映画感想(ネタバレもあったり)

映画コラム/映画イラスト

ダンケルク(2017年製作の映画) Dunkirk

2015-09-28 | 映画感想
IMAX。
最前列の真ん中だったので視界の9割がダンケルク。
重要なことは画面の中心でやってくれるし、両端はちょっと振り返るくらいの首の動きが必要だけど体感映画なのでむしろ良いかと。
船底に水が流れ込んできた時は死ぬかと思った。

これでやっとダンケル区民に。


さて、『サウルの息子』と『激動の昭和史 沖縄決戦』を観て以来どんな戦争映画もちょっとぬるく感じてしまうのは困った問題。。

『ダンケルク』もちょっと爽やか青春風味に感じてしまった。ほんとによくないよくない。


***


反戦はもちろんのこと、撤退や捕虜も英雄として描いたのは良い。

欲を言えば、戦争に正義などないこと、グッドウォーなどないことをもっと強く明快に表現してほしかったな。

2300円(IMAX料金)払って2時間座ってれば、正義の側に立ててラスト感動できちゃう映画はちょっと苦手。



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ラストの臭さも含めて、演出と音楽がモロ『ダークナイト』でしたね。だからアメリカで大ヒットだったのかな。

日本でヒットしたのはイベント映画として認知されたからだろうな。

淵に立つ(2016年製作の映画)

2015-09-28 | 映画感想
浅野忠信版の『クリーピー 偽りの隣人』かと思っていたら全然違った。。
むしろ筒井真理子版の『クリーピー』だった。。
54歳なの!40前半かと。。


すごい映画を見てしまった。。
しばらく感想書けませんでした。
罪と罰の物語。


クロかシロかで言えば、浅野忠信が1番シロ。
ちゃんと刑期終えてるしもう罪人じゃないし、反省もしている模様。

他には、
罪を背負いながらシカトして普通に生きてる人と、
罪を犯した自覚なく自分は正しい側だと思って生きてる人と、
罪を犯してないのに罪を背負わされている人。


何を勝手に罰だと判断してるか。


浅野忠信の服の色が変わんの。
基本シロだけど、赤になんの。


ラストはメインビジュアルと同じ構図。
これ以上ないビシッとしたラスト。


筒井真理子が、筒井真理子が、筒井真理子が、筒井真理子が、筒井真理子が、筒井真理子が、筒井真理子が、筒井真理子が、筒井真理子が、筒井真理子が、筒井真理子が、筒井真理子が、素晴らしいんだ。。

なんでおれ映画館で観なかったんだ、馬鹿!

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

2015-09-28 | 映画イラスト





映画として高評価を得たいとか、ヒットさせたいとか思ってなさそうなところがとても好きです。(結果、見事そんな感じに…)


黒沢清監督のインタビューを読むと、とにかく「ジャンルに収まりたくない」し、「映画内ですべて解決したくない」らしい。

『クリーピー 偽りの隣人』でもそうでしたが、緻密な小説原作があるのにわざとつじつま合わせの箇所を省いていくし、後半のイッちゃってる感もすごい。

今回の後半も面白かった。
だいぶコメディ強めだったからなおさら期待とかけ離れててモヤモヤする人も多かったようですが。

「しょせん映画ですよ」って感じが僕は好き。
手塚治虫も「そんなマジになんないで。マンガだからね(汗)」と突然ナンセンスギャグ入れてたし。

ラストも「ピュアすぎる」との声もありますが、「いやいや、マジなわけないじゃん(小声)」。


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ずっと怒ってる長澤まさみ、天然ボケ松田龍平、生足前田敦子、自前のヒョウ柄サングラス長谷川博己、アラレちゃん光石研、普通にサイコ東出昌大、この人が言うならそうなんでしょうよ小泉今日子、「クリーピー」と同じ演技笹野高史、児島だよ!って言っちゃえばよかったのに児嶋一哉。
みんな、面白かったです。



殺人の告白(2012年製作の映画) 내가 살인범이다/CONFESSION OF MURDER

2015-09-28 | 映画感想
無理がある。。。。。。

せめてチェ班長をミステリアスにしておいてくれればトリックに自由度は出たかもしんないけど、こんな〝昔ながらの熱血刑事〟みたいな人がこんなトリックをのうのうとできるとは思えない。

カーアクションとか、突然繰り広げられるコメディシーンとか、エンタメ要素満載にして飽きないようにしてくれてるけど、緊張感がなさすぎて飽きちゃった。90分にしたらよかったのに。

