と、今の実情から抜け出すのに
神様や仏様のお力を借りようと
言うのじゃないのだけれど、
今、とても気になっていることがある。
それは秩父三十四ヶ所観音霊場が
今年の午年に併せた十二年に一度の
御開帳の年となっており、多くの巡礼者で賑わっているということ。
昨年、そのプレイベントとして開催された
「秩父三十四ヶ所札所巡りウルトラマラソン」を僅か6,7分足らずで
完走できなかった悔しさや、武甲山に代表される山々に囲まれた
静かな町の風景が心に強く残りまた来年も絶対に走ってやろうと
思っていたその大会は今年はどうやら開催されないらしい。
それならば大会とかではなく、その御開帳とされた三十四ヶ所の札所を
走って廻ろうかと今年の春先から計画していたのだが、
残念ながら奇病に侵され計画倒れで終わろうとしていた。
しかし、そんなニュースを聞くたびにどうしても抑えきれない何かが
心の中で何度も沸々と湧いてくるのが分かった。
あのお寺のある風景。
山に囲まれた静かな街並み。
心の置き所としてどうしてもあの街に再び行ってみたい。
埼玉県秩父市は自宅から車で1時間も走れば着いてしまう街なのだが
その街は意外に私にとって遠い街でもあった。
それまで何故かほとんどその街に行った記憶がない、あの大会以外は。
有給休暇の今日、ようやくそんな街に行ってきた。
一番札所「誦経山四萬部寺」だ。
ここで納経帖を購入し
朱印を押してもらい
先ずはこれで念願の
札所巡りのスタートを
切ったことになったのだが、
いかんせん先日の「奥武蔵ウルトラマラソン」で痛みを悪化させてしまった
この腰では走るどころか歩くのも辛い。
それでもせっかくなのでそのまま車で二番札所に向かおうかと思ったのだが、
それではあまりに本意ではなくきっと後で悔やむに違いない。
ならば今日のところはこれで止め、日を改め再びこの場所から自らの足で
全ての札所を回ろうと思った。
この日も日差しは強く、盆地形状のこの秩父という地は山間の街にも関わらず
かなりの暑さであった。
ここをこの時期に約100kmあるという道程を、たとえ何日かに分けたとしても
徒歩や走って回るのはかなり厳しいものがあると思える。
もしこれを修業というならば、まさにそれにふさわしいかもしれない。
が、私は仏門に身を置いたわけでもなく、修行というより自分を見つめなおす
旅にできたら良いなと思っている。
あの有名な四国の八十八ヶ所には及ぶことはなくとも、やはりそれはそれ。
ハイキングや長距離の走る練習と言う位置づけだけでは実にもったいない。
手を合わせ、
仏像を見つめ、
人にふれあう。
それだけでも
何かをつかめるような
気がしてならないし、
それよりも何よりもともかく楽しみにしていたこの旅だ。
できれば今週末、その旅を始めようと目論んでいる、、、のだが。