在アフガン邦人等の救出・輸送の自衛隊機が漸くの24日に離陸し、既に中継地のドバイに到着したと思われる。
派遣地域の同意が必要とする条件を、本ブログで提案したように「カブール空港の機能を維持しているのは米軍」との解釈を以て自衛隊機の使用を決断したことは評価するとしても、いかにも出遅れの感が否めない。アフガンンに派兵していた各国と比較する愚を承知してであるが、既に米:2.5~4.5万人、英:7千人、仏:4千人、独:数百人の輸送を完了し、韓国も24日に輸送遂行中と発表している。
このように緊迫した情勢下での邦人輸送が喫緊の事態にあって、日本を矯めにする意図からであろうか、日本人以外の人命は無視するの意図からであろうかは不明であるが、記者会見で共産党の小池晃書記局長が理解に苦しむ発言をした。赤旗の記事を要約すると、「既に大使館の日本人職員12人は英空軍機でUAEに退避しているのに、なぜ自衛隊を派遣するのか」、「国際機関で働く日本人若干名と、日本大使館・JICAのアフガン人スタッフ数十人の輸送に、なぜ3機もの派遣が必要なのか」、「そもそも誰を・何人運ぶのか」、「政府は具体的に説明する必要がある」となっている。
ワクチンの輸送に関しても述べたところであるが、凡そ軍事作戦のみならず計画の詳細を事前に公表することは、敵に情報を与えて対応策を準備させて結果的に作戦を瓦解させることにしか繋がらないことは、民間企業の製品開発や販売戦術が秘密裏に行われることでも明らかであるが、小池氏は、今回の輸送作戦を「チケットを持った人をスケジュールされた場所に運ぶ”はとバス”」と同程度にしか認識していないようである。
フランス軍が輸送したアフガン人に数人のタリバン戦闘員が紛れ込んでいたように、各国の軍用機が一秒を争って離発着する現地での人定確認は困難であり、人定や家族構成等は本人の供述を信用するしかないように思える。まして、アフガン人は輸送するに値しないかの発言は、人民の血など一顧だにしないスターリンや毛沢東をすら思わせるものである。
もし、自衛隊機が数十名しか輸送できなかったとしても、輸送機の故障や損傷、不確定の輸送対象者を考えれば、3機の輸送機は少な過ぎることはあっても多過ぎることは無いと思う。
確かに小池氏の言うように、軍事作戦の実施を国会に報告して承認を得ることは必要である。「ではの守」で申訳ないが、アメリカでも大統領の軍事行動は議会の承認を必要とするが、承認の是非を検討するのは非公開の上院軍事委員会である。軍事委員会は与野党の議員で構成されるが、委員となるためにはFBI(連邦捜査局)による厳重な身体検査を受けて、「外国の影響が無い愛国者である」ことを確認されることが必要であり、その上で高度の軍事・対敵秘密情報にアクセスできる権限を与えられる。大統領の発表でも、おおまかな規模は明らかにされるが詳細に関しては発表されず、韓国が「現在、輸送作業遂行中」としか発表しないのも、敵を利する情報を局限するためで、軍事行動の鉄則を守っていることに他ならない。
今回の自衛隊機派遣を「六日の菖蒲(アヤメ)、十日の菊」と書いたが、政府の決定は歓迎すべきもので、遅ればせながら政府も軍事行動のノウハウを体得しつつあると安堵している。以後は、非公開で、かつ秘密の守れる委員による軍事委員会で、自衛隊の行動に関する監察・審査を行う制度まで高めて欲しいものである。しかしながら、公安機関による身体検査をパスできる与野党議員は、限りなく少ないのではなかろうかとも心配している。
孫子は「百年兵を養うは、一日これを用いんがためなり」としたが、今回の政府の重い腰や共産党の小池書記局長の妄言を聴く限り、日本の防衛は未だ道半ばの感が大きい。
私事であるが、カンボディアPKOに参加できた際には、「これで幾分かの報恩を果たせた」と思ったことを付け加えて、終演。
あなたの説明がなければ、小池氏の愚かしい発言について、曖昧な反対しか述べられなかった私です。
政府内に、あなたのような人がいて、今回の適切な判断をしたのだと知らされ、頼もしい思いがしました。
国の歴史を取り戻すまでは、共産党に、決して投票してはならないと、改めて自分に言い聞かせました。
コメントを有難うございます。
都市伝説であって欲しいものですが、国会議員や高級官僚にも敵対勢力のシンパがいるとされています。
日本にも、国家の中枢にある人に対する公安の身体検査で、秘密アクセスのレベルを付与するという防諜体制は必要であるように思います。
共産党支持者は、心情3派の高齢化で減ると観られていましたが、若年層への浸透に成功しつつあるらしいのは、警戒する必要があるとも思っています。