風をうけて vol.3

お引越ししてまいりました。
拙いブログですがよろしくお願いします。

心のつぼみは・・・

2011-03-26 12:48:29 | 日記・エッセイ・コラム

2011_03240004 今日は随分風が強い。

季節はずれの“季節風”と

言ったところだろうか。

既にお彼岸の時期も過ぎ

春の息吹を感じ始めても

良い頃だというのに

朝晩の冷え込みは

真冬並み。

やはりこんな感じの気温ではさすがに桜のつぼみもまだまだ固く

温暖な地方では開花の便りも聞こえ始めているようだが、

この辺りの今年の開花は、だいぶ遅くなってしまうような気がする。

来週からはやっと気温も上昇するような予報であるから

早くつぼみが開花へ向かってくれれると良いのだが。

2011_03240011 一足先に咲き誇っていた

こぶしの花は今日のこの風で

だいぶ痛めつけられて

しまっただろう。

今、満開を迎えようとしている

モクレンの花も

いつもなら妖艶な甘い臭いを

発するところだが

こんな日では枝にしがみついているのがやっとこと言ったところだろうか。

それでもやっぱり春はいい。

しかも、春になりきれない三寒四温のうちの“寒”の部分で、

“温”に向かうほんの少しの間の、寒すぎず、それでいて暖かくもない、

そんな日がなんとも言えず好きだ。

夕方に外に出れば、何となくからだ全体がむずむずするような感覚。

それでいながら、空気は少しのトゲを持ちつつ、頬を心地よく刺す。

西の空を見れば赤い太陽がぼんやりと、そしてその姿を薄い雲の中に

隠くそうとしている

そういえば昔、冬の厳しい寒さから開放され、暗くなるまで遊びだすのが

こんな時期からだったような気がする。

2011_02040007 帰りの遅い子供を案じ、

迎えにきた母親の腕の中で、

興奮が冷めきれず

二人の姉とじゃれあっていた、

そんな光景を思い出すのだ。

もう四十数年も

昔の事だというのに、

未だにそんなことを

鮮明に記憶しているほど幼少期の思い出というものは、

他には変えられない、ホントに大切な宝物なのだなとしみじみ思う。

それにしてもここ最近、良く眠れる。

震災や計画停電の影響で不規則なシフト制の仕事は更に

複雑な形態に姿を変え、それでも何故か睡眠時間に不足を感じる事は無い。

「春眠暁を覚えず・・・」とはよく言ったものである。

いや、仕事がきつく疲れているとか、春の訪れが眠りの世界へと

招き込むのではなく、それとは逆に“心の安らぎ”が

そうさせてくれているような気がするのだ。

そういえばこのところ、かなりがむしゃらに走り続けてきた。

生活や仕事、そして社会貢献としての自治会役員。

それらはまだまだ息の抜けるような状態ではないが、

ここにきて幾分そんな生活にも慣れたということなのか、焦りや苛立ちが

少なからず自分の心の中で軽減されているように感じる。

2011_03200002 軽くなった心は

疲れた精神や肉体をも超え、

安らぎと睡眠を

与えてくれるという事なのだろう。

春は始まりの季節。

実は一年が

この季節から始まる。

今までのギスギスした

心の中のトゲの部分が、この日の強い風に綺麗さっぱり吹き飛ばされ、

軽くなった自分でこれからを迎えようと思う日となった。

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「決心」

2011-03-19 10:04:54 | 日記・エッセイ・コラム

2011_03040002_2 薄い雲の隙間から、陽の日差しが

カーテン越しに淀んだ空気の

この部屋を照らしている。

午前7時40分。

浅い眠りから目覚め

ぼんやり外の景色を眺めている。

いつもなら、忙しく仕事に追われ

日々の余裕のない暮らしに

溜息のひとつもつくような時間でもある。

こうして震災以来、時間をもてあますような事態が自分を締め付ける。

会社は納入先の大手自動車会社の操業がストップしている以上

わが社が稼動する理由はない。

過去にリストラ等により失職した方々の気持ちが少しだけ

理解できたような気もする。

健康で仕事があり、忙しく動き回っていた事がつい一週間前のことだというのに

遠い昔だったような錯覚に陥る。

このまま、今まで通りの生活が続けられるのかと、ほんの少しだけ

家族に不安の顔色もうかがえてきた。

それでもどうする事もできない自分の無力さに落胆する。

それどころか、日夜繰り返される報道での被災地の惨状目の当たりにする度に、

これ程心痛む事態が過去にあっただろうかと

暗い闇に突き落とされるかのような感覚は絶望という言葉に姿を変える。

2011_03030010 寒さに震え、

生命を維持するのに

ギリギリな状態の

生活の中でも

懸命に生きようとする

被災者の方々。

自分はいつもと変わらず、

多少の不便を

誣いられているだけでもやれ政府が、行政が、電力会社が、

