エリック爺さんのライヴ・アット武道館2025。六日目の昨日ようやく観に行くことができました。
僕が初めてエリックさんのショウを観たのが35年前の『ジャーニーマン』ツアー。やはり聖地・武道館でした。それからはほぼ欠かさず、ジョージやジェフと競演したショウも含め毎回複数回観ているので、間違いなく地球上で一番沢山観ているアーティストがエリック爺さん(2位はローリング・ストーンズかビリー爺ちゃん)です。僕にナマでブルースの奥深さを教えてくれた師匠のお一人です。
https://whereseric.com/eric-clapton-news/303-eric-clapton-tokyo-2025-night-six/
01. White Room
02. Key To The Highway
03. Hoochie Coochie Man
04. Sunshine Of Your Love
05. Kind Hearted Woman
06. Golden Ring
07. Nobody Knows You When You’re Down And Out
08. Can’t Find My Way Home (Nathan East / vocals)
09. Tears In Heaven
10. Badge
11. Old Love
12. Wonderful Tonight
13. Crossroads
14. Little Queen Of Spades
15. Cocaine
16. Before You Accuse Me (Encore)
今回の来日公演関連のSNSなんかで言い尽くされていますが「齢80歳とは思えない」圧巻のステージング。観客も演者と共に歳を重ねた、僕よりもはるかに人生の先輩たちが殆ど。武道館もそろそろ本格的に完全バリアフリー(本来アリーナは客席ではないけど)にしないとケガ人(あるいはそれ以上)が続出しそうな予感です。
その通算百八回目の聖地公演は、微かに枯れた(流石に六日目だったし)円熟の艶っぽさを増した歌声(最大限の賛辞ですよ)と、二年前よりも精力的にギターを弾きまくる爺さんの姿にずっと涙が止まりませんでした。この歳でも二時間近いショウを完璧にこなすって信じられません。特に「オールド・ラブ」のギター・ソロは全盛期を彷彿させるように、泣きに泣きまくっていました。
基本のセットリストはほぼ変わらず、三日目からセット落ちしていた「ワンダフル・トゥナイト」が復活したものの(過去イチあっさりバージョンだったのが残念)、とても聴きたかった「マザーレス・チャイルド」「ザ・コール」は戻ってこず、”そろそろ出るんじゃないか?”と多分会場を埋め尽くした全ての方々の想いを、当然のように裏切り「いとしのレイラ」のお披露目は叶いませんでした。あの会場の空気感だったら並みのアーティストなら勢いでやっちゃうはずだけど笑 ホントに爺さんは頑固職人なんだから。
それでも久しぶりの「ホワイト・ルーム」や「サンシャイン・ラブ」(やっぱりこの邦題好き)をはじめ、鉄板の「バッジ」と「クロスロード」を加えた4曲のクリーム・ナンバーは嬉しかったなぁ。
初日の皆さんのレビューを拝見すると「ティアーズ・イン・ヘブン」がスゴく良かったそうですが、24日は正直イマイチでした。エリック爺さんがいつもに比べると気持ちが入っていなかったような...二年前はプロコル・ハルムの追悼で「青い影」が挟まっていたせいか、とっても抒情的な印象が残っているからかもしれません。
でもやっぱり胸に沁みるステキな歌であることには変わりないです。
曲の感想が前後してすみません。思ったまんまに並べているので。「クロスロード」~「リトル・クィーン」のソロ・パートのリレーの圧倒的なねっとり感にまたしても涙腺は崩壊し、そのまんまネーサンの優しいイントロから「コカイン」で本編は終了。心の片隅にちょっと残っていたラスト三日間は「いとしのレイラ」を!という淡い妄想は消え失せたけど、相変わらずの圧巻の演奏とオーディエンスとのコール・アンド・レスポンス。最高!
そしてこのツアーではアンコールに定着した「ビフォア・ユー・アキューズ・ミー」。名盤『ジャーニーマン』収録の、言わずと知れたボー・ディドリーの名曲のカバーです。言わずと知れたと言いながら実はこの曲、初めて聴いたのが高校生の頃にクリーデンスの『コスモズ・ファクトリー』で、しばらくクリーデンスの曲だと思っていました。
『アンプラグド』以降、アコースティック・バージョンが多かったので、”エレクトリック”「ビフォア」はもしかして今回の演奏は熱量がハンパなく、メンバーもみんなノリノリで、聴いてるこっちも「このまま永遠に終わらないでくれたら...」と祈っていました。
終演後恒例のネーサンの撮影会。それに続く「オツカレサマデシター!!」はPAが切れていて聞こえませんでしたが、ネーサンも終始楽しそうでしたね。
ライヴ・アット武道館も残り二回。無事完走すれば武道館百十回公演。
もう最後?いやいや、ジャーニーマンの旅はまだ当分終わりそうにもありません。またね!
追伸:やはり夜行バスで帰仙するのもそろそろツラくなってきました。トシだなぁ。