ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

支えてくれる人達

2024年06月23日 | 其の他

滋賀県保護司の男性A氏が殺害され、其の犯人として「5年前、懲役3年、保護観察付きの執行猶予5年の有罪判決を受けた男性B。」が逮捕された。Bは、殺害されたA氏の更生支援を受けていたと言う。過去にA氏から更生支援を受けた人達の間からは、「あんな良い人が何故、殺されなければならなかったのか?」と悲しみと憤りの声が上がっている。

罪を犯した人間の立ち直りを支えるべく、月2~3回の面談を行い、生活環境等に付いて確認する等の役割を持つ保護司。形としては“非常勤国家公務員”だが、報酬は全く無く、“民間ヴォランティア”というのが実態だ。以前より、「保護司って大変だなあ。」と思っていたのは、“無給での働き”という点に加え、「状況的に、“自身や其の家族に危険が及ぶ可能性”も在るんじゃないかなあ。」という思いが在ったので。今回の様な「殺人事件の被害者になる。」というのはレア・ケースなのかも知れないが、非常に重要な役割、「此の事件で、保護司になる人が減らなければ良いが・・・。」と懸念する。

「保護司等、自分を支えてくれる人達が存在すれば、誰もが更生出来る。」とは思っていない。どんなに支えてくれる人達が存在し様とも、自身が「絶対に更生するんだ!」という強い意志が無ければ、更生は無理と言って良いだろう。逆に言えば、「絶対に更生するんだ!」という強い意志が自身に在り、尚且つ周りに支えてくれる人達が存在するならば、更生の可能性は非常に高いと言える

21日夜、NHKで放送された「時をかけるテレビ 今こそ見たい!この1本
」は、7年前の2017年に放送されたドキュメンタリー番組「ばっちゃん~子どもたちが立ち直る居場所~」を扱っていた。此の番組は“見逃し配信”として此方で、“2024年6月28日23時27分視聴出来るので、是非とも“全て”見て戴きたい。MC池上彰氏とゲストの宇梶剛士氏がスタジオ内で遣り取りするシーンの無い、元々7年前に放送された番組と同じ内容(と思われる)物は、YouTube此方で視聴出来る

広島在住で元保護司の中本忠子さん(初回放送時82歳)は、40代の頃から保護司として活動して来た。「腹が減った時っていうたら、皆、悪さをする事しか頭に無い。女の子だったら売春ね。男の子じゃったらカツアゲ引っ手繰り万引き御腹空いた時で考えるいうたら、それしか無い。此れは、10人が10人皆。」と考えていた中本さんは、「家庭等、社会で居場所を無くし、御腹を空かして非行に走る少年&少女達を何とかしたい。」という思いから、40年以上前より「自宅でそういう子供達に、無償で食事を提供する活動。」を続けている。自分達に寄り添い、真摯に話を聞いてくれる中本さんの事を、子供達は“ばっちゃん”と呼ぶ。数多の子供達がばっちゃんの世話になり、90歳となった今も元気な彼女のを訪ねて来る子も少なく無い様だ。

YouTubeには、今年5月22日に「MBSニュース」内で放送された「少年院“出身”の現役医師」の特集がアップされている【動画】。大阪府で「水野クリニック」の院長務める水野宅郎(46歳)は、父親が医師という家庭に生まれた。中学時代にシンナー吸引等の非行に走り、高校は数ヶ月で退学遂に覚醒剤に手を出すという“薬物嵌まる生活”を送っていた彼は、18歳の時に覚醒剤使用で逮捕され、少年院に送られる事となった。

1年間に及ぶ少年院生活で、自分を見詰め直した水野氏。少年院を出た後、彼が医師の道を目指そうと決意した大きな理由は父親の存在だったと言う。「自分の生い立ちを振り返った時、『医者になりたい。』という夢を幼稚園の時に持っていた事を思い出した。其処には『医師の御父さんは凄い!』という強い憧れの気持ちが在った。」と水野氏。父親に其の思いを伝えた所、父は賛成してくれたと言う。又、保護司として付いてくれたC氏も、「一緒に頑張ろう。(医師になって)将来、俺の死亡診断書を書ける様になれ。」と励まし続けてくれた。「そんな周りで支えてくれた人達の御蔭で、今の自分は在る。」と言う水野氏は、「困った人から求められるなら、何でも遣る。」というスタンスで、訪問診療ヴォランティア活動等々に日々明け暮れている。

中学の時に家を飛び出し、非行の道に走った宇梶剛士氏。高校時代に暴力事件を起こし、少年鑑別所入所出所後には暴走族に入り、当時の日本最大組織とされたブラックエンペラー三多摩地区のヘッドから、後に7代目名誉総長となった事でも知られている。そんな非行驀地な彼を支え続けてくれたのは、焼き鳥屋の大将夫妻だったと言う。「中学の時から家を飛び出している。バイト等を遣って、何時も腹ぺこだった時、飯を食わせて貰った。」、「トイレに行くと小母さんが走って来て、ティッシュに包んだ物を渡してくれる。其処には5千とか入っていて、『美味しい物を食べなさい。』と言ってくれた。」と宇梶氏は以前語っていたが、時には厳しい事を言われたりしたが、大将夫妻は彼をずっと支え続けてくれて、『そんな小父さんや小母さんを裏切ってはいけない。』という強い思いが在ったからこそ、今の自分が在る。と彼。

「絶対に更生するんだ!」という自身の強い思いが在り、尚且つ周りで支えてくれる人達の存在が在れば、水野氏や宇梶氏の様に更生出来る可能性は充分に在るのだ。


コメント    この記事についてブログを書く
« 「家族解散まで千キロメートル」 | トップ | 与四球 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。