と不満を募らせている。

そんな自分の情けない姿こそが本当の「害」なのだと悟り、更に堕ちてゆく。

今何をすべきなのかと自分に問うても、何の回答すら生むこともなく

もどかしさと苛立ちで精神を剣先で突かれるような苦痛。

なのに相変わらず季節はずれの大雪で白くそびえ立つ赤城山と

奥に見える谷川連峰は見事なまでに美しく、

そんな小さな人間をあざ笑うかのように雄大な姿を見せている。

2011_03040005 今日も変わらぬ一日が始まった。

ただ、昨日よりも今日のほうが

少しだけ風が少ない。

そして前を向く時間も

少し多くなりそうだ。

そんな予感のする朝のひと時、

ひとつの「決心」が自分を支え、

ひとを支えると知った。

頑張ろうともせずに、生きてゆけるこの幸せのひとかけら。

それが僅かな笑顔の源になるのならそれも私の生きがいとなる事は

間違いのないこと。

決めた。

堕ちたそこに少しだけ見えた心の置き所。

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夢、叶う 「鴻巣パンジーマラソン」を走ってきました。

2011-03-06 11:41:43 | マラソン

2011_03050001 5km18分49秒

部門別順位 8位

これが今回の

「鴻巣パンジーマラソン」の結果だ。

思い返せば、

それは確か、

走り始めた頃の

何レースか目の大会。

何処のなんと言う大会かは忘れてしまったが、記憶をしているのが

「18分台で走れば入賞なのか・・・」と、思った事。

その日の大会で5kmの距離を20分台まで伸ばし、

少しだけ順位に欲が出てきて、表彰台に上る選手を羨ましく思い

自分にはハードルの高いタイムだと思っていても、

もっと頑張れば、もしかしたらあの輝いた場所に

自分もいけるのではないかと思い始めていた。

まさにそれは自分にとっての最大目標、

「夢の18分台」が確立した日でもあった。

それからと言うもの故障や病気、極端な不調の波を潜り抜け

何とか今までのベストタイム19分14秒を記録するまできていた。

が、ここまでだろうと、正直思っていた。

2011_03050003 年々加齢と共に衰えていく筋力。

それに加え、

呼吸の不調でどうしても

心肺を強力に使う5kmのレースでは

私にこれ以上の伸びしろは

無いだろうと思っていたのだ。

事実、今シーズンの

美里町万葉の里

ハーフ駅伝の約4km、上里町乾武マラソン5kmの

両レースではキロ4分でしか走れなかった。

それでもこの間のふかやシティハーフマラソンで自己ベストを記録したレース、

ここで心肺を長い時間使い続けたし、かつて無かったくらいに足も心も

使い続けた効果が表れたようにも思うのだが、

この鴻巣の前日の練習で軽く走ったつもりの500mが

1分45秒で走れていたのだ。

全力で走っていたそれまでの1分50秒前後のタイムより

確実に速くなっていた。

2011_03050033 時計を見る我が目を疑ったが、

紛れも無くそれは間違いの無い事実。

それまでの何本かのレースが

確実に短い距離に

順応する力を養っていたようだ。

それでもやはり前回のハーフの

ダメージは色濃く、筋肉痛となって

私に不安の影を落としていたし、

このレース当日は今年もご他聞にもれず、夜勤の週の土曜日開催で、

この日も仕事帰りの無睡眠で挑む大会であり、慣れているとはいえ、

さすがに自己ベストの更新はダメだろうなとも思っていた。

この日は快晴ではあるけど、北よりの風がやや強く、大量に掲げられている

鮮やかな黄色の大会幟がはためいていた。

やがて大会がスタートし、早朝の低温をものともせず元気に飛び出してい

子供達や、次々にスタートしていく各部門の選手達を目で送りながら、

私といえばアップに余念が無い。

100m位の距離を何本も流し、そして心拍を強制的に上げる。

しかし思ったよりスピード感もないし、足の運びに違和感も感じる。

この世に及んで今更修正などもできるはずも無く、少々諦めムード。

いつかぽんぽこ師匠に助言されたフォームの大きさだけに気を配り、

アップを終了する。

2011_03050043 そしてスタート位置に。

いつもの大会ならば

中学生も同時の

スタートとなるのだが、

この大会はそこが違う。

中学生よりも2分遅れでの

一般の部のスタート故、

スタート位置をチャラけた

中学生で占拠されることは無い。

その代わり、途中で中学生にバリアを張られてしまう危険性はあるのだが・・・。

スタート前の数分間、完全なフラットでコーナーも極端に少ないこのコースで

昨年は19分20秒を記録しているこのレース。

そんな実績から、せめて今日も19分台だけは死守しようと気合を入れる。

号砲一発、トラックを半周し、いざ戦いのロードへ・・・。

いきなり向かい風の洗礼を受ける。

