重症てんかんの突然死、発症に関わる神経細胞の特徴や分布を明らかに-名古屋市大ほか
名古屋市立大学らの研究チームは、重症てんかんの突然死に関連する神経細胞の特性と分布を明らかにした。大脳皮質と海馬でNav1.1とNav1.2を発現する神経細胞の分布を詳細に調査した結果、Nav1.1は抑制性神経細胞で、Nav1.2は興奮性神経細胞で主に発現していることを確認した。また、特に大脳皮質ではGFP陽性神経細胞の約74%が興奮性神経細胞である一方、海馬ではほとんどが抑制性神経細胞であることも示された。この成果は「eLife」に掲載された。
大脳皮質の神経細胞はNav1.1とNav1.2を接続経路の異なる神経細胞集団ごとに発現している。例えば、皮質5層の錐体路投射細胞はNav1.1を、6層の皮質-視床投射細胞などはNav1.2を発現する。これらの知見は「ドラベ症候群」における突然死の発症メカニズムを示唆し、新規治療法や予防法の開発につながると期待される。特にNav1.1の半減は社会性行動異常の主原因であり、それが大脳皮質の興奮性神経細胞の一部で発現しているという事実は重要だとされる。