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ウルトラマンメビウス~怪獣使いの遺産~

2006年11月11日 | 今日のウルトラマン
ウルトラマンメビウス Volume 4

バンダイビジュアル

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 「帰りマン」第33話『怪獣使いと少年』の後日談として描かれた今回のお話、色々な意味で、後世まで語り継がれるであろう内容になりました。まずはあらすじを公式サイトでご確認下さい。

 私は、「帰りマン」放映当時はすでにウルトラマンから離れてしまい、日々タミヤ模型のミリタリーミニチュアシリーズ一筋な中学生になっていましたので、残念ながら『怪獣使いと少年』は見ていません。先ほどウィキペディアで確認しましたところ、「この時期の31話~35話は、'70年代末にウルトラシリーズが再評価された際に、一部書籍で『11月の傑作群』と銘打たれている。」だそうな。さらに調べてみると・・・差別を取り扱ったヘビーな作品ということが分かりました。「怪奇大作戦」第24話『狂鬼人間』同様、社会的な暗部を切り裂いて見せた、衝撃作です
 かの差別された少年「良」のその後を描くところから、今回のお話はスタートします。なぜ彼は穴を掘り続けるのか?少女に語ったことには、
 「メイツ星に行くんだよ。おじさんが言っていたんだ・・・いつか、メイツ星人と地球人が手を取り合って仲良く出来る日が必ず来るって・・・だから俺、一足先にメイツ星に言ってみたいんだ。そして、おじさんの仲間たちと握手するんだよ!」
うーむ、見事にテーマがすり替わってますね
 差別され最愛の人を殺された良少年の怒りは、どういう形で昇華されたのでしょうか?あのテーマは21世紀の現在では表に出せないということでしょうか?折りしも「いじめ」が社会的な大問題になっているところへ、その問題に直通で繋がるテーマを持った作品の、後日談をこういう形に曲げてしまって放り出したのは・・・時期が悪すぎな感がします
 でも、前作と切り離してみると、ウルトラマンメビウスという作品全体を貫くテーマをしっかりと描いた傑作だとも思います。
 地上に降り立ったメイツ星人ビオは言います。
 「メビウス、これは我々メイツ星と地球との問題だ。」
 「わかった。君が怪獣を暴れさせることなく、平和的に地球人と話し合うと言うのなら、僕は手を出さない。」
 「約束するかね・・・」
この直後、ビオはリュウの銃撃を受け負傷し、地球人に対する不信感から円盤での攻撃を開始します。円盤による攻撃により、炎上する街。
 「三十数年前の出来事は、二度と起こってはならない悲劇です。無知と恐れの生み出しだした不幸な出来事といえるでしょう。我々は自らの過ちを知り、改めなければなりません。ですが、今、危機にさらされている人々を守る事がGUYSの使命であることにも変わりありません!」
 サコミズ隊長の、この言葉が今後のGUYS、そしてメビウスの立場を端的に物語っているのでしょう。ミライも
 「これは地球とメイツ星との問題。僕はどうしたらいいんだ・・・」と悩みますが、リュウ隊員の
 「ミライ・・・何やってる!街が大変な事になっているんだぞ!」
の一言で、メビウスに変身します。今、危機にさらされている人々を守ること、それがミライの、そしてメビウスの使命であり、呪縛となっていくのでしょう。
 それにしても・・・園長先生役で斉藤ともこさんが出てました。おじさんには、こっちのほうが懐かしくって、感激でしたよ~