表通りの裏通り

~珈琲とロックと道楽の日々~
ブルース・スプリングスティーンとスティーブ・マックィーンと渥美清さんが人生の師匠です。

『ボヘミアン・ラプソディ』

2018-11-12 11:56:45 | 映画
最初にお断りしますが、僕はクィーンの熱烈なファンではありません。
もちろんロック好きとして作品は一通りは聴いていますし(全く詳しくはありませんが)、好きな曲もたくさんあります。様々な映像で観てライヴパフォーマンスの素晴らしさは多少知っているつもりです。
それだけに未だに悔やまれるのは(物理的に不可能ではあったけど)全盛期のフレディのいるクィーンのステージを体験できなかったことです。

そのどうしようもない後悔を一層広げてくれたのが、現在公開中の『ボヘミアン・ラブソティ』でした。

随分前から予告編をイヤというほど見せられ、「キライじゃないし、とりあえず観ておくか」(今公開中の作品にソソられるものがなかったせいもありますが)くらいの軽い気持ちで観に行きました。

まずここで結論。

軽く考えてごめんなさい!!


僕の予想を3回くらいひっくり返す、とにかく素晴らしいの一言。僕は毎年50本ほど映画を観に行くんですが、今のところこの作品が2018年のナンバー1(それまでは『スリー・ビルボード』でした)です。

オープニング。20世紀FOXのファンファーレまでがロジャーとブライアンが録り直した"クィーン仕様"。これには笑っちゃいましたね。
映画はそこから様々な人々との出会いや葛藤を軸にテンポよく、とても分かり易く簡潔に進んでいくんですが、徐々にフレディ破滅への道へと話の中心が変わっていきます。そのフレディの堕ちていく様がナマナマしくて(全く共感はできませんけど)画面にクギ付け。そのフレディの狂気とメンバーの軋轢、その思うように進まない曲作りから何故か奇跡的に生み出される名曲の数々。まさに映画(クィーン)と対峙しているような気持ちで観ていました。

この作品の最大の成功は、病床(またはフレディの死)をクライマックスに持ってこなかったことではないでしょうか。その辺りは本編が終わってすぐ、エンドロールの最初でサラっと触れるだけ。なんて潔い作品なんでしょう。

その代わりにクライマックスで描かれるのが、完全再現された1985年のライブ・エイドのステージです。プログラムによれば21分間となっていますが、実際観ているとその21分間はあっという間でもあり、永遠でもあります。上映が終わってからも涙は止まらず、しばらく席を立てませんでした。

とにかくスゴい!!縦横無尽に動くカメラのせいか、IMAXシアターの臨場感のせいか、まるで目の前でクィーンのステージを見せられているような錯覚に陥ります。まるで当時のウェンブリー・アリーナにタイムスリップしたかのような何とも言えない浮遊感。これは是非、なるべく音響が良くてできるだけスクリーンの大きな劇場で観てください。僕は今も観に行きたくてたまりません。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』日本オリジナル予告編解禁!