年末年始は、実家でスモークサーモンを作りました。
昨年は2匹分くらいの試作で、予想以上に美味しく出来たため、今年は大量生産に挑戦です。
たった2度目だっていうのに、作って、と頼まれた分もあり、
なんと、5匹。 半身10枚!
前回は乾塩法でしたが、今回は量産のため、湿塩法(ソミュール法)にしてみました。
結果的には結構美味しいものが出来たのですが、やはり量産となると、途中いろいろまごつくことが多かったです。
問題点や今後の課題を洗い出すため、時系列的に作業を書いてみます。
■12月26日
・昼頃冷凍サーモンが到着。がちがちに凍った状態。
布団などにくるんで寒い部屋においておいた。
・お友達に2匹分けて、残りは8匹。
■12月28日
・夕方、私が到着。
・夕食時に相談して、今回はソミュール法にすることに決定。
ソミュール液は5リットル用意した。塩は水の10%。砂糖は水の3%。(もう1リットルあってもよかった)
・夕食後、解体開始。
解凍の具合は、硬過ぎず、溶け過ぎず、ちょうどよい具合。
(布団にくるんで2日半でちょうどよくなるということ)
・軍手の上から使い捨て手袋をすると冷たくなくてちょうどよかった。
・シャトルシェフの鍋でソミュール液を煮たてたが、煮えにくく、冷めにくく、よくなかった。
また大きさも小さい。アルマイト鍋に入っていた中身をどけて、そちらを使えばよかった。
・サーモンは、三枚におろし、腹骨をすきとった(母が作業。私は助手)。
このとき、ハラス部分をやや大胆に取り除いてしまうと、捌くのが比較的楽。
半分にぶつ切りにしてから3枚におろす方が楽だが、スモークの際にはあまり数が多くない方がセッティング等が楽。
サーモンの正味は、10枚で7.7キロ。
・ソミュール液がなかなか冷たくならないため、まずは釣り用のアイスボックスにサーモンを並べていき、そこに玄関の外に置いたりして冷ましたソミュール液を注いだ。
しかしこうすると、サーモンの身と身がぴったりくっついてしまい、その部分には味がしみにくい模様。(後から気付いた)
ソミュール液を容器にたっぷり用意し、ここにサーモンをすべりこませる方がよさそう。
・アイスボックスにビニールをはめてから漬けこんでみたが、ビニールが薄くて破れた。
袋を使うのであれば、漬物用の丈夫な袋があった方がよい。
袋を使わない場合は、念のためたっぷりのソミュール液があった方がよい。
・アイスボックスには重しを兼ねて保冷材を入れておいた。サーモンがまだやや凍っていたこともあるが、十分な保冷効果があった。
・本を読むと、裁いた後、ソミュール液に漬け込む前にピチットシートに数時間くるんで、余分な水分を吸わせるらしい。
この工程は今回は省いたが、今後取り入れるといいかもしれない。
この日はスモークサーモン用だけでなく、残っていた鮭を全部処理してしまいました。
・5匹分フィレ・・・スモークサーモン
・3匹分中心部・・・ぶつ切りにして3枚におろし、ラップして再び冷凍
・フィレの一部はとりわけて、〆サーモン用に冷蔵。(仕込みは翌日した)
・8匹分カマ・・・塩麹をまぶして冷蔵。
・中骨など・・・とりあえず冷蔵
・スモークサーモン用におろす際に取り除いたハラス・・・塩・胡椒をふって冷蔵。
12時すぎまでお魚と格闘して(母が)、結構大変でした。
■12月29日
・漬けこみ中なので、しばらく鮭は放置。
(今思うとソミュール液と鮭をかきまぜておけばよかった)
・昼は、アラを茹でて身をほぐし、それを使ってふりかけを作成。
あと、段ボールスモーカーも作成。10枚あるので、2台!
