ニューヨーク・タイムズによる、米原子力規制委員会(NRC)の非公開報告書の内容報道(6日と7日と二つある)と、同じテーマの朝日・読売の記事(毎日には報道なし)を読み比べると、おもしろい、そして奇妙な事実に出会う。読売は言う、
『米紙ニューヨーク・タイムズは7日、米原子力規制委員会(NRC)が、福島第一原発2号機で、燃料の一部が圧力容器から漏れ出し、外側の格納容器の底にたまっている可能性があると . . . 本文を読む
4月2日の読売新聞はロイター等に基づいて、
『国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は1日、訪問先のケニア・ナイロビで記者会見し、福島第一原発の事故について、「(危機を脱するまで)人々が考える以上に時間がかかる。明日とか、あさっての話ではない」と述べ、危機的な状況は長期化するとの認識を示した。』
この「人々」というのは、おれたちのことだろうか?
制御室の電気が回復したのが3月22日 . . . 本文を読む
日本の気象庁がせっつかれたあげく、ようやく拡散予測を公表したと各紙が報じたので、
朝日新聞:放射性物質の拡散予測を公表 気象庁HP 2011年4月5日20時51分
読売新聞:指示されて…気象庁、ようやく拡散予測を公開 2011年4月6日09時12分
日経新聞:放射性物質の拡散予測、気象庁がネットで公表 IAEAの仮定数値使う 2011/4/5 19:29
気象庁のホームページへ見に行った。 . . . 本文を読む
過去記事で指摘した「放射線量1,000ミリシーベルト以上」というのは、やはり正確には測っていないということだった。日経新聞の記事が始めて明示的に指摘しました(日経はすぐにリンクが死ぬので資料で全文引用します)。それにしてもこの表現がはじめてメディアに登場したのは3月28日、すでに9日が経過している。それまでいったい何をしていたのだ?それに、
『東電は「1000ミリシーベルト以上を測る計測機もある . . . 本文を読む
毎日新聞の暮らしの放射線リスク論(末尾の資料2参照)を読むと、この新聞とそこに登場する専門家たちが、私たちを守ってくれようとしている人たちではないことがはっきりわかる。記事は言う:
『日本の法律では平常時の1ミリシーベルトしか定められていないが、広島・長崎の被爆者やチェルノブイリ原発事故の被災者への調査などから、専門家の多くは 「100ミリシーベルト以下であれば、健康への悪影響を示す明確な証拠 . . . 本文を読む
前の記事でお約束したメディアによる矮小化・曖昧化の実例を、いっさいの隠蔽工作なしにご覧に入れます。下の図(福島第1原発2号機の状態)は、3月28日夜、「2号機、建屋外にも汚染水 燃料棒に深刻な損傷の恐れ 福島原発事故2011/3/28 21:45」というクレジットのある日経の記事(記事-Aとする)に見られた図(図-Aとする)、さらににその下の図(福島第1原発配置図以下)は「冷却と排水ジレンマ放射性 . . . 本文を読む
29日の朝日新聞は避難先で開かれた双葉町の臨時町議会の様子を報道している。
『地元に雇用を生み出し、多額の金を落とす福島第一原子力発電所に、町も議会もすがってきた。その選択は正しかったのか。28日の臨時議会に出席した町議は、苦渋の表情を浮かべた。』
そして、町議の皆さんは言う、
『「町と歩調を合わせてきた議会の責任は免れない。残念でならない」
「安全を担保されるのが条件だった。しかし、これだ . . . 本文を読む
20110401付記:3月30日NHK21時ニュースウオッチで、山口彰阪大教授はトレンチの放射線レベルを「1,000ミリシーベルト」と何のニュアンスもなく言い切っていた。
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福島原発2号機付近、タービン建屋やそれに隣接する(そして<連通>する)トレンチで、たいへん強い放射線が出たことを28日-29日にかけて新聞各紙はいっせいに報じた。そのレベルは28日夕方の朝日新聞 . . . 本文を読む
朝日新聞は、東電が「1~3号機の核燃料を入れた鋼鉄製の圧力容器が損傷して容器の外と通じた状態になっている可能性を認めた」と報じた。また、東電は「2号機のタービン建屋から外へつながるトンネルとたて坑にたまった水から、毎時1千ミリシーベルトの放射線が測定されたことを明らかにした」という。さらに、朝日は「専門家によると、・・・・燃料棒が損傷して崩れ、圧力容器下部に落下してかたまり・・・極めて高温になった . . . 本文を読む
朝日新聞27日の記事によれば、
『民主党の岡田克也幹事長は27日、農産物の出荷停止や摂取制限の目安となる放射性物質の基準値について、「少し厳格さを求めすぎている」と述べ、風評被害を招かないためにも見直しが必要との認識を示した。・・・・・岡田氏は「心配ないものは心配ないときちっと言えることが必要だ。科学的な厳格さを求めすぎれば風評被害になる」と指摘した。』
のだそうだ。「科学的に正確な情報」はい . . . 本文を読む
フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は毎日、福島原発事故の分析を出しています。(情報は日本政府、フランス大使館、派遣した調査員から得ている、時間的には10時間ほど遅れている、と言っている)。
25日になって、それまでの数日と違って、「原子炉の1号機から3号機の現状に『強い』懸念を持っている」と言い始めました。以下に「原子炉について」の全体分析と3号機についての分析の中で、25日に出て . . . 本文を読む
毎日新聞で「Dr.中川のがんから死生をみつめる」というコラムを連載している中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長も、放射線の健康被害について3月20日の時点で「皆無」だとおっしゃている。
その時点までに、すでに数日、大気中から放射線が検出され、水道水からも野菜からも検出され始めた時点だ。先生のキュートなカイム・ロジックはまたあらためてご紹介するとして、今日は、緩和ケアがご専門の先生にふさ . . . 本文を読む
原子力安全委員会が放射性物質の拡散推測をようやく出した。
日経新聞:放射性物質の拡散予測図を公表 原子力安全委、退避圏外も一定量
2011/3/23 23:52
朝日新聞:30キロ圏外の一部、内部被曝の可能性 極端な例で試算
2011年3月23日23時34分
それをみれば、緊急に避難の拡大を要する内容なのは明らかだ。当たり前に考えれば、「ただちに退避圏を拡大することは不要」(斑目委員長)とい . . . 本文を読む
朝日新聞ワシントン記者勝田敏彦氏のしどろもどろ
のろく不器用かつ場当たり的な事故処理対応と、意図的に不完全な情報提供ゆえに、12日の爆発事故の後でさえ福島原発事故の重篤さを過小評価しがちだった私たちは、フランスが飛行機を飛ばして自国民の救済に走り、アメリカが自国民の非難範囲を、日本政府の決定よりも4倍も多くとったことを知って少なからず戸惑った。「太平の眠りを覚ます」ものはいつも海の向こうからやっ . . . 本文を読む
前の書き込みと直接に関係する報道があった。
2011年3月24日02時01分読売新聞ウェッブ版によれば、
『現在、避難や屋内退避の指示が出ている原発から半径30キロの範囲外でも、事故後の12日から24日までずっと屋外にいた場合、大気中に漂う放射性ヨウ素を体内に取り込んで、事故発生からの被曝(ひばく)量が100ミリ・シーベルトを超える危険性があることがわかった。』
斗ヶ沢氏の「断言」をもう一度復 . . . 本文を読む