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風をうけて vol.3

お引越ししてまいりました。
拙いブログですがよろしくお願いします。

農家の事情。

2025-03-17 04:25:46 | 日記・エッセイ・コラム
びっくりするくらいお米が高いよね~。

日本人の主食のお米を買い控えなきゃならないなんて、誰がそんな世の中にしたんだぁ~!

って、庶民は怒ってるんだよね、きっと。

その責任のちょっとのところを負ってるのはワタクシでございます。

と言っては大袈裟でしょう。

でも、その昔、米も栽培していた我が家です。

もう30年も昔のことですがね。

それを止め、少しの野菜を作っては、あとはもう休耕地状態。

きっとそんな農家さん、多いんじゃないの???

そりゃもちろん政府の減反政策もあったからさ、その時は逆に政府の計画に貢献してるんだって思ってたよ。

米を作らないことがこの国に貢献してるってね。

だってお米を作らないとお金がもらえた時代だよ。

そうなったら苦労してお米作って、その代価に見合わない売上金をもらうより、お米を作らず他の仕事に従事した方が全然いいでしょ。

そこに間違いがあったんだね、今の米不足、販売価格の高騰は。

だって、あの頃からお米作ってないからお米の作り方、育て方、分かんないもん。

いざ、お米がないからって、いくら田んぼがあるからって、お米作れないんだよ。

農家を知らないひとにとってみれば、そんなの簡単じゃん、田んぼに水を入れて機械で田植えすりゃいいんじゃんって思うでしょうね。

そんな単純なものじゃないよ。

種から苗を育てて、田んぼに肥料をまいて、害虫や病気の対策に農薬散布して、雑草対策もして、水の管理も当然するんだよ。

ひとつ間違えたら減収、どころか、収穫できなくなっちゃう事態にまで陥るかも。

稲刈りできない、していない田んぼ、時々見かけるよ。

そうなったら赤字も良いところ、それどころか精神をやられちゃうよね。

売り物にならなかったってきついよ~。

自信もモチベーションもズタズタ。

農家として二度と立ち上がれなくなっちゃうよ。

田んぼがあっても米を作れない農家さん、後継者さん、それがワタクシでございます。

専業農家じゃないけどね。



そりゃお米だけじゃない。

野菜だって同じだわ。

やっぱりプロになるのは半端ない技術と知識とちょっとした運がなきゃダメなんだよ。

直売所やスーパーなんかに並んでいる野菜や果物見て、このくらいなら自分だって作れる、そう思うでしょ。

とんでもない!

よく、虫食いのあるモノは農薬を使ってないから良いって言うけど、そうじゃない。

今の農薬って人体に影響しないモノで、その代わり、害虫にも優しくなってる。

残留農薬っていって長く効かないようになってるのに、虫はずっと狙ってるからね。

虫食いのない野菜を作るのは本当に難しいんだよ。

どんな物でも良いのなら誰でも、いくらでも作れるからね。

いつ、なにを、どう使うか。

これを自分のものにするのにどんだけの時間を要するか。

一年で一回しか作れないモノだってある。

はい、今年は実験で、何て言ってたら、良い物ができるまで何年かるんだよっていう話よ。

しかも、失敗したら収入はなし。

そこまで待てるかって言うお話しだよね。



今、野菜が高いから、とか、ぶどうが高く売れるから、とか簡単に考えてるひともいます。

元会社の元同僚が会社を辞めて、やることないから農地を借りて果物を作ろうかって言ってる。

おいおい、なんの知識もないのに、なんの設備もないのに、農地さえ持ち合わせていないのにできないでしょって。

苗木をこれから植えて、その気に実が生って、売れるまでにどれだけの時間が必要かって。

実が生るまでに自分が土に帰っちゃうよって。

それじゃ野菜にしようかなって言うんだわ。

おいおい、どう考えても無理でしょ。

家庭菜園程度の野菜作りじゃ売り物にはなりませんよ。

それは自分にも言えることだけど、せめてその苦労ぐらいはワタクシ、知ってますから。

ひとついくらで売れるから、このくらいの収入になるってそればっかりが先行しちゃうのね。

テレビ番組でも良いところしか写してないし、放送してない。

だから勘違いしちゃうんだよね。

一万円の資材費は簡単に使っちゃうけど、一万円を売るのはどんだけ大変かって知らない。

農家ってそんなものだよって言うけど、夢ばかりが先に立って現実に目を向けようとしない。

新車のトラクターのお値段聞いてびっくりしているようじゃ農家にはなれませんよって事だよね。

さてさて、我が家の農家事情、これからどう変わっていくのか、心配事ばかりですわ。

せめて赤字にならないよう、頑張らにゃならんわね。


コメント
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