goo blog サービス終了のお知らせ 

表通りの裏通り

~珈琲とロックと道楽の日々~
ブルース・スプリングスティーンとスティーブ・マックィーンと渥美清さんが人生の師匠です。

ありがとうエリック爺さん

2025-04-25 18:12:09 | Blues

エリック爺さんのライヴ・アット武道館2025。六日目の昨日ようやく観に行くことができました。

僕が初めてエリックさんのショウを観たのが35年前の『ジャーニーマン』ツアー。やはり聖地・武道館でした。それからはほぼ欠かさず、ジョージやジェフと競演したショウも含め毎回複数回観ているので、間違いなく地球上で一番沢山観ているアーティストがエリック爺さん(2位はローリング・ストーンズかビリー爺ちゃん)です。僕にナマでブルースの奥深さを教えてくれた師匠のお一人です。

https://whereseric.com/eric-clapton-news/303-eric-clapton-tokyo-2025-night-six/

01. White Room
02. Key To The Highway
03. Hoochie Coochie Man
04. Sunshine Of Your Love
05. Kind Hearted Woman
06. Golden Ring
07. Nobody Knows You When You’re Down And Out
08. Can’t Find My Way Home (Nathan East / vocals)
09. Tears In Heaven
10. Badge
11. Old Love
12. Wonderful Tonight
13. Crossroads
14. Little Queen Of Spades
15. Cocaine
16. Before You Accuse Me (Encore)

今回の来日公演関連のSNSなんかで言い尽くされていますが「齢80歳とは思えない」圧巻のステージング。観客も演者と共に歳を重ねた、僕よりもはるかに人生の先輩たちが殆ど。武道館もそろそろ本格的に完全バリアフリー(本来アリーナは客席ではないけど)にしないとケガ人(あるいはそれ以上)が続出しそうな予感です。

その通算百八回目の聖地公演は、微かに枯れた(流石に六日目だったし)円熟の艶っぽさを増した歌声(最大限の賛辞ですよ)と、二年前よりも精力的にギターを弾きまくる爺さんの姿にずっと涙が止まりませんでした。この歳でも二時間近いショウを完璧にこなすって信じられません。特に「オールド・ラブ」のギター・ソロは全盛期を彷彿させるように、泣きに泣きまくっていました。

基本のセットリストはほぼ変わらず、三日目からセット落ちしていた「ワンダフル・トゥナイト」が復活したものの(過去イチあっさりバージョンだったのが残念)、とても聴きたかった「マザーレス・チャイルド」「ザ・コール」は戻ってこず、”そろそろ出るんじゃないか?”と多分会場を埋め尽くした全ての方々の想いを、当然のように裏切り「いとしのレイラ」のお披露目は叶いませんでした。あの会場の空気感だったら並みのアーティストなら勢いでやっちゃうはずだけど笑 ホントに爺さんは頑固職人なんだから。

それでも久しぶりの「ホワイト・ルーム」や「サンシャイン・ラブ」(やっぱりこの邦題好き)をはじめ、鉄板の「バッジ」と「クロスロード」を加えた4曲のクリーム・ナンバーは嬉しかったなぁ。

初日の皆さんのレビューを拝見すると「ティアーズ・イン・ヘブン」がスゴく良かったそうですが、24日は正直イマイチでした。エリック爺さんがいつもに比べると気持ちが入っていなかったような...二年前はプロコル・ハルムの追悼で「青い影」が挟まっていたせいか、とっても抒情的な印象が残っているからかもしれません。

でもやっぱり胸に沁みるステキな歌であることには変わりないです。

曲の感想が前後してすみません。思ったまんまに並べているので。「クロスロード」~「リトル・クィーン」のソロ・パートのリレーの圧倒的なねっとり感にまたしても涙腺は崩壊し、そのまんまネーサンの優しいイントロから「コカイン」で本編は終了。心の片隅にちょっと残っていたラスト三日間は「いとしのレイラ」を!という淡い妄想は消え失せたけど、相変わらずの圧巻の演奏とオーディエンスとのコール・アンド・レスポンス。最高!

