映画感想(ネタバレもあったり)

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グローリー(1989年製作の映画) GLORY

2015-09-28 | 映画感想
デンゼル・ワシントンが凄いっ!
デンゼル・ワシントンが凄すぎて、彼が活躍するシーンは突然別の映画が始まったかのようにスリリングになる。
主演のマシュー・ブロデリックをバリバリと食う怪演。
これでオスカー助演男優賞を獲得。


名画と知りながらなんとなくこの映画を観る気が起きなかったのはマシュー・ブロデリックの甘ったるい顔のせいでした。
アイドル俳優が演技派に転向するために頑張りました臭がして。。

しかし間違い。
ロバート大佐自身が甘いマスクだったようだし、いいとこのおぼっちゃんなのでマシューブロデリックはぴったりでした。



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『沖縄決戦』を観て以来並みの戦争映画じゃ物足りなくなってしまった病にかかっているのですが、この『グローリー』十分凄かったです。。

『沖縄決戦』に対抗してんじゃないかってくらいに白兵戦と野戦病院の地獄を描いてますよ。。


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奴隷制廃止の北軍(23州)と奴隷制存続の南軍(11州)の戦いが、南北戦争(1861〜65年)。

南軍は武力では劣ったが「奴隷制を続けたい!」という明快な目的と北軍から優秀な白人将校が多く南軍に入ったことで戦争は長引いた。
(北軍は3ヶ月くらいで終わると思ってた。実際は4年で90万人死亡した)



開戦から3年で北軍は初の黒人部隊を結成。
それがこの映画の主人公たち第54連隊。
北部で自由黒人として生きてきた者や南部から逃れてきた黒人志願兵で結成。

北部でも黒人は奴隷ではないだけでひどい人種差別には遭っていた。
軍に入ってもなかなか軍服や靴が支給されない。
戦闘には参加できずひたすら重い荷物を運ばされるだけ。

第54連隊の指揮官ロバート(実在の人物)は黒人兵士たちの真面目さや強さを知って尊敬の念も抱いていたので、前線にでられるように上官に立ち向かう。



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第54連隊の隊員のモーガン・フリーマンのセリフ
「俺たちは奴隷じゃない
人間として戦場で戦うんだ」からは
奴隷だった自分が国のために戦う軍人になれることに誇りを持っているとこがわかる。

ただ、
同じく隊員のデンゼル・ワシントンは
「戦ってどうなります?
誰も勝ちません。
あなた(白人)にはボストンの立派な屋敷が待ってます。
俺たちには何が待ってます?」と複雑な気持ちを現してる。

前述の通り、北軍が勝って奴隷制廃止されたとて黒人は白人から迫害され続けることは知っている。


それでもついに最前線に送られて第54連隊の武功が広く伝わると、北軍は正式に黒人部隊が認められた。
18万人の黒人が志願し、北軍の勝利に多大に貢献した、と。



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この映画の価値は、南北戦争の勝利に黒人の活躍が大きかった事実を正しく伝えたこと。
また、正義側の北軍も南部の街を焼き払ったり強奪したりとなかなかひどいことをしてたことを映画にしたこと。

これが正確なのはロバート大佐が200通に及ぶ母宛の手紙で詳細に記録してあったから。




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音楽がメルギブの『ブレイブハート』そっくりと思ったら作曲者同じ。
いいの?こんなに同じで。。

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