もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

F2後継機選定と”いずも”艦載機

2018年03月07日 | 自衛隊

 空自のF2戦闘機(国産)の後継機選選定と海自のいずも型護衛艦の空母化が、ほぼ同時期に話題として取り上げられた。

 いずも型の空母化は現用のヘリコプター母艦機能に加え、単距離離陸・垂直着陸(STOVL)機の搭載(又は支援)を念頭に置いたものであると思われるが、建造時からSTOVL機の運用は念頭に置かれていたとの報道もあり、甲板強度・エレべータ&格納能力等は検証済みであると思う。しかしながら海自が保有していない機種を運用するためには、航空機の整備機能や緊急着艦設備など一朝一夕には解決できない機能を整備する必要があるものの、米海軍で海兵隊のSTOVL機(F35B)を運用している強襲揚陸艦ワスプとほぼ同じ艦型であることから、不可能ではないと思う。空自のF2戦闘機の後継機種選定については国産化を断念したとの報道もあるが、いずも型護衛艦の空母化と連動する機種選択であって欲しいものである。なぜなら、現状では海自のパイロットは対地攻撃や陸自支援の教育訓練を受けていないため、艦載機の運用は空自に依存する必要があるためである。これは米海軍の強襲揚陸艦が海兵隊の航空機を搭載・運用していることと同じ形態である(注)。従来、作戦要求よりも経済効果や・国際関係(外交)に引きずられた機種選定であったが、島嶼防衛の作戦要求、3自衛隊の統合運用体制の深化、米軍とのインターオペラビリティの重要性、等の幅広い要因、就中いずも型護衛艦の空母化を重視した選定であって欲しいと願うところである。パッチ当ての短期的な視点以外にも国内航空機産業の育成は重要であるが、三菱がVTOL機の技術を確立するのには時間がかかるとも思っている。

 日進月歩の感ある兵器・戦術、多様化する国際関係に対応するためには、自衛隊の近代化が急務であると思う。

 (注)海兵隊は海軍から分かれた組織で、かつ、敵前上陸には海軍との協調が不可欠であるために軍同士の反目は比較的少なく、オーバーラップする機能は多いとされている。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