“浪花のモーツァルト”と呼ばれた作曲家&タレントのキダ・タロー氏が14日、93歳で亡くなられた。此方に紹介されている様に、彼が作曲した作品には強く印象に残っている物が多く、浪花のモーツァルトという呼称は伊達じゃ無い。矢張り作曲家として数多くの作品を生み出し、タレントとしても大活躍した小林亜星氏を自分は勝手に“江戸のベートーヴェン”と呼んでいたが、此れもキダ氏の呼称が在ったればこそで在る。
今年、キダ氏の姿をTV番組で見掛けた際、大分痩せておられたので「大丈夫かなあ・・・。」と心配していたのだが、不安が的中してしまった形だ。合掌。
キダ氏と言えば、昨年見たTV番組で“告白”した話が忘れられない。其の時の話を記した記事が見付かったので、コピー・アンド・ペーストする。
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「キダ・タロー氏93歳が涙 80年前虐め加害を突然激白『ナイトスクープ』彼を叩いた、悔やんでます、彼の涙で俺は、人に手を上げる事止めた」(2023年3月11日、デイリースポーツ)
浪速のモーツァルト事作曲家キダ・タロー氏(93歳)が、8日放送のABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」に最高顧問として出演した。
依頼者から、「夫が中学の時に友人に手を上げてしまい、其の儘疎遠になった事を長年後悔しており、謝罪したがっている。」との依頼が届いた。
此れを受け、探偵の石田靖が「顧問、何か悔やんでいる事が在ります?謝りたい人とか居ます?」と聞くと、93歳のキダ氏は「居ますけど、其の子は亡くなりました。」と返した。
「謝るのは、早い方が良い。」との話になったが、キダ氏は真剣な顔で「其の子、心臓が弱かったんですよ。中学1年で、皆で虐めるんですよ。私、其の内の1人に入っとったんです。」と告白した。
涙声になり、「私が叩いたんですね、彼を。彼が黙って涙を流したんです。其れから俺は、人に手を上げる事は止めたんです。其れだけが、悔やんでます。」と明かした。
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何時もは陽気なキダ氏が、此の時許りは涙を目に浮かべ、「後悔の思いしか無い。」という表情で話していたのが、非常に印象的だった。2年前の記事「虐めた側は忘れても、虐められた側は一生忘れられない」で書いた様に、自分自身の経験からも「虐められた側は一生忘れない。」と思っている。
でも、其の一方で、自分自身が虐めの加害者になった経験“も”在るのだが、其の事を今でも引き摺っていたりする。20年前の記事「ミャンマーの政変で想う事」で記した様に、「小学校の時、ミャンマー(当時はビルマと呼んでいたが。)からの転校生を皆でからかい続けた経験が在り、最終的には彼と仲良くなったものの、『異国の地でからかわれ続けて、彼は相当辛かったろうなあ。』という悔恨の思いが、“アラ還”になった今も在る。」ので。だから、キダ氏の告白は決して他人事に思えなかったし、共感してしまった。