難病や小児慢性特定疾患の医療費助成対象を拡大する制度を実施するための難病医療法案(難病の患者に対する医療等に関する法律案)と児童福祉法改正法案を2014年2月12日に閣議決定。
難病医療法案は、これまで予算事業だった不安定な難病対策から、特定医療費(医療費助成)の助成制度や診断、治療、研究体制などを法制化し、持続可能な安定した制度にすることが目的。
同様に、児童福祉法改正案は、改正により子供の難病などに対する小児慢性特定疾病医療支援(小慢)事業の医療費助成を法定給付化するためのもの。
厚生労働省は法成立後、第三者委員会をつくり、助成対象となる疾患や患者の基準を決める。政省令で助成手続きの詳細を定め、2015年1月以降に施行予定。
新制度の柱は下記の3つで、約40年前に難病対策の制度が始まって以来の大幅な見直しとなる見込み。
- 効果的な治療方法の開発と医療の質の向上
- 公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築
- 国民の理解の促進と社会参加のための施策の充実
ドラベ症候群の観点からは、重症乳児ミオクロニーてんかん(SMEI)として小児慢性特定疾患に指定されているが、
難病指定疾患ではないために20歳以降に小児慢性特定疾患でカバーされていた福祉サービスが受けられなくなる問題がある。
(小児慢性特定疾患については、ご存知ですか?小児慢性特定疾患 参照)
難病対策委員会で示されている医療費助成の対象とする要件は
年齢に関わらず下記の4要素を満たしていること、かつ、客観的な指標に基づく一定の診断基準が確立している疾患であること
- 患者数が人口の0.1%程度以下
- 原因不明
- 効果的な治療方法未確立
- 生活面への長期にわたる支障
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実際の新たな医療費助成の対象疾患の追加については、難病医療法案成立後に、2014年度に第三者委員会で審議され、年内に政省令で追加される見通しか。
現行制度の助成対象である56疾患(約78万人)を、約300疾患(約150万人)に変更予定。医療費の自己負担は3割から2割に引き下げる。
ドラベ症候群など小児慢性疾患は、対象疾患を現行の514疾患、約11万人から約600疾患、約15万人に拡大する見通し。
新たな法律案に関する概要
法改正に関連して12月2日に開催された「法制化を求める緊急院内集会」に関する審議会委員からの提出資料
Reference:
疾病対策部会難病対策委員会 議事録等資料 厚生労働省HP