木曽Now2

木曽の自然と大阪の自然を日記風に

虫のゆりかご 落し文

2020-06-23 07:00:05 | 昆虫など

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神社の境内
ケヤキの大木の下で
不思議なものを
たくさん拾った。


これはオトシブミと言う
小さな虫がつくる
ゆりかご(落し文)です。


落し文とは
江戸時代
恋文などひそかに
渡すため道などに
そっと落とした
巻物のことです。


落し文をほどきながら
撮影してみました。




・ ・ ・ ・ ・
歩き回っていた虫が、葉っぱの根元の近くで止まった。
あっ、虫が葉っぱを横に切りだした。
するどくとがったあごを使って、切っている。
真ん中の太いすじだけをのこして、葉っぱは、あっという間に切れた。


しばらくすると、虫は、また、葉っぱの上をあちこち歩き始めた。
よく見ると、あごで葉っぱをかんでいる。
葉っぱをやわらかくしているようだ。


虫が、葉っぱのうらに回った。今度は何をするのだろう。
真ん中の太いすじにまたがって、葉っぱをかかえるようにして、二つおりにしだした。
足を広げて、大きな葉っぱを二つおりにする。
そのたびに、葉っぱはとじたり開いたり。
まるで、チョウが羽をとじたり開いたりしているようだ。


そうやって、葉っぱを二つにおりながら、少しずつ上へ登っていく。
虫は、またがっている太いすじをあごでかんで、きずをつけているのだ。
後で丸めやすくしているのかな。


二つおりにする仕事が終わった。
虫は、葉っぱの先まで下りてきた。
そして、葉っぱの先をまきだした。
元にもどらないように、足で葉っぱをおさえながら、まき上げていく。


少しまいたところで、葉っぱの真ん中をかじって、あなを空けた。
そして、あなにおしりをつけて、三十秒くらいじっとしている。
たまごをうみつけているんだ。




虫は、また、葉っぱをまきだした。
体を上手に使いながら、少しずつ少しずつ、まき上げていく。
ついに、さっき切った切り口までまき上げた。


そして、葉っぱのはしをうら返しにして、まきもどらないようにした。
まるで、手品みたいだ。


そうしておいて、虫は、さっき切りのこしておいた太いすじをかじりだした。
さいごの仕上げだ。
横に切った上の方に体をうつして、かじっている。
ガリ、ガリ、ガリ。切れた。


まかれた葉っぱが、地面に落ちた。
葉っぱを切りだしてから、1時間ぐらいかかった。


まかれていた葉っぱは、子どもを育てるゆりかごだったんだ。
・ ・ ・ ・ ・


光村図書出版(株) 国語三下 あおぞら 
岡島 秀治『虫のゆりかご』より一部引用



成虫が見つからないため
オトシブミの種類は不明。



(これはケヤキの葉でなく、オトシブミも別種と推測している)