なんかインド映画みたいですよね、全然いいんだけど。
全てのエンタメ入れないと映画じゃないとでも思ってんのかな、別にいいんだけど。


永野とたんぽぽ川村エミコが活躍していてよかったです。

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章(2017年製作の映画)

2015-09-27 | ネタバレあり
まず声を大にして言いたい「結構良いよ!」。俳優さんとCG屋さんたちが素晴らしかったですね。
アニメ原作の実写化が幸せな結末を迎えることがあまりないので、期待値をだいぶ低くして見に行きましたけど。みんなそうでしょ、ジョジョの実写化に期待する人いないでしょ(笑)。


【良いところ】
◯原作に結構忠実(髪型や衣装やセリフ含め。とんでもない改変はなかったかと)

◯スタンドの説明をだいぶ省いた。あれで十分。

◯スペインロケによる杜王町の雰囲気出てた(地元の人は笑うだろうけど)

◯山崎賢人がちゃんと仗助に見えた。主役の求心力があった。声出てたし。ずっと一方の肩を前に下げて睨みながら喋らされるのはかわいそうだった。それは演出の問題。恋愛映画のイメージだけどちゃんと芝居もできる人だった。

◯岡田将生がとてもとても良い。今作の山場をほとんど顔の表情だけでヤンなきゃいけないんだけど、迫力もあったし人間的な弱さも見せてた。うまいねえ、この人は。日本アカデミー賞優秀助演男優賞取って欲しい。もしくは日本映画プロフェッショナル大賞。

◯クレイジーダイヤモンドやスタープラチナなど見せるのが難しいスタントをじっくり見せるのを諦めてたところが良かった。逆にいうとちゃんと見せろよ、とも思うけど、無理せずサッと引っ込めるのも良い妥協案。

◯バッド・カンパニーはかっこよかった。原作ではそんなに強くも怖くもなかったけど、初めてバッド・カンパニーが強いスタンドだったことを知った。不気味。
◯エコーズ可愛い。2章に期待。
◯國村隼の発声が良い。
◯観月ありさが役にそっくり。
◯虹村のお父さんのエピソードやはり泣ける


【逆に良かったところ】
◇伊勢谷友介(承太郎)が出てきたとき失笑が起きた
◇山田孝之(アンジェロ)が上下に叩きつけられるところで失笑が起きた


良くなかったところはコメント(ネタバレ)に書きました。


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【良くないところ】 ●テンポが壊っっっっっっっっっっっ滅的に悪い。 「後半で失速」という評もあったけど、むしろ前半の日常シーンがだるい。 というか会話の全てがバグってんじゃねえかっていうくらいにテンポが悪い。 もっとサッサッと話進めてもらえれば、虹村兄弟とそのお父さんの話をゆっくり見せられたのに。 スタンド同士のアクションなので、実は本体(人間)は突っ立ってるだけだったりするけど、それも原作通りだからしゃーない。 仗助以外の髪型はもうちょい抑えめでも良かったかも。仗助の髪型、マシな方に見えちゃうから。。虹村兄弟の襟足。。 原作自体が荒唐無稽で細かいところの辻褄が合ってないので、それは映画でもどうしようもない。 ジョジョは漫画の世界が本物だしそこでしか表現し得ないものだということがわかった。 ジョジョが映画化されるのは避けて通れないことだったと思うので、その中では十分良かったと言えると思いますよ。 三池崇史は海外で人気で、海外での販売も見込めるから制作費も高めに出たと推察されるので、監督も三池崇史で良かったんだよ、きっと。 DVD出るときには、会話シーンの無意味な「溜め」を全部つまんで欲しい。 何章まで続くか決まってないっぽいですね。 とりあえず第4部は完結させたいなとプロデューサーが言ってる程度。 大丈夫かな、吉良倒すまで続けられる???


山岸由花子は今後どうするかは気になる。あの監禁事件は話の本筋と関係ないし。辻彩は吉良との結びつきあるけど、辻彩パートを映画でやる? できれば原作にはない吉良との戦いに参加して欲しいな。 山岸由花子は吉良より強いという僕の仮説を立証して欲しい。



素晴らしきかな、人生(2016年製作の映画) Collateral Beauty

2015-09-27 | 映画イラスト
ウィル・スミスはシリアスな役柄も多い演技派俳優ですが、みなさんが持つイメージといえば、サービス精神たっぷりのあのビッグスマイルですよね。
今作でも冒頭では元気な姿を見せてくれるのですが、数分後には突然白髪もシワも増えておじいちゃんみたいになってしまいます。