そしてこのツアーではアンコールに定着した「ビフォア・ユー・アキューズ・ミー」。名盤『ジャーニーマン』収録の、言わずと知れたボー・ディドリーの名曲のカバーです。言わずと知れたと言いながら実はこの曲、初めて聴いたのが高校生の頃にクリーデンスの『コスモズ・ファクトリー』で、しばらくクリーデンスの曲だと思っていました。

『アンプラグド』以降、アコースティック・バージョンが多かったので、”エレクトリック”「ビフォア」はもしかして今回の演奏は熱量がハンパなく、メンバーもみんなノリノリで、聴いてるこっちも「このまま永遠に終わらないでくれたら...」と祈っていました。

終演後恒例のネーサンの撮影会。それに続く「オツカレサマデシター!!」はPAが切れていて聞こえませんでしたが、ネーサンも終始楽しそうでしたね。

ライヴ・アット武道館も残り二回。無事完走すれば武道館百十回公演。

もう最後?いやいや、ジャーニーマンの旅はまだ当分終わりそうにもありません。またね!

 

追伸:やはり夜行バスで帰仙するのもそろそろツラくなってきました。トシだなぁ。

 

 


6弦が紡ぐ音楽の祭典

2025-02-07 11:00:29 | Blues

一つの作品を長く上映して育てようという気が全くない(お客さん入らないから仕方がないんだけど)仙台圏のシネコン。

この待ちに待った作品もたった一週間で打ち切られてしまいました。しかも夜の上映は一回のみ。連日11時台という、観て欲しい対象者が全く分からない時間帯で「とりあえず空いてる時間にかけてやっから観にくれば」感がいっぱい。

さらに公式サイトで”今回のクロスロード・ギター・フェスティバル2023の上映を記念して、クロスロード・フェスティバルのロゴをあしらったプレミアムなグッズとポスターを劇場で販売いたします。”と、謳っているのに売らないし。

同じ映画を複数のスクリーンで流すのも結構だけど、一定数は存在する好きモノにも人権を!

【予告編映像】エリック・クラプトン “クロスロード・ギター・フェスティヴァル2023”

とは言え、やはり昨日の最終上映も寂しい限りのお客さんの入りでした。

でも、エリック爺さん前回の来日公演後の秋に、4年ぶりに二日間にわたって開催されたクロスロード・ギター・フェスティバルの模様を二時間に凝縮したこの作品は見どころ十分でした。

オープニングのMC、ビル”ゴーストバスターズ”マーレイさんのさすが貫禄の観客煽りから、爺さんを呼び込んでの小芝居。そこから延々と現代を代表する様々なジャンルのギタリストたちの6弦が紡ぐ音楽の祭典が続きます。

とは言え、音楽の守備範囲が晩年の金本並みに狭い僕は、正直半分以上「初めまして」な方々ばかりでした。「お名前だけは存じ上げておりますが...」とか「名前と顔が初めて一致した」方々などの登場は新鮮だし、何よりクロスロードに呼ばれるだけのテクニシャン揃いでお腹一杯になりました。食わず嫌いはいけませんね。何人かのアーティストの超絶プレイには涙が流れてきましたし。メモしながら観るのを忘れてしまったから名前が分からず悔しいです。こういう作品こそ、パンフレットの販売をして欲しいですね。

 

シェリル・クロウとジョン・メイヤーの共演、 久しぶりに拝見したら相当お歳を召していた(けど元気そうな)タジ・マハールさん、スティーヴン・スティルスさんとエリック爺さんの共演には胸が熱くなったし、そこにジェイコブのザ・ウォールフラワーズが加わったステージは圧巻でした。ウォールフラワーズ、デビュー当時は何枚かアルバム聴いていましたねぇ。

でも僕が一番ワクワクしたのはやっぱりラストの3曲。

サンタナさんの熱すぎるステージ、そしてロビー・ロバートスンさんに捧げた「イット・メイクス・ノー・ディファレンス」。

さらにこのクロスロードはこのためにあったと言い切って良いでしょう。スティービー御大の登場で一気に会場の雰囲気が変わり、異様な盛り上がりの中スタートした「クロスロード」。トリハダものでした。

弾いているんだか歌っているんだか分からない御大を、傍でずっとニコニコしながら見つめるネーザンとクリスさん。なんて温かいエンディングなんでしょう。

この「クロスロード」が観れて僕は幸せな気分で劇場を後にしましたとさ。

 


