山好きな僕は村の登山仲間と作る同好会の他に社会人山岳会に席を置いている。
近年縁遠くなりつつあり、恥ずかしながらも席を置かさせていただいていると言うのが実状。
その魚津岳友会で一年の山の無事を祈念し祝う、「ザイル祭り」なるものが恒例としてあり出席した。
神主役を務めるのは会長のS。 烏帽子に白の上着は本物だが下はジャージと、妙ないでたちなれど、節回しも中々に、失礼ながら僕らの村社の神主さまより様になっていると思った(笑。
祭壇には実りの収穫はもちろん、新しいザイルに、酒は清酒立山と幻の瀧。
数年前までは河原などを会場に大きな焚き火を囲み、使い古した登山着などを燃やし、世話になった古いザイルを皆でつなぎ持ち、焚き火を取り巻きながら
「♪ザイルよザイルよ 繫げよ我ら♪」と唄い、火の神に奉納したものだが、今は昨今の事情で寂しくなった。
さて、全員の玉串奉納も済み、舞台は祝宴へと移行。 これも恒例の参加者が一人一品の酒の肴を持ち寄り、順に近状報告やら昔の思い出やらに楽しく楽しく盛り上がった。
時と共に酔いもまわり、中には買ったばかりの最新の登攀器具を見せ実演するものがあれば、それを旧態の下降法で対抗するものも出て、狭いログハウスの会館は熱く熱く包まれていった。
久しく離れていた僕も皆の若さに(笑、圧倒され、且つ刺激を一杯に戴いた。
正直、これまでも心に隙間風が(苦笑、吹いてるような精神状態のときなんか、どれだけ此処へ来て救われたことか。
今一度自分を鍛えなおし、再度チャレンジする心と身体を持ちたいと密かに決心し、会館を後にした。