一瞬たじろぐが、やや前傾を深め、早くリズムをつかもうと足のテンポを確認。

ふと前方に目をやると早くも1kmのキロ表示。

3分45秒

悪くは無い。

2011_03050054 いや、良いタイムだ。

スタートロスも無く、

詰まる事が無いと言う事は

ここまでタイムに影響するのかと、

少しの驚きでもあった。

前に長身の男性、

横に若い女性、

その周辺にも

何名かいたが、結局は私を含めてその3人でのバトルモード。

長身の男性は腰高で、いかにも快足ランナーのフォーム。

女性はストライドよりもピッチで走るタイプのようだ。

クランクの交差点を曲がると更に向かい風が強くなり、失速を感じる。

そこに2kmの表示。

7分44秒

落ちた、、、いつものキロ4分だ・・・

2011_03050067 やはりこれが

自分の限界なのかと、

気持ちもかなりへこむ。

すると折り返してきた2分前に

スタートした中学生の

トップ集団とすれ違う。

すざましいスピードだ。

そうか、

追い風に乗って走るとそこまでスピードが上がるのか。

それなら何とか折り返せばこのスピードは少なくとも維持できるだろう。

しかしそのままでは19分45秒程度の記録。

飛ばせ、飛ばすんだ、と自分に言い聞かせるも依然向かい風に悩まされる。

そして折り返し地点。

9分44秒

相変わらずのキロ4分ペースだ。

が、折り返した瞬間、真空になった。

風の抵抗がまったく無くなった。

これが追い風の特徴だ。

依然、前方の長身の男性の背中を追って走る。

2011_03050018_2 その距離は変わらない。

すると、やや後方に

いたと思われた若い女性が

スパートした。

私どころか長身の男性も

あっという間に引き離す。

それを追って私も勝負を仕掛ける。

女性とは離れていくが

長身の男性は置き去りにする。

「くそー、負けてなるものか」と、有り得ないスピードで必死に走る。

そのスピードに足が追いつかない。

何度か足元がもつれながらもストライドとピッチを意識、

前傾を深く取ると腿が上がらなくなるので、姿勢にも気を配る。

が、そんな冷静な思考とは裏腹に、呼吸はマックス。

このままでゴールまでいけるのかと、初めて5kmのレースで完走を疑う。

仮に倒れる事は無いにしても、その後の呼吸のダメージが怖い。

2011_03050068 しかし、今はそんな事は関係ない。

ともかく今は風のように走れているのだ。

この瞬間、

この瞬間を今まで

追い求めてきたじゃないか。

緩めない、絶対に緩めない。

すると後方に人の気配を感じる。

ひとりの若いランナーに

あっという間にかわされた。

更に沿道の応援から笑いと、「サラリーマン!」とか

「スーツ」とかの声が聞こえると同時に、あっという間にスーツ姿の

ランナーに並ばれた。

そのままゴールとなる陸上競技場に入る。

もう目の前にはゴールゲートが見えている。

微妙にスーツ姿のランナーが前に出たが、それを追うスピードはもう無い。

根性が仮装に破れてのゴール。

が、何故か口惜しくなかった。

もうありったけの力を出し尽くしたのだ。

倒れこむような事はしないまでも、心は完全に逝き切れたと放心状態。

参加賞をいただき、ふらふらと記録証発行場所へ・・・。

前の方が「入賞は何番まで?」と聞いている。

羨ましい会話だなと思いながら、自分の記録証に目をやる。

2010_11030037 18分49秒の下に

8位の文字が!

「入賞は何番までですか!」と、

同じ事を聞いてしまった。

結局6番までであると確認すると

多少はがっかりするものの

そのタイムに何度も

こぶしを握り締めていた。

嬉しいというよりも、何がなんだかわからない状態。

とたんに落ち着きが無くなり、あっちに行ったり来たりしている。

そして次第に自分のやった事が信じられなくなる。

とうとうつかんだ「夢の18分台」をかみ締める事も無く、ただただ落ち着きがない。

2011_03050052 その後、仲間のところに行っても、

何故か落ち着かず

まったく何をやっていたのかと・・・(笑)

今は夢が夢でなくなり、

現実になってしまった。

しかし、私は本当に5kmを

18分台で走れるランナー

なのかと今でも疑っている。

真の18分台ランナーでいる為にはまだまだ精進しなければならない事は

判っているつもりだ。

夢は叶っても覚めてしまったら本当は夢だったと言うのではあまりに悲しい。

まだまだである。

奇跡の夢の達成でなく、正真正銘の夢の確立となるように次への決意を

硬く固めたのであった。

2011_03050080 2011_03050090 2011_03050085 2011_03050092 2011_03050091 2011_03050097 写真は同時開催のビックリひな祭りの模様です。

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