「お盆・施餓鬼」の由来とは!?
1、お盆について、お子さんへ簡単に説明する時
8月13~15日(7月13~15日)に、ご先祖さまを家にお迎えして「いつも見守ってくれて、ありがとうございます」と感謝を伝える日。
2、お盆と言う言葉の語源
昔のインドの言葉「ウランバナ」を音訳して「盂蘭盆(うらぼん)」と言う漢字に当てはめた。日本では、それを省略して「盆」「お盆」と呼ぶ。
日本では、季節的な宗教行事として定着しているお盆ですが、その起源は2500年前のインドであり、中国を経由して、日本に伝わった。
3、お盆の由来
お釈迦さまの教え「仏説盂蘭盆経(ぶっせつ うらぼんきょう)」が、基になっている。
「仏説盂蘭盆経」の内容
お釈迦様の教えによって、餓鬼道(がきどう)に堕ちた、目連尊者(もくれんそんじゃ)の母親が救われた話。
主人公:目連尊者 お釈迦さまの10人の偉大な弟子の1人。神通第一(じんつうだいいち)と呼ばれ超能力に似た力が、非常に強い方。
※六道と浄土
①地獄:最も苦しみの激しい世界。
②餓鬼:飢えと渇きでガリガリにやせ細り苦しむ世界。食べ物は灰となり、喉の渇きも潤すことが出来ません。
③畜生:動物や鳥、昆虫の世界。自分より強い生き物に突然襲われるため、常に不安に怯える世界。
④修羅:常に喧嘩や争いごとをしている世界。
⑤人間界:苦しみも楽しみもある私たちの生きている世界。
⑥天上界:六道の中では楽しみの多い世界ですが、浄土とは違って、やはり迷いの世界。悲しみもあり寿命もある。
これらの世界から抜け出す(解脱 げだつ)すると仏の世界(浄土)に到達することが出来るとされる。
目連尊者が、神通力を使って亡き母の様子を観たところ、餓鬼世界で苦しんでいました。目連尊者はお母さんを助けるために、神通力を使い飲み物や食べ物を送りましたが、それらをお母さんが口にしようとすると燃え上がり、食べることも飲むこともできません。
目連尊者は、お釈迦さまを訪ねて自分の母親を、餓鬼道の苦しみから救う方法を尋ねました。
お釈迦さまは、「安居会(あんごえ。雨季の時期、道場などに籠もって修行を行うこと)の終わる7月15日に、大勢の僧たちに、たくさんの食べ物や水などを施して供養しなさい。その功徳によって、あなたのお母さんは苦しみから救われるでしょう」と目蓮尊者に母親を助ける手だてを授けました。
そして、目連尊者は教えの通り大勢の僧たちに施しを行い、母親の追善供養を行ったことで、無事に餓鬼道に堕ちた母親は救われたと言います。
この安居会の終わった7月15日に、父母や先祖の霊などのために、衆僧に対してさまざまな施しを行い、供養をしたのが "お盆" の始まりだと言われています。
4、施餓鬼会(せがきえ)の由来
お釈迦さまの教え「救抜焔口餓鬼陀羅二尼経(ぐばつえんくがき だらにきょう)」が、基になっている。
お盆とはもともと、別の行事だった施餓鬼会の法要が、先祖の霊を迎えるお盆の時期に行われることが多くなった。
自分のご先祖様を供養するのは勿論のこと、それと同時に供養する人がいない無縁の仏様に対しても飲食を施して供養する法要。まさに生きとし生きるものすべての生命を供養する法要が施餓鬼会です。
施餓鬼会を行うことは、善行(善い行い)とされ、良い功徳となって供養した人にも回向される(巡り回ってくる)とされています。
「救抜焔口餓鬼陀羅二尼経」の内容
阿難尊者が、お釈迦さまの教えによって、餓鬼に食べ物や水を施して短命を免れた話。
主人公:阿難尊者(あなんそんじゃ)お釈迦さまの10人の偉大な弟子の1人。多聞第一(たもんだいいち)と呼ばれた方。お釈迦さま近くで常に身の回りのお世話を行っていた為、弟子の中で最も多くお釈迦さまの説法を聞きよく記憶していた方。
ある時、阿難尊者が瞑想していると、やせ衰えた恐ろしい姿の餓鬼が突然現れました。
その餓鬼が阿難尊者に「お前は3日後に死んで、餓鬼の世界に生まれる」と告げました。驚いた阿難尊者は、助かるための方法をお釈迦さまに尋ねた所、餓鬼を供養するための作法を阿難尊者に授けました。
阿難尊者は、お釈迦さまがの教えの通り餓鬼に飲食を施し、供養を行うと餓鬼は救われ、阿難尊者は短命を免れて寿命を延ばす事ができたと言います。
5、お盆の時期にご先祖様を想い、施餓鬼会を執り行う意味
今、私たちが生かされているのは、自分のご先祖さまは勿論のこと、過去の世の人々、現世の人々のお陰であることに気付き、ご先祖様やすべての生命を供養し感謝の心を捧げる。
そして、自分の幸せだけでなく、だれかの幸せを願って生活することを心掛けるキッカケにしてみてください。
お盆の迎え方・精霊棚や施餓鬼旗の意味とは!?
1、7月盆と8月盆
お盆時期のずれが定着した理由は諸説あり!
明治時代の改暦によって各行事が30日遅れとなり、旧暦の7月15日に行われていたお盆が、新暦の8月15日に行われるようになった。農業が盛んな地方では7月は農繁期で忙しいため、1ヶ月遅らせてお盆を行った説などです。 風習などは、地域によって異なります。
2、お盆・ご先祖様の迎え方
迎え火・精霊迎え:13日(地方によって12日の夕方) 場所:お墓→家の前
意味:我が家に帰ってくるご先祖さまが迷わない様ため。
3、精霊棚(しょうりょうだな)とは?
仏壇が普及する前、お盆の時期に棚を作って、ご先祖様を迎える風習がある。
お盆の時期に我が家に帰って来られた、ご先祖さまが休まれる場所であり、お供え物はご先祖様へのご馳走です。
4、お盆・ご先祖さまの送り方
送り火・精霊流し・灯ろう流し:15~16日 ※京都の五山の送り火(16日夜)など 場所:家の前→お墓
意味:ご先祖様を再び送るための道しるべ
お盆の時、精霊は山の方からやって来て、川から海に帰ると古来から信じていた為、精霊流しを行う。
5、お盆の時期に精霊棚や仏壇に飾る「施餓鬼旗」の意味
5色で、欠かすことの出来ない、いのちの性質を表している。 青:空 黄:地 赤:火 白:水 黒:風
五如来 5人の仏さまが餓鬼を救い、安らぎの世界へ導いてくれます。
北方:離怖畏如来(釈迦如来)
お釈迦さまは、慈悲の仏さま。餓鬼世界で、餓鬼は恐怖におののいている。その恐怖を取り除いてくださる。
西方:甘露王如来(阿弥陀如来)
餓鬼世界の苦しみを取り除き、身心を快楽にしてくれる仏さま。甘露は身心を潤してくれる意味がある。
中央:広博身如来(大日如来)
餓鬼の苦しみ(喉の渇き、食べても満腹にならない)から救い、飲食の楽しみを与える。
南方:宝勝如来
布施をせず、むさぼりの業を犯した餓鬼を救済し円満にしてくれる仏さま。
東方:妙色身如来(阿閦如来)
醜い姿をした餓鬼を救う仏さま。妙(美しい)色身(からだ)の仏さま。供養すれば、供養する私達も穏やかな表情になります。
高野山真言宗 普門寺
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