますます上手くしゃべれなくなる。そんな俺が、時には2時間半にもおよび身も心もすっぱだかにされるR社特有の面接で、好評価を勝ち得た。その理由のひとつが、“面接慣れ”だったと思う。

約2か月半ほどの転職活動期間中、30社に応募し、20社面接した。久しぶりの自己プレゼン。最初の方で受けた会社は軒並み落ちたが、その都度、反省点をケータイにメモったりしていた。すると社数を重ねるごとに面接スキルが面白いように上がっていった。相手が何を言って欲しいのかが手にとるようにわかり、あとはそれを言うだけという状況。しまいにはあれほどイヤだった面接が楽しくなってきて、最終的には10社内定した。

そんなこんなで当初こそ前評判が高かった俺だが、入社してからは惨たんたるものだった。
仕事の進め方がよくわからない。なんとかやってみても、うまく回らない。当然、結果もでない。クライアントに怒られる。某先輩からは無言で冷たい流し目をくらう。etc...
大体、この会社は評価基準が異様に高い。もういやになるほど高い。俺の感覚的には、

80点出すつもりでそこそこがんばりました → 赤点
150点出すつもりで死ぬ気でがんばりました → 70点

という感じだ。周りの人間も、優秀な人間が多く、しかも俺よりぜんぜん若かったりする。これは、焦る。もっとベテランのナイスミドルがいっぱいいて、怖いながらも愛のあるシゴキとかあるのかなぁと思っていたが、そういうのはあまりない。バブル後に採用を控えていたのと、今までに定年を迎えた人間がいないほど発展的に辞めていく社風なので、30代が極端に少ないのだ。

俺は、もがきながらなんとか仕事を回すのがやっと。気づくと、入社時に思い描いていた上昇のスパイラルではなく、停滞の輪舞曲(ロンド)を描いていた……。

すると、高かったはずの俺の前評判は時間の経過とともに次第に落ち込んで行く。もとより、情報伝達が異様に速い社風だ。「あいつはどうなの?」「んー、イマイチ」みたいな個人個人の評判は、現場からマネージメント層にいたるまで、あっという間に広がっていく。しまいには、なぜかY社時代の同僚にまで「御社のエライ人に会ったら、なんでお前が入れたのかわからないって言ってたよ」なんて言われる始末。

年が明けた3月末。俺は、どこかに飛ばされるのではないか? と結構本気で心配していた。情報伝達が速ければ、判断も速い。「異動」「組織改変」「レイアウト変更」など、会社の資源の再配置も大好きという社風だ。「ウチでは使えないから、ほかで一からがんばってもらおう」という、組織的には前向きでも本人にとっては絶望的な状況になる可能性は多いにある。この「ほか」が首都圏ならばまだいいが、全国に拠点があるので、地方に飛ばされることだってある。

新年度。なんとか、首の皮一枚でつながり、部署が霞が関から銀座に移るという小さな異動で済んだ。
だが、安心はできない。そもそも、この1年で俺は何かしらの成長ができたのか?

4月中旬、ひとつの仕事が俺に回ってきた。俺はその仕事を、この1年間の集大成だと思って本気でやった。結果、結構いい成果が出せた。この1年間、さんざん冷ややかなため息を浴びせかけられた、神憑り的に仕事のできる某先輩からも、はじめてまともに誉めてもらえた。悪い評判が広がるのが速ければ、良い評判が広まるのも速い。数多の仕事が走っているうちのたったひとつのいい仕事で、「よう、最近成長著しいゴーくん!」と、そこいら中で呼び止められる。

厳しい会社だが、決して冷たくはなく、実は非常に温かい会社だということに気づいた。これが前職のY社とのいちばんの違いかもしれない。一見、血の通ってなさそうな仕事ぶりで「ロボット」の異名を持つような人が、実は誰よりも部下の成長を願っていたりする。「同期一のダメ社員が、十数年後に取締役に」みたいなシンデレラストーリーが、過去にたくさんあったりする。どこかでうそ臭く感じていたこうした事実が、今回のことがきっかけで自分の腹に落ちた。

指名でくる仕事も増えた。
アウトプットのレベル・効率を上げていき、さらなる高みを目指そう。

今年のTCC最高新人賞は、ウチの仕事から出た。
1年たってこれの“遠さ”も身にしみているが、がんばろうと思う。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2006-06-04 05:05:22
会社どうこう、はあまり関係ないと思う。

要は、会社だって人がいるから存在できる、わけで。

一年後、楽しみですね。



今年と同じ評価か?

また違った側面と定義からの評価か?



俺だって毎日死にそうだ。

楽しいけど。

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Unknown (ゴー)
2006-06-05 02:11:38
俺はお前やHくんとかと違って仕事をするうえでのルーツが弱いので、ここでの経験を肥やしにしたいわけよ。

ほんとささいなことで、まだまだ目線が変わる。

お互いがんばろう。
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地震、自信、自身 (Unknown)
2006-06-06 11:44:25
じっと黙って黙々といい仕事をしていると、誰かが見てくれている、というのは良くある幻想でヤンス。

いい仕事をしたと思えば、今の社会ではアピールが大事。

アピールすればリアクションもある、そのリアクションに対しさらに自分の意見をぶつける・・・。

今はこの繰り返しでないとなかなか認められないぞよ。

まあ、ヒラメではなく、トンボ(複眼)の目線で、大いに力を発揮してくれや!

君には間違いなく能力があるぞ!
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Unknown (Unknown)
2006-06-07 03:42:01
Hくんは本人なりに大変みたいよ。
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Unknown (ゴー)
2006-06-08 01:23:15
>いい仕事をしたと思えば、今の社会ではアピールが大事。

ガルコンとか積極的に出したほうがいいんですかね。

たしかに、リアクションはためになります。

紫垣さんも若いころは周りの人に仕事を見せまくっていたと言っていました。



>Hくんは本人なりに大変みたいよ。

大変でも毎回乗り切ってるのは、バックボーンとか、芯があるからであって。それがうらやましい。
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