蜘蛛網飛行日誌

夢中説夢。夢の中で夢を説く。夢が空で空が現実ならばただ現実の中で現実を語っているだけ。

まちだ、きえて。

2005年11月29日 05時28分05秒 | 彷徉
街の空洞。このようにして生活の基盤となっていた場所が消滅していく。そして今わたしはその現場に立ち会っている。何れここにもマンションという名の集合住宅が屹立するのだろうが。まったくやりきれない話だ。
街というのはそこに住民がいなければ最早街ではない。そうなれば町名なんぞまったく無意味となり、「A」でも「い」でも「γ」でもよいことになってしまう。ところが昨今では人が住まっているうちから町名が行政によって恰も「A」「い」「γ」のように変更されてしまっている。
それで何が問題なのだ、と言い出す横紙破りは何時の時代にも、何処の世界にもいるものだが、しかしわたしはそれは問題なのだと断固主張したい。よろしいか、言葉(町名は端的に言葉です)は記号ではないのあり、意味とは「差異」によって把捉されるものではないのだ。発話される言葉の意味的重層性は決して記号に還元できるものではないということをわたしはここで読者諸賢に強く申し上げる次第です。