John The Revelator

2025-01-11 16:05:51 | Blues

サム・ムーアさんが逝去されました。89歳。

https://news.yahoo.co.jp/articles/354d8a41f4e00829ff5b99c8976e630ede0b03f6

鬼籍に入っても仕方のないお歳ですがめっちゃ悲しいです。自分のじいちゃんが死んじゃった気分です。

サム&デイヴは僕にソウルのカッコ良さを教えてくれた先生です。ベタだけど代表曲「ソウル・マン」のカッコ良さにシビれました。

僕がサム・ムーアさんに辿り着いたのは、中一の頃に黒人音楽に何の知識もないまんま観た(今はなき東映パレス!)映画『ブルース・ブラザース』の中でした。ご本人は出ていないけど、劇中でカーラジオから薄~く流れる「スージー・ミー」「ホールド・オン、アイム・カミン」。「何だ?このカッコ良い曲は!!」とシビれました。

そのあとブルース・ブラザースのデビューアルバムで「ソウル・マン」のカバーを聴いて以来、サム&デイヴがお気に入りのアーティストに。

https://youtu.be/FTWH1Fdkjow?si=OdZCcoa1nsigGRnV

そして第一作から18年後の続編『ブルース・ブラザース2000』でサムさんはついにブルース・ブラザースの仲間入り!クリオファス牧師ことジェームス・ブラウンと一緒にゴキゲンなソウルを聴かせてくれました。

John The Revelator (No Police Interruption) | Blues Brothers 2000 (1998) | Sam Moore, James Brown

このシーンは物語の展開を左右する重要な場面だし、何度観ても楽しくて大好きです。

また一人、『ブルース・ブラザース』を彩った大スターがいなくなっちゃいました...。

 

 

ブルース絡みでは1992年の(僕は大好きだけど)あまり評価の高くないアルバム『ヒューマン・タッチ』で「ソウル・ドライバー」「リアル・ワールド」「マンズ・ジョブ」の3曲で共演。

そしてロックの殿堂コンサートではブルースの客人として「ソウル・マン」と「ハイヤー・アンド・ハイヤー」でパワフルな歌声を披露。このステージはたまりませんよね。ブルースのサムへのリスペクトぶりが最高です。

https://youtu.be/zK42PMBcESo?si=n46XYPRDNnz5Jqjl

さらにブルース版”フロム・ザ・クレイドル”(と、僕が勝手に思っている)『オンリーザ・ストロング・サヴァイヴ』でも「ソウル・デイズ」と「愛を忘れて」で共演。特に「ソウル・デイズ」での掛け合い "I wanna hear Sam & Dave (Oh, listen baby" がほのぼのしていて大好きです。

20年くらい前のサムのアルバムでもデュエットしていましたよね。

 

あぁ。切ない。悲しい年明けになりました。

 

サムさん、一度もお会いできなかったけど安らかに。

 

 


祝!エリック爺さん2025年4月来日公演決定!

2024-11-15 13:59:58 | Blues

予想通り二年ぶりの来日公演が発表されました!

【ERIC CLAPTON/エリック・クラプトン】2025年4月来日公演決定!レジェンドが贈る、永遠に語り継がれる特別なステージ

80歳。元気なお姿を拝見できるのもさすがに今回が最後?(って前回も思ったけど)なので、日程が許す限り武道館に通います。

シンディの武道館公演が22日。この前後でお互いに客演はあるのか?と、なれば21日の爺さん、22日のシンディ姐さん、一日空いて24日の千秋楽...でも初日と中日も観たいし...だって前回は前半レグで「いとしのレイラ」。後半レグで「コカイン」だったから、もしかしたらまた前後半でセトリ少しイジるかもしれないし...云々も含め、とりあえず明日のチケット抽選会に臨みます。


僕が後悔している三つの事柄~Jessica

2024-04-22 17:12:20 | Blues

僕には後悔していることが三つあります。

①85年のブルースの初来日公演に行かなかったこと。

これは当時田舎の高校生(三年生になったばかりだった)にはハードルが高過ぎました。今と違って情報が一ヵ月遅れで伝わるような時代。無垢な高校生が、たった一人で代々木第一体育館まで行くなんて...その前にチケットの買い方すら知りませんでしたし。

