御嶽山の南、王滝川を挟んで北西から南東方向にほぼ一直線に連なっている山並みがあります。これが阿寺山地で、岐阜県と長野県の県境を形成しています。その中の一つ、小秀山に登ってきました。小秀山は標高1981.7m、阿寺山地の中で最も高い山であり、『日本二百名山』にも入っている魅力に満ちた山です。
例によって、登山パートナーはS氏。今回は東海環状自動車と中央高速を使って中津川まで行き、そこから国道257号線を北上、舞台峠で右折して乙女渓谷に入るルートを取りました。家を出たのが午前4時半、登山口となる乙女渓谷キャンプ場の駐車場に着いたのが午前7時15分でした。
乙女渓谷キャンプ場
7時30分に登山行動開始。上の画像中央の建物(キャンプ場管理棟)右手から入る『二ノ谷ルート』を使いました。このルートは長らく通行止めとなっていましたが、立派な桟道が整備され昨年より使えるようになりました。急峻な谷に沿って桟道が付けられています。そのほとんどに滑り止め加工がされており、大変歩きやすいと感じました。さて、次々と滝が現れ、素晴らしい渓谷美が目を楽しませてくれるのですが、それはつまり、次々と滝を乗越していかねばならないということ・・・出掛けから心配していた雨もシトシトと降ってきて先が思いやられます。
夫婦滝
8時20分、夫婦滝に到着。休憩し水の補給をする。(最終水場は、さらに10分ほど登ったところにありました)落差80mの堂々とした瀑布を愛でる余裕もなし
だって、落差80mの滝の右岸を高まくルートが「さあ、登る元気があるなら登ってみろ!」とばかりに、目前に迫ってくるのですから・・・ 10分の休憩の後、登山行動再開。桟道付きのサービスも終わり、ガレた急斜面を文字通り「よじ登って」滝の上部に出、更に孫滝を越えると谷と離れて尾根へ取り付くことになります。9時30分「カモシカ渡り」上部にて、10分の休憩。急登につぐ急登で、悲鳴をあげている足に、この「カモシカ渡り」の岩登りはきつかった・・・三点確保さえ気をつけていればそう難しくない登りなんですが、散々足を苛め抜かれたあとですからね・・・気が抜けないルートだと思います。この後しばらく痩せ尾根を登ると、尾根は次第になだらかになって行き30分ほどで三ノ谷ルートとの分岐に出ました。
分岐
更に30分登って(もちろん急登)カブト岩到着。ここで3回目の休憩を取りました。気が付くと雨は上がっており、周囲の山々を望むことも出来るようになっていましたが、地図でそれらの山々の名前を確認する気力も出ず仕舞い・・・折角20万図を持ってきたのに・・・
それでも、二つほどの小ピークの向こうに見えるのが小秀山の山頂だろう、その向こうが御嶽だね、ここからは高原状のなだらかな道になるようだよ、というS氏の言葉に少し元気を出して、カブト岩を出発。確かに今までの急な登りに比べれば快適なハイキング道
でもここに来て酷使してきた足は限界、左右の太ももが交互に攣ってしまい、休み休みでしか前に進めない有様でした。なんとか第1高原、第2高原、第3高原と進んで行き、11時15分に山頂にたどり着きました
小秀山山頂から御嶽山を望む
谷を挟んだ向こうに聳える御嶽山。この景色こそが阿寺山地の山々が人々を魅了して止まない理由でしょう。生憎の曇り空の下ではありましたが、絶景に見惚れてしまいました。この景色を楽しみながら昼食。が、残念ながら20分ほどでガスがかかり、御嶽は帳の向こうに消えてしまいました・・・
案内板によると、山頂付近にはオコジョも棲息しているようですが、こちらも見ることは叶わず、12時ちょうどに山頂を後にしました。第3高原で夫婦連れの登山者とすれ違いました。今回の山行で唯一会った方々です。55分で分岐まで下り、ここからは「三ノ谷ルート」を使って下りました。「二ノ谷ルート」と比較して道の切り方もゆるやかで体力・技術に自信のない方にはこちらがお薦めの登りルートだと思いました。ただ、
大嫌いな蛇に、2回も遭遇したのには閉口しましたが・・・ 午後2時10分、三の谷登山口に着。
三ノ谷登山口
ここで10分ほど休んでから未舗装の林道をだらだらと下り、午後2時40分にキャンプ場駐車場に帰り着きました。
やれやれお疲れ様・・・(今回はお楽しみ、温泉はなし・・・)