御存知ガルパンコミックの「フェイズエリカ」です。同じコミックの「リボンの武者」とともに、多数多種の戦車および車輌が登場することで知られます。アニメシリーズには出てこない車輌が多いので、再現製作も様々に楽しめます。
これらの作中車のうち、私の製作においては、継続高校チームの戦車を7輌作る計画で、そのうちの6輌を仕上げました。今回は、その残る1輌を製作してゆきます。
その残る1輌とは、上図のT-28中戦車です。副隊長のリリの搭乗車として描かれ、トリッキーかつアクロバッティングな戦いぶりをみせて、対する黒森峰女学園チームの西住みほ、逸見エリカたちを苦しめた、ラスボス的な存在でした。
御覧のように主砲塔の前に2基の副砲塔(銃塔)を配した、いわゆる多砲塔戦車です。史実ではソ連が1933年に開発して制式化した、ソ連軍最初の多砲塔戦車として知られ、生産数も世界最多の503輌を記録しています。
作中では前面、左右側面、背面、そして上面の全アングルからの姿が描かれており、模型再現製作に必要な情報量は充分に確保されています。惜しむらくはカラーページが無い為に車体カラーが不明ですが、ソ連が1939年にフィンランドに侵攻した冬戦争にて投入された車輌はグレー系統であったといいますので、それに合わせてグレー系のカラーで仕上げてみることにしました。
ガルパンの継続高校チームがこのソ連戦車を使用しているのは、史実にてフィンランド軍が冬戦争にて5輌を鹵獲し、自軍の戦車部隊に配備して、戦後の1951年まで運用していた経緯に因むストーリーだと思われます。
ガルパンのアニメ、コミックを通じて継続高校チームの最大の戦車であり、これが最終章第4話の対大洗戦の後半に登場したら、相当のインパクトがあることでしょう。
ちなみにガルパンの多砲塔戦車といえば、最終章第2話に登場したヴァイキング水産高校チームのノイバウファールツォイクが知られていますが、一撃で呆気なく撃破されていますので、それと対照的なコミック版でのT-28の奮戦ぶりが余計に印象に残ります。
手元には、五年ほど前に姫路のホビーオフにて2000円で買っておいた上図のキットがありました。T-28の装甲強化型として1939年から製造されたT-28Eのキットで、増加装甲のパーツが追加されていますが、作中車は76.2ミリ主砲をもとの16.5口径KT-28から26口径L-10に換装したT-28Bに相当し、増加装甲は付けていないので、それに従うことにしました。
中身です。ホビーボスならばでの細かいパーツ割りによるパーツ数の多さが、そのままランナーの数の多さに反映されてギッシリと詰まっています。履帯も個人的に苦手な連結式パーツですが、今回の車輌は大型の部類に属するので、履帯パーツも大きく、小型の軽戦車のそれよりは扱いやすいかな、と思いました。
左は説明書および組み立てガイド、右はカラーの塗装見本図です。
ステップ1で車輪類を組み立てます。起動輪のパーツはB17を選択します。ステップ2では車体の上下を組み合わせてサスペンションを作ります。
ステップ1の組み立ては、数の多い転輪の組み立てから始めました。片側だけで12輪ありますが、全てが同じ仕様ではなくて、工程をみるとどうも四種類の仕様があるようなので、パーツを間違えずに気を付けての作業を心がけました。
転輪とあわせて、起動輪や誘導輪も組み立ててゆきました。
組み上がりました。転輪は四種類が分かるように番号書きを添えて並べてあきました。四種類といっても、見た目にはみんな同じに見えるのですが・・・。 (続く)