明日への道標~みんなが幸せになるために

さあ、また書き始めよう。どうしても伝えたいことがあるから。

眠っているルール

2008-02-26 | 社会
太田肇氏の「ホンネで動かす組織論」より。

>守っていると渋滞を引き起こすような現実離れした制限速度にしても、
>微罪逮捕にしても、かりにそれらが常時適用されていたら
>非合理、非常識なルールとして見直されるだろう。

>ところがそうした見直しを受けず、非合理、非常識なまま
>眠っていたルールがいきなり恣意的に適用されると
>影響力はすこぶる大きい。

ちなみにここで言う「微罪逮捕」とは、オウム事件の関係者が
ホテルに偽名を使って宿泊したことを理由に
旅館業法違反で逮捕されたケースなどを指している。

ここで、何でこんな文章を引いてきたかというと、
最近のイージス艦の件が重なって見えてしまうからだ。

海上衝突予防法では船が海上で交差しそうになった際は、
他船を右方向に見る船が右に避けるのがルールだという。

一方で、実際は大きな船は小回りが利かないので、
小回りの利く小さな船が避ける以外になく、
それが一般的な運用になっていると、
複数のそれなりに信用できるサイトが書いている。

そして、それは「相手がよけると思った」という
艦員の証言でも裏付けられる。

この場合、「他船を右方向に見る船が右に避ける」というルールは
普段は眠っていて、実際はそれとは別のルールで
上手く回っているから、ルールが現状に合わなくなっていても
「ルールを見直せ」という声は起こらない。

しかし、事故が起きてしまうと、マスコミ的には必ず
「悪い」ことになっている自衛隊の船が、
その眠っているルールを守っていなかったということで
ボコボコに叩かれるのである。

もちろん、イージス艦に過失が全くなかった訳では
ないのだろうが、根底には船舶が大型化する中で
実態にそぐわないルールが盲腸のように生き続けて
いるという問題があるようにも思える。

そのあたりも踏まえた冷静な議論を求めたい。

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