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「ゆるキャン△」に登場しない大井川鐡道を巡る その33 アプトいちしろ駅のブッピガン

2024年05月14日 | ゆるキャン△

 奥泉駅を9時54分に出て、次のアプトいちしろ駅までは林間をひたすら走りましたが、地形的には崖面を削って造成された細長い平坦地のうえに線路を敷いていますので、右はゾッとするような崖、左は削られた荒々しい岩肌のみが窓の外を流れていきました。

 

 途中で左側に上図の分岐線を見ました。近くの大井川にかかる中部電力の大井川ダムおよび奥泉発電所への専用側線に続いているそうですが、長い事使われていないようで、線路のレールが半ば埋もれかけていました。

 

 まもなく大井川に架かる鉄橋を渡りました。左手を見ると、大井川ダムそのものは地形に隠れて見えませんでしたが、その関連施設とみられる白い建物が大井川の右岸に見えました。先に見た分岐線は、左側の崖上を通っている筈ですが、上図左端に大きな崩落跡が見えましたので、ひょっとすると線路も分断されてしまっているのかな、と思いました。

 

 トンネルを抜けてアプトいちしろ駅へ近づきました。その手前の左側の待機線に上図のアプト式電気機関車ED90形が2輌連結の形で停まっていました。今日の列車は長いほうなので、アプト区間の推進機関車は2輌か、と気付きました。

 

 既に分岐線の傍らには係員さんがスタンバイしていました。アプト式電気機関車ED90形の運転士でしょうか。

 

 アプトいちしろ駅のホームに入る直前に左側に見えた、ゆるキャンでもお馴染みの吊橋です。今は車道ですが、もとは大井川ダム奥泉発電所の工事に使われた専用軌道の橋だったそうで、金属製で頑丈に造られています。

 

 10時5分、アプトいちしろ駅に着きました。すぐにアプト式電気機関車ED90形が本線に入ってきて列車の後ろに近づいてきました。井川線アプトいちしろ駅名物の連結作業こと「ブッピガン」がこれから始まります。

 

 既に案内のアナウンスがありましたから、乗客の大半が降りて付近に集まってスマホやカメラを構えて待ち構えていました。列車の最後尾のDD20形機関車は、御覧のようにトーマスファミリーのトビー号の仕様でしたが、顔面は外されていて代わりに「せっそ」のヘッドマークが付けられていました。「せっそ」とは接阻峡温泉のことでしょう。

 

 ゆっくりと最徐行で連結点に近づくアプト式電気機関車ED90形。車番がED901ですから3輌あるED90形の1号機です。平成二年(1990)に日立製作所で製造されて以来、20年余り働いています。

 川本氏によれば、このED90形は警笛の音が3輌それぞれに異なっており、マニアなら音を聞いただけで何号機か分かるそうです。
 今回の上図のED901が連結直前にいったん停止し、短く「ファン」と鳴らした警笛は、かつてのスイス連邦鉄道のAe4/7形電気機関車に装備されていたのを、井川線アプト式区間開業記念に贈呈されたもので、つまりはスイス鉄道ふうの警笛音でした。
 ちなみにED902の警笛はドイツ製、ED903のは日本のクラリオン製だそうです。私自身は以前にED903の警笛音も聞きましたが「ワーン」という感じで、JRの普通列車などのそれと似た音域でした。ED902の警笛はまだ聞いたことがありません。

 

 いったん停止したアプト式電気機関車ED90形が、車掌さんの手旗誘導で再びゆっくりと進み始めました。

 

 ガチャ、と鈍い音が小さく響いてED20形機関車の開放テコがカタッと落ちる音がしました。開放テコに繋がった安全ピンが連結器の合体と同時に自動的に連結器の穴に落とし込まれたのでした。
 
 この開放テコの動きは、ゆるキャンアニメ3期の第5話でも忠実に再現されており、各務原なでしこが三重県からのお姉さんコンビに誘われて上図と同じ「ブッピガン」の見物にのぞむ場面でリアルに描写されています。

 実際には上図のように見物客が詰めかけるので、なかなか近くで見られませんが、私自身は初めて井川線に乗った時にその連結作業を間近で見たことがあります。DD20形機関車の開放テコが連結器にカタッと落ちる様子も初めて見て、機関車に付いている開放テコがどういう部品なのかを瞬時に理解しました。

 

 「ブッピガン」完了です。乗車を促すアナウンスが流れ、見物人たちはめいめいの車輛に向かい始めました。一部はまだ撮影を続けていました。

 

 このとき撮影した駅名標。

 

 10時8分、このアプトいちしろ駅への下車客を除いて全ての乗客が乗り込み、発車しました。長い事停車していたように感じられますが、実際には3分足らずでした。
 この3分足らずのうちにアプト式電気機関車ED90形の連結合体と安全確認、乗客の再乗車確認を素早く行うのですから、井川線の車掌さんは本当に優秀なんだなあ、と感心してしまいます。  (続く)

 


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