この役をウィル・スミスが演じるからこそ、観客は「早くあの笑顔を見せて!」と強く願わずにはいられないんですよね。スターでありながらフレンドリーでもある彼の魅力があってこそです。これがケビン・ス●イシーだったら……(自粛)。

この状況を改善したい!と奮闘する周囲のキャラクターたちも豪華。ケイト・ウィンスレット、キーラ・ナイトレイ、エドワード・ノートン、ヘレン・ミレン、ナオミ・ハリス、マイケル・ペーニャら。
全員合わせてオスカー像何個持ってんだ!っていう名優ばかりです。



エゴン・シーレ 死と乙女(2016年製作の映画) Egon Schiele: Tod und Mädchen/Egon Schiele: Death and the Maiden

2015-09-26 | 映画感想
エゴン・シーレは19世紀末の画家。
師匠は有名なクリムト。

クリムトの絵はエロと死のイメージがつよいけど、シーレの絵の方が何倍も死臭が強い。。

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この映画にも死臭がずっと蔓延してる。
なんせ主人公シーレは冒頭から瀕死の状態。。

そんで時間が遡って、なぜシーレが瀕死の状態にまで追い込まれるのかを謎として物語が展開してく。

ちょっと強めの兄妹愛もあったり、誘拐事件もあったりとなかなかの波乱。


でもそんなには面白くない。。。

ネタバレ/おとなの事情(2016年製作の映画) Perfect Strangers/Perfetti sconosciuti

2015-09-26 | ネタバレあり
イタリア版『ゲットアウト』じゃん!

「今度恋人を連れてきてよ〜!会いた〜い!私たち全然そんなの大丈夫なんだから〜!」って言われて、実際連れて行ったら…!
なんてシーンはありませんが、、、

表面上は差別はなくなったかのように、自分らには差別心がないように思い込んでるけど、鍋底の焦げのようにへばりついて取れない差別心を露呈させる結果に。。


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おとなの友達が集まって、戯れにスマホ見せ合いゲーム始めてみんなの秘密がどんどん明かされていく。

中盤でぐっちゃぐちゃになるけど、あったかい感じで話がまとまってハッピーエンド!脚本:三谷幸喜でした!みたいな感じの映画かと思いきや。。。

全然ちゃうやん。。。

明かされる秘密のトンデモ度が想像を超えるし、とにかくラストよ!
すごいラスト。。




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7人もの知らないイタリア人俳優が入り乱れるから「無理無理名前覚えられない!」
と心配してたけどキャラ付けと話の運びが上手で全く混乱なく。

中盤からはひとりひとりに感情移入できる素晴らしい出来。


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まぁ出色はジュゼッペ・バッティストンのパートですね。

実は彼の秘密は1番つまらない。
隠してきたこと自体が謎。

でも彼の秘密が明かされたことによって彼以外の秘密のベールがベロンベロンに剥がされていきます。

ジュゼッペ・バッティストンのセリフの全てはものすごくリアルです。ほんとにリアル。
さすが脚本家が五人いるだけあります。


以下はネタバレ



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結局「全部遊びだったよね!気にしないよね!これからもいままでと何ら変わらないよね!」と、映画スタートのときよりも仲良い感じで解散します。
原題は『完璧な他人』。親友だろうと長年寄り添った夫婦だろうと熱々の新婚だろうと共通の秘密を抱えた夫婦だろうと、結局は「赤の他人」だよ。
このラストはホラーですね。。。
「進歩的」「寛容」の仮面をかぶった「おとな」。
日本人の方がこの仮面の性能は良さそうだし、この映画のセリフにもあるけど「日本人はしぶとい」からこの仮面剥がすのも大変そう。。。
この映画が作られるだけイタリアは進んでる。








羊の木(2018年製作の映画)

2015-09-26 | ネタバレあり
面白かったです!

ただ前半の見方がわかんなくて。。
なんかずっと変なんです。
何をしようとしてるのかハッキリしなくてずっとヌルヌルと違和感のある演出。

説明台詞とかわざとだと思うんですがものすごく変。。別の言い方をするとヘタ。。
子役が謎の遊びをしてるシーンとかも何アレ。
「これ本気でやってんのか??」と不安になるほど。

このヌルヌルとした不安感・違和感は、後半での展開へのマグマ溜まりだったんですね。
怖い。

ネタバレすると面白くないと思うんであんまりレビュー見ない方がいいですよ。。

誰が良かったとか、誰が怪演だったかとかで展開予想できちゃうから。

笑えるシーンも多いんだけど不思議なずっとジメジメと気持ち悪い展開に船酔いしながら没頭するのがいいでしょう。


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でも、絶対ギャグとしてやってるシーンも多いのでそういうとこでは笑ってよ。。
優香のシーンとか絶対笑わせにかかってるんだから、、しかめっ面して観るんじゃなくて笑えばいいのになぁ。


