The NET 網に囚われた男
この映画は韓国と北朝鮮の話だけど、世界中で起きていること
北朝鮮の漁師チョルは妻と幼い娘と貧しいながら家族で支えあって暮らしていた。
漁に出るにも監視員の許可が必要(ライフル持ってる)で、その日も監視されながらボートに乗って漁を始めた。
しばらくしてボートは故障。
波に流されてボートは韓国側に流される。
「脱北者だ!」と北朝鮮の監視員はナムを狙撃。
しかし当たらない。
韓国に岸につくとライフルを持った兵士に逮捕され、その後スパイ容疑をかけられ尋問される。
2国間の対立に翻弄されるひとりの漁師の姿を通して、国家のあるべき姿を問う。
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この監督の視点はどちらにも肩入れしていない。
対比しているのは国家同士ではなく、「国家と庶民」。
国家のイデオロギーにまず影響を受け人権を踏みにじられるのは貧しい人々である、というのがテーマとのこと。
この映画は分裂した2国間の話だけど、どこの国にもある話。
名もなき庶民は国家の犠牲になるものだ、なって良い、なるのも仕方ない、という風潮が起こり始めている今、見るべき映画。
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映画としては、登場人物のキャラクターがはっきりしてるし、話もわかりやすく、直接的な暴力シーンがかなり抑えられているのでとても見やすい。
サンペンス映画として面白い。
112分があっという間。
2転3転4転する話の展開のスピーディーで集中力が途切れない。
そして見終わったとはずっしりと。。