出張2日目の昼、といっても昼の2時半を回っていた頃のことです。
JR大阪駅の北側にできた商業施設ルクア10階の飲食店街は、
この時間というのにたいへんな賑わいでした。
どこのお店も列が店外に列ができている状態。
はらへったしなあ、どこか開いてないかなあ、とひと回りすると、
一軒が目に留まりました。
店内にはお客様も入っています。
しかし行列はなく、
たまたまタイミングよく入れそうだと思ったので、迷いなく入店。
調理スペースが目の前のカウンターに案内されて…
<事件その1>
「まず、お飲み物からどうぞ」
「じゃあ、ノンアルコールビールでお願いします」
「承知しました」
しばらくして帰ってきた店員さん、
「すいません、ノンアルコールビールですが、冷えているのがなくて…」
「ええーっ、じゃあ…ジンジャエールにしときます」
「ジンジャエールですね、ありがとうございます」
ジンジャエールをちびちびやりながら、スマートフォンをいじりつつ、
お店の様子を観察中の私。
<事件その2>
(別のお客様のことです)
「おまたせしました。○○○でーす」
「えっ、注文したの×××ですけど」
「ああっ。申し訳ございません、すぐ作り直します」
<事件その3>
「店長、8番のお客様、ご注文の品まだかって」
「ええっと…、あっ、すぐ作ります。もうしばらくお待ちくださいって伝えて」
「お客様、怒ってらっしゃいます…」
「(店長、調理しながら大きな声で)すいませーん、ではキャンセルいただいてもかまわないんですけどー」
当然、帰ってしまうお客様。
カウンター越しに、トラブルの発生の雰囲気が店中にひろがってしまい…
また、新たに店内に案内されたお客様に、
店員さんがオーダーに来ないので待ちぼうけ状態のテーブルも。
つまり、このお店、お客様のご来店や要望についていけてないのです。
味は確かにおいしい、しかし残念ながら
オペレシーョンが確立されておらず、結局マネジメントが未熟。
あの繁盛立地に出店する店ということは、
ぽっと出ではなく、本来実力店なのだろうと思います。
それでもこの立地のお客様に応えきれない、しかも開店して数か月の今も。
この光景は、とても勉強になりました。
自分たちも、ただお客様がいらっしゃればいいということではないのです。
まずはお客様の需要に応えたり、ご期待どおりにことがきちんと遂行できるように、
店内、オペレーションをきちんと整えておくこと、それが一番の前提なのだな、
この出来事を通じて、そう考えさせられたのでした。