ガエル記

本・映画備忘録と「思うこと」の記録

「異教の隣人」釈徹宗

2018-12-24 07:06:55 | 

「異教の隣人」

100分で名著でもお馴染みの釈徹宗さん著なので手に取ってみました。図書館で借りました。日本の中にある様々な宗教活動の紹介をした本です。

私自身はよくいる日本人的な緩い宗教観で生きています。とりあえず、お葬式系列は仏教であと神道を少々、的な状態ですね。参列するのを拒みはしませんが信仰しているわけじゃないのに教会で結婚式を挙げるのはどうかと思うというよくいるタイプの人間です。クリスマスはできるなら厳かに過ごしたいですね。クリスチャンではないけど。

ただし宗教を勉強するのはなかなか興味深いものです。そして深く信仰している人を羨ましくも思えます。この本の中でも「深く信仰するようになって自由になった。死への恐怖や迷いがなくなった」というのを読むとますます羨ましくなります。
とはいえ私は今の「緩い信仰状態であることがある種の信仰の姿である」と信じてきたわけですから今の状態を逸脱するのは難しいことなのですよね。今の緩い信仰姿勢で様々な宗教を学ぶ、というのが私の望むところであるように思えます。

ところで多くの「緩い信仰状態にある日本人」(と察しますが)はやはり天皇のお言葉を聞くとじーんとしてしまう、という宗教観も持っています。日本の神道、というのは日本人の中心にやはり根強く存在しているようでありますね。私も天皇の85歳のお言葉を聞いてその真面目なお心に打たれてしまいました。そしてネットを見てると同じような人が結構いるようだと思います。天皇は神ではなく象徴であらせられますが、象徴という言葉にも深い意味を感じます。
政府には強い懐疑心を持っても天皇は常に心を寄せてくださっている、ということに安堵しているのはやはり信仰なのだと思います。
私には芸能界のアイドル、というのがいませんが天皇及び天皇一家は最強のアイドルであらせられると思っています。

では本の紹介に参りますw

まずは「イスラム教」からこ始まります。
今一番気になる宗教といえばイスラム教ですよね。イスラムのテロリストの出現でイスラム教=凶悪、というような図式ができあがってしまいましたが、それがごく一部であること、酷い男女差別というイメージもありますが、これも特殊な一部のみが書き立てられているわけです。
 
本書を読んでいくと様々な宗教があって時に極端に思う部分はあるけれど同じ人間が長い間信仰し存続させてきたものがそんなに過激で異常なものであるはずはないと思います。
ただここにも書かれているように人間が行うことに完璧というのは難しいし一部過激になってしまう者もあってそこが目立ってしまうということはあるのですね。
著者の気持ちも反映されてはいるのでしょうが、多くの宗教の寛容さや大切さを教えてくれる本であります。

読んでいてやはり無理だなと思うのは今の生活になじまない極端なもので例えば厳格な菜食主義だとか、宗教の流儀にのっとったの食肉しかできないのは困難だと思います。厳格な菜食主義では子供の成長に影響はないのかと心配になります。流儀にのっとった肉の処理のほうはそれが主流になれば問題はないわけですが。

逆にこれはあった方が良いのでは、と思うのは「安息日」ですね。
日本では無理だろう、とか一斉に皆が休んだら困るのでは、というのもあると思うので、それぞれずれて一週間に一日安息日があると良いのでは、と思います。少々都合よすぎかもしれませんが。
一週間に一度でなければ一か月に一度でもいいけど、一日何もせずじっくり神を思う、という時間は必要なのではないでしょうか。一週間に一度安息日がある、ということをずっと続けてこられたのかと日本社会を思うと不思議でなりません。しかも全員安息してしまう不便さがないのかと思うのですが、本当に安息してしまうのですね。しつこいですが、そのくらい不思議に思えます。
そして日本に最も必要なものじゃないかと思ってしまいます。安息日。
日本人的には一斉にあった方がむしろいいのかもしれません。

イスラム教徒のヒジャブ、女性が被るスカーフのようなもの、ですが奇異に見られてしまうものでもありますが、考えたらなかなかお洒落で良いものにも思えます。足を隠せるのでズボンは推奨されるというのも良いことではないでしょうか。

宗教にはまる、だとか強い信仰心だとかいうとむしろ胡散臭いもののようなイメージがありがちですが、寛容な信仰心を持つことはとても良いことだと思います。
迷いがある、心が弱くなった時に心の拠り所があることは悪いことではないでしょう。悪い影響の方ばかりに目を向けるのではなく優れた部分、より良くなる方向へと導いてくれる宗教を見つけだせることができたなら、と私は願っているのですが。









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