それほど見返したわけではないけど何度目かの鑑賞だと思います。というのはこれまでそんなに良い作品だと思っていなかったからでしょうか。これが案外今まで見て来た時より今観た方が凄く面白く思えてきました。
ガンダムファースト世代で入れ込んでいた者ほどこの作品には抵抗を感じてしまうものかもしれません。安彦キャラデザインが似てて非なるものになってしまっているし、その後の設定になっている為に、それぞれの性格や行動が変化・劣化しているように感じられ失望してしまったのではないかと思うのです。
しかし長い時を経た後で見返してみるとそうしたキャラへの愛着というか執着のようなものが薄れ冷静に見れるためかこんなに面白かったっけ?と逆に思ってしまいました。同じような思いを抱いている方は再鑑賞なされてみてはいかがと存じます。
超人的に思えていたシャアもアムロも少しだけ常人より特別な才能があるだけの当たり前の人間なのですね。しかもただの若造なのです。
クェスのようなたった13歳の少女にすら手こずっているような、です。
富野アニメは他にあるアニメ作品とはかなり違った角度で作られているように感じられます。物語もセリフも一辺倒ではないし難解なことを言っているわけではないのですが、なかなかに歯ごたえがあって噛みしめて見ないと味わえないという作りになっています。なので、ちょっと見ただけだと意味が解らないし、テーマも飲み込めないし、とっつきづらい。でもそれが解るともう他のアニメでは満足できない体になってしまうという癖の強いものなのですよ。
ファーストガンダムで子供だった(と言っていいと思う)アムロやシャアが少しだけ年を取って子供の輝きが薄れその分嫌な大人の荷物をしょい込み、ファンとしては幻滅したでしょうか。でもそれが人間の成長なのです。アムロはますますここから老け込んでいきますし、シャアは良く判らない化け物のような存在になっていきますが、ここではまだその途中であります。ガンダムシリーズは見れば見るほど面白いものでありますね。
SFとしての面白さもありながら大河ドラマや青春物語としても年を取っていく人間としてのドラマとしても非常に見ごたえのある作品群であると思いました。
繰り返し、この作品に若い頃失望したとしても今はきっとその面白さを認識できるようにあなたはなっています。
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