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俳優さんみんないいんだけど、錦戸亮もかなりいい。
映画の案内役に徹してリアクション芸人になりきってるんだけど、まるで少女のような表情で困ったり怯えたりしててなかなかに珍しい俳優さんです。
この映画の中心人物が錦戸亮ってのは大正解。
この映画の奇妙さにピッタリ。



ネタバレは以下















主題歌はボブ・ディランの[Death Is Not the End]でしたね。
死は終わりではない。
市川実日子が墓を作りながらこんなこと言ってましたね。

エンドロールは上から名前が降りてくると言う珍しいパターン。
俳優からスタッフから協賛から全員次々と上から落ちてきます。
落ちた先は海。
みんな海に沈むのです。松田龍平を同じように。
でも[Death Is Not the End]です。

***

のろろは最初は異物としてやってきて今は神になっている。
でものろろ見ると不幸になるからみんな見ない。

のろろ=殺人の罪を犯した6人

木村文乃「のろろって気持ち悪くない?私子供の頃から気持ち悪かった」
錦戸亮の父「昔から続いてる伝統は守るもんなんだよ」

祭でのろろが町を練り歩くが突然の大雨。
おごそかな祭のはずが、大雨が降った途端「やめやめー中止〜」と解散。
途方にくれるのろろ様。。
形骸化した祭。

見ると不幸になるから誰も見ない。
畏れて奉っておけば安心だけどほんとはそれも面倒くさい。
神様として扱えば利点もあるけどやっぱ実際面倒くさい。

それはあの6人を過疎化対策として呼んだ役所も同様。

***

松田龍平って意外とサイコの役って少ないんですが、やっぱハマりますね。こえーよ。『淵に立つ』の浅野忠信並み。

北村一輝も表情がうまい。「船の上では俺の方がつえーよ」のセリフ良かったですねぇ。

優香は『オーバーフェンス』でもう女優としての素晴らしさは分かっていましたが今回も素晴らしいし、面白い。しかも「今回はこういう役だからこんな演技をしているんです私」感がないのがいい。

その逆が木村文乃ね。まさに「今回はこういう役だからこういう演技してます私」感に満ちていた。。

市川実日子はシン・ゴジラでの「良かった…」を再び見れましたね。
ラストの墓から新芽が出てきたシーンで、声には出してなかったけど心では言ってたでしょ、「良かった」って。

中村有志& 水澤紳吾のコンビも泣けましたね。。
もちろん安藤玉恵も素敵。

田中泯が元ヤクザだからって左目に刀傷が入ってんのはもうギャグでしょう。。

主演&原案 松浦慎一郎 かぞくへ(2016年製作の映画) Going the Distance ネタバレ

2015-09-26 | 映画イラスト



主演の松浦慎一郎さんの実体験を元した物語ということで、かなりリアルに肌がヒリヒリするような感覚があります。
物語がミニマムであればあるだけ逆に普遍性を持って多くの人に共感させられるというのがこの映画でわかります。
たぶん海外の人も共感できるだろうし、遠い日本の若者の話に共感できてることに驚きもあったでしょう。
(すでに海外で多数受賞)

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俳優さんの演技が素晴らしいです。特に主演の松浦慎一郎さんの表現力が凄くて、電話に出る出ないのシーンが多いんですがその都度違うし、夜のランニングで婚約者からある一言を言われた時の表情なんてもう見てらんなかったですよ、辛すぎて。。

婚約者の佳織のキャラも面白かったです。
期待される女性像とか物語を動かすための便利なキャラなんかではなく、多面的でリアルでした。ケンカのシーンなんて怖すぎて最高です。。
ずっと一番真っ当なことをしている役のはずなのに、印象としては一番猛獣的でした。。面白い。。

主人公とその親友は洋人は長崎県の五島列島で育ったという設定なんですが、映画では五島の情景は出てこない。でも、僕にはこの二人が五島の海岸でじゃれ合いながら走っている姿がイメージされてました。
洋人を演じた梅田誠弘さんが五島の空気感をずっとまとっていたからなんだと思います。


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なんか観終わった後も勝手に登場人物たちの心情を「きっとあの時はこう思っていたんだろう」とか「実はこうことを期待してたんだろう」とかを考えてしまってます。。
それくらいに登場人物がちゃんと実在する映画でした。