だから日本公演のブート盤(勿論アナログ)を手に入れてからは、毎年4月10日にはそんな意気地なしの少年だった自分への戒めとしてレコードを聴くことをルーティーンとしています。

②オリジナルメンバーが(一人でも)在籍中にレーナード・スキナードのショウを観に行かなかったこと。

昨年唯一の残存オリジナルメンバーのゲイリー・ロッシントンが亡くなって、先日現在のバンドメンバーから「トリビュート・バンドだと思われても仕方ない。でも活動を続ける」みたいなコメントが出されていました。

まだオリジナルメンバーが残っていた94年に日本に来ていたのは知っていたのに、何故か行かなかった自分を未だに責めています。当時は再結成メンバーも過渡期だったけどロニーの弟ジョニーもゲイリーもいたし、ゴキゲンなピアノ弾きのビリー・パウエルもいたのに...

「フリーバード」聴きたかったなぁ。それなのにどうして行かなかったんだ?

③せめてグレッグ在籍中のオールマンズが観たかった!

91年の初来日公演があるのも、続けて92年に日本に来たのも知っていました。多分『シェーズ・オブ・トゥ・ワールド』発売に合わせたツアーだったのかな?ライヴ・アルバム(『アン・イブニング』ファースト・セット&セカンド・セット)も2枚出て、ほぼリアルタイムで当時再結成後の心地よいグルーヴ感を堪能していました。特にセカンド・セット(発売は95年)は良く聴いていましたね。この再結成後のオールマンズって、グレッグのしゃがれ声に磨きがかかってめっちゃカッコ良いんですよね。バンドも(音源を聴く限り)絶好調みたいだし。

それなのにどうして観に行かなかったんだ?オレ。

それよりもずっと前に初めて『フィルモア』に針を落とした時、A面1曲目「ステイツボロ・ブルース」のイントロを聴いた瞬間、全身に高圧電流が流れました。使い方は違うけど“身の毛もよだつ”ってこのこと。

もしかしたらファースト・インパクトの大きさで言えば「明日なき暴走」を聴いたとき以上だったかも。とにかくそれからしばらくはオールマンズにどっぷりハマって、そのままサザンロックの世界に引き込まれていました。その流れで出会ったのがレーナードだったわけです。この二つのバンドは未だに大好きで良く聴いています。

去年新宿のレコード屋さんでドイツ盤の5枚組『フィルモア』箱見つけて買っちゃいました。通常盤も含めて何枚同じの持ってるんだ?オレ。

ちょっと話が逸れますが、スコセッシ監督の傑作『ディパーテッド』の劇中、コステロの経営するバーで他の客からからかわれたレオナルド・ディカプリオ演じるビリーがブチ切れて殴りまくるシーンで流れていたのがオールマンズの「ワン・ウェイ・アウト」。暴力シーンとは裏腹に、この作品で一番感動を覚えた場面はココです。ここはもう泣くに泣きました(笑)

当然『フィルモア』やその「ワン・ウェイ・アウト」が入った『桃』のようなドロドロ濃厚なライヴ音源が一番好きですが、反面『ブラザーズ・アンド・シスターズ』の軽いカントリー風なアルバムも大好きです。捨て曲なしの軽快なこのアルバム。大ヒット曲「ランブリン・マン」も良いけど、僕は「サウスバウンド」と「ジェシカ」が好きでたまりません。

「ジェシカ」のどこまでも天に昇っていくような、ディッキーのねっとり(でもデュアンのそれとは全く違う)としたギターの音色。インストゥルメンタルなのに、まるでディッキーが歌っているかのように聴こえてくるこの曲が個人的には最高かも。よくエンドレスでリピート(勿論カセットテープ)しながら朝までクルマで走り回っていたっけなぁ。

この曲こそが”In Memory of Dickey Betts”。

Guitar Greats - Jessica - Dickey Betts - 11/12/1984 - Capitol Theatre

今更ですが、そのディッキー・ベッツが鬼籍に入られました。確か2013年に自身のグレイト・サザンを率いて来日しました。この時も何で行かなかったんだろう?オールマンズじゃなかったから?悔やんでも悔やみきれません。

オールマンズ在籍中は色々メンバー(特にグレッグ)とモメていたようですが、天国ではみんなで仲良く好きなだけジャムってくださいね。

 

Rest in Peace...

ディッキーさん安らかに。