段ボールは私が持参した分と、母が集めておいたものを使用。
・ 3時過ぎ、15時間くらいは経ったので、ソミュール液から取り出すことに。
ざっとゆすいでキッチンペーパーで拭き、ピチットシートでくるんで再びアイスボックスへ。
・夕方、父とスモークウッドを買い足しに。電話をかけてホームセンターなどあちこち問い合わせたところ、釣り具店の上州屋で発見。
(ただし全ての上州屋にあるわけではない。うちの地元のにはなかった)
・夜、一度アイスボックス内の上下を返してみた。
最初にビニールをはめておけばこれが楽だったかも。
というか、今回底面積が狭いアイスボックスに、サーモンを何段にも積み重ねたのだが、もっと面積の広い発泡スチロールの箱を用意し、せいぜい3段程度に積むようにするといいかも。
・この晩から母が胃痛でダウン。ここ数日疲労がたまって、前の晩の魚解体がとどめを刺したのかも・・・。
■12月30日
・朝から雨!
不調な母には寝ていてもらうことにしました。
従弟が来てくれることになっていて、父が駅まで車で迎えに行ったのですが、年末ショッピング客で道路が大変な混雑だったとか。
従弟には網の買い物も頼みました。助かった。(ダイスケ君、来年もぜひよろしく~)
・雨だったため、カーポートのコンクリートのところにスモーカーを設置。
・午前中は、ふたを半分あけて、風を通しながらスモーク。
スモークの見張り番はもっぱら従弟に頼んで、私は作りかけの素材で煮しめを作ったりなど。
・夕方、さらに雨が強くなり、駐車場が堪水してきて、スモーカーが水没しそうに!
砂利を掘って排水溝を作ったりしたけれど、それでもまだ危険。
結局、レンガを敷き詰めて、土台をかさ上げしました。
・一日中スモークをかけてはいたけれど、雨で湿度が高かったためか乾燥はさほど進まず。
色もあまり変わっておらず、ほぼサーモン色のまま。
色が一様でないのが気になるところ。
・夜は鮭は寒い部屋に。スモーカーも濡れるのを防ぐため玄関内に避難。家じゅうにスモーキーな香りが漂っていますが、ここでスモーカーが壊れると困るので、仕方ない・・。
・1日目はそうでもなかったが、2日目以降は脂がしたたるようになる。(乾燥して身が縮むせいか?)
なので夜間室内にしまう際は、床に段ボールや新聞紙数枚を敷いた方がよい。
段ボールスモーカー、2個も作りました。 |
|
11:44。 |
■12月31日
・この日は一応母が復活。
・天気が回復したので、芝生エリアにレンガを移動し、スモーカーを設置。
従弟は来ないので、私と父で、スモークの見張り番。
昨日同様スモーカー2台体制で、丸一日スモーク。
晴れていたためか乾燥が進んで、色合いも飴色に変化してきた。でもものによっては着色が不均一。
・すごく忙しくて猫の手も借りたいほどだったのに、その気配を察知してかダンナサマは夜になってからようやく到着。むー。
・夕食時、半身一枚を味見してみることにした。
基本的にはまあOKなのだけれど、味がやや薄く、なんだかとっても、レアっぽい感じ。醤油をつけたくなる感じ。
(今考えると、色が一様でないのはソミュール液の染み込み方の不均一さによるものだったのかも!)