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音楽と編集のイマイチ感を補って余りある素敵な映画です。


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四コマ映画『かぞくへ』→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=1924


ネタバレは以下









旭は自分の結婚のことを洋人が東京に来た時にやっと告げた。
結婚はその前から決まってたし、電話も当然あるのに。
てことはそれほど頻繁に連絡取り合う中ではなかったし、もしかしたら旭は五島での思い出から逃げたい気持ちもあったのかもしれないですね。
でも詐欺事件をきっかけに再び自分たちのつながりを思い出し、それぞれの生き方をみつめ直すことになったんでしょう。


シークレット・アイズ(2015年製作の映画) Secret in Their Eyes

2015-09-26 | 映画感想
僕は『ジキル&ハイド』のジュリア・ロバーツが大好きなのです。

『プリティーウーマン』でのブレイク後、作品に恵まれず人気が落ちていく中で、自分にまとわりついてくる〝華やかなスター性〟と闘うように地味なメイドの女を演じていてとても好きでした。


今回そのジュリア・ロバーツが帰ってきましたよ!ノーメイク!
もともと演技はとても上手い人ですからね。こういう複雑な役でも安心だし、顔の迫力がたまらない!


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ジュリア・ロバーツとニコール・キッドマンの競演が話題でしたが、これ本当に競演してます??

そもそも同じシーンが4つくらいしかないし、切り返しの肩越しの撮影も多いから「この肩、ほんとにニコール・キッドマン?撮影は別だったんじゃない?」っていうシーンもいくつか。。


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ピーナッツリターン事件(ピーナッツだと思ったらピーナッツじゃなかった)はニコール・キッドマンにとっては美味しいシーンだけど、なんか突然過ぎて違和感。


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『それでも夜は明ける』のキウェテル・イジョフォーが素晴らしい。

この人の誠実さ、純真さに迷いがなかったでこの物語にまったくブレがなかった。



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リメイク元のスペイン映画『瞳の中の記憶』は観てたけど、たしかにタイトル通り〝瞳の中の秘密〟がポイントになってた。

でも今回は〝シークレット・アイズ〟ってどこで表現された?



これだけのスター俳優が競演した、外国語映画賞候補のスペイン映画のリメイクなのに、ちょっと残念。

でも憔悴しきってるジュリア・ロバーツと少年のようなキウェテル・イジョフォーは素敵だし、話自体も面白いですよ。

http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=1858

2015-09-26 | 映画感想
フィルマガ 映画イラストコラム連載 第12回目です。
よかったら読んでください。
https://filmaga.filmarks.com/articles/1482


「菅田将暉ってよく出てるなー」程度にしか関心がありませんでしたが『セトウツミ』を劇場で観て以来、度胸も技術もすごい人だと注目しています。

そういうわけで今回は、昨年の劇場公開時にはみんな「DVDで観りゃいいリスト」に入れてた『セトウツミ』を紹介いたします!

瀬戸と内海だからセトウツミ。「喋るだけの青春」という宣伝コピーの割には登場人物が多くて描くのがめんど……、とても描き甲斐がありました。



続きはフィルマガでお願いいたします。

https://filmaga.filmarks.com/articles/1482

アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発(2015年製作の映画) Experimenter

2015-09-26 | 映画感想
アイヒマンの後継者とは、すべての〝優秀な部下〟。
つまり組織内で上からの指示を受けて優秀な仕事をする人。
つまり大半の社会人。
大半の社会人がアイヒマンの後継者になり得るよ、というミルグラム実験のほとんど記録映画。


放置手紙調査法、六次の隔たり、代理人状態などの社会学好きにはとても美味しいワードもちゃんと説明しててくれて楽しい。

スタンレー教授が観客の方を向いてまるでインタビューに答えるかのように語るシーンが多い。

難しい内容を説明するのに効果的だってのもあるけど、こういういつも何かを客観的に考えている人はきっとまるでインタビュー受けているテイで仮想の誰かと対話をしながら自論を精査しているんだと思う。

だからあの演出はスタンレー教授の資質を示すものでもあるのかと。


全体的にとても抑えめで、ミルグラム実験に対する反論にも結構時間を割いていて公平な印象。

ミルグラム実験を拒絶する心理も理解できるが、むしろ「人間は簡単にアイヒマンになれる」という危機感を持っている方が倫理的な生き方ができると思う。

ピーター・サースガードとウィノナ・ライダーの魅力によって映画としてのおもしろさもプラスされてる。