ソミュール液の漬け込みが足りなかった!?と青ざめる。
・もう少し塩分があった方が安心なので、ウィスキーに塩を混ぜて、塗ってみた。
しかし、すでに表面は乾燥が進んで固めの膜が出来ており、塩分はあんまり染みなさそう・・。
・よく見ると、サーモンの肉がひび割れているものが2枚ほどある。
そういうものは、ソミュール液がちゃんと染みておらず組織が固まって(?)いなかったのではないかと思われる。
(動揺したため写真なし)
■1月1日
・ 3グループに分けて燻製したり、干してみたりした
(1)昨日の食べかけ1枚:つるして干してみる
(2)特に生っぽい感じの4枚:朝、ぴちっとシートを張り付けて養生。その後、昼過ぎからスモーク
(3)残り5枚:朝から昼過ぎまでスモーク。
・今思うと、スモーカー内で網に水平に並べるのではなく、吊るすようにして燻してもよかったかもしれない。
初日は身が柔らかいが、2日目くらいなら大丈夫では。
(スモーカー1台で10枚吊るせるのであれば、スモークウッドの節約にもなる。)
吊るすことで余分な脂が滴って、身が締まるのではなかろうか。
ただしその際は、スモークウッドに落ちないように脂受け用のアルミホイルなどを用意した方がいいかも。
・塩漬けしてあったハラスも、軽くスモークをかけてその後、吊して天日干ししてみた(母のアイデア)。
フライパンにオーブンシートを敷いて焼いて食べると、すごく美味しいんだな、これが。
■1月2日以降
味見です。
1月2日の新年会にて。 |
|
私も貰って帰りました。 |
いろいろありましたが、美味しいのが出来上がってよかったです。
■■スモークサーモン2012データ
鮭 5匹 半身10枚 綺麗にした状態で、約7730グラム
ソミュール液
水 5リットル・・・もっと多い方がよい
塩 500g (水の10%) ・・・・あと1%濃くてもいいか
砂糖150g (水の3%) ・・・・果糖を使ってみるといいかも?
スパイス・ハーブ タイム、ローリエ、黒胡椒、ディルなど ・・・もっと胡椒が多くてよい。
■■来年のスケジュール案。
■12月26日
・昼頃サーモンが届くようにする。
■12月28日
・午前中にソミュール液を作って冷ましておく(お母さんよろしく)。
・私が、昼過ぎくらいに着くように、実家に移動。
・午後からシェフ(母)と助手で解体。ソミュール漬け。
■12月29日
・もちつきパーティ。
・3時頃、助手(私)がもちつきの傍ら、洗面所あたりでソミュールから出して拭いてピチット、という作業。
(今年やってみたが、この作業は解体に比べるとずいぶん楽で、私ひとりでも出来そう。鮭を仮置きする大きなトレイがあるとよいので、ばんじゅうを持っていくかな)
(もちつきパーティの後、深夜までかけて鮭解体というのは体力配分的によくない気がしたけど、如何でしょう)
■12月30、31日、1月1日
・スモーク+天日干し。 2日半あればいぶし具合は丁度よさそう。
■参考情報
スモークサーモン2011
昨年の作成記録。
でも、素材の乾燥はあまり進まず、やっぱ燻製向きの日とはいえないです。
燻製シートでの燻製、拝見していましたよ☆
すごく美味しそう!!
タンパク質の加工は慣れなくて、緊張しました。
御近所だったらほんとよかったのにと思います。
「農家の友」で洗った里芋とか(笑)干し芋をお届けしたいものです。
真空パック機や脱酸素材を導入しようかしらん・・。
今回のサーモンは、それで大分助かりました。
(ウイスキー+塩を塗ったときは、かなり青ざめていた)
ハラスの一夜干しもすごく美味しかったです。
魚って干すと美味しくなりますね。
段ボールスモーカーとスモークウッドを使えば、割と簡単に冷燻が出来てしまいます。
ポメマルさんならきっとササッと美味しく作ってしまうだろうなーと思います。
そのうちお試し下さい☆
チップもくもくの本チャン冷燻は憧れの的ですが・・・近隣への煙害・臭害(って言われるかもしれないので)を考慮するとなかなか躊躇われて実行できません。広い敷地が必要ですね。でもいつかチャレンジしたいです。
あきさよ亭ではそんなこんなで燻製シートとピチットさんで「燻製かもしれない」スモークサーモンを作ってます(^_^;)
安直でしょぉ。
Fujikaさんの近くに住んでいたら、しょっちゅう訪ねに言ってしまいそうです。。。
来年はもーっと美味しく成る?(笑)
ご馳走様。
ブログに戻って来ました。
大変ですがFujikaさんのことなのできっとたのしんでたんですね。
冷燻スモークサーモンは一度チャレンジしたいです。
こうした手順をしっかり残してくださってるのでありがたいです。
せいぜい1匹分くらいだわ。