採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

201911クアラルンプール弾丸旅行:イスラム美術館~写本と細密画

2020-04-02 | +海外

2019年11月にマレーシアに行ったときの記録です。

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今回の旅行の目的のひとつがイスラム美術館。
前も行きましたが、宝物がどっさりで、まだまだ見足りなかったのです。
今回は、朝から出かけてきました。
入館したのは、昼ちょい前だったかな。
しばらく見てから、ランチは美術館のカフェテリアにて食べて、また午後も見学。
閉館時間ぎりぎりまでずっといました。
ミュージアムショップがまた見ごたえがあって、時間が足りなかった・・。
ぜひともまた行きたいです。

展示してあった写本関係のものをいくつかご紹介します。

マレーシアイスラム美術館

本の表紙。
革製で、立体的なつる草模様がつけてあります。


マレーシアイスラム美術館

写本の最初の方のページに、見開きの豪華な装飾ページがあります。
そこの縁取り模様がもう、驚くような細かさときれいさ。
どうやって描くのか知りたい・・・。

マレーシアイスラム美術館

図案の作成には、ある程度の法則性があるとは思いますが、最終的にそれを紙に描くのは人間の作業ですよね。
中高年には、見るのも厳しいほどの細かさ。
周囲の金色の帯状の部分、および中央付近の金色の面積が広いところは、尖ったもので点々とつけた押し模様がついています。
金箔の接着を強くするためと、あと、美的な効果のためもあると思います。
何時間くらいかかるんだろう・・。

マレーシアイスラム美術館

繊細な花の模様。
こういう細い線は、ペンのようなもので描くのかなあ。筆ではないですよね。

マレーシアイスラム美術館

金と青、赤、カラフルな中間色に加え、黒のラインが印象的です。

マレーシアイスラム美術館

金箔がびっちり。
予算が高い場合は、金箔もまた沢山使われるようです。

マレーシアイスラム美術館

うねうねした網目模様がすごいなあ。

マレーシアイスラム美術館

こちらは、これまでのものに比べるととってもあっさりに見えます。

マレーシアイスラム美術館

本の判型が小さくなると、模様はその分少なく(シンプルに)なるのではなく、縮小コピーしたかのようにさらに細かくなっちゃってます。
もう、「参りました」というしかない細かさ。

マレーシアイスラム美術館

上の写真の本の右下隅を拡大して撮ってみました。
まったく手抜きのない細かさがすごい・・・。

マレーシアイスラム美術館

写本の挿絵ページもたくさんあり、見ごたえがあります。
これは、白い紙にセピア色の線描と、淡い色の彩色で、ゴールドの装飾。
色がない(ごく淡い)のがちょっと珍しいと思いました。

マレーシアイスラム美術館

通常の挿絵は、カラフルに色付けされています。
藍色の空に星が点々とあって、夜のシーン。
砂漠にテントが張ってあり、騎馬での戦闘が始まるところのようです。
ペルシャのものではないかしらん。

マレーシアイスラム美術館

空は金箔が貼ってあり、昼のシーン。
ヒゲのある年配の戦士が、若い戦士を刺したところかな。
若い戦士は兜が脱げてぼうず頭が見えています。諸肌を脱いで誰かに抱え上げられている様子。
どの物語の挿絵でしょうか・・・。
顔つきがひかくてきあっさりして、似通っているので、ペルシャのものじゃないかと思います。

マレーシアイスラム美術館

こちらは(おそらく)ムガール朝インドのもの。
ムガール朝になると、顔がリアルになるのだそう。衣装だけでなく顔も、インド人的ですよね。

マレーシアイスラム美術館

描かれている人よりも、この周囲の花が素敵だな・・・。

マレーシアイスラム美術館

オスライオン二頭が争っているところ。
たてがみの描き方がイラスト的な模式化された感じ。
手前の濃い色で描かれた植物も、模式的な感じです。

マレーシアイスラム美術館

アラビア文字の書体はいくつかあり、書家は大変尊敬される職業なのだとか。
これらはおそらく同じ単語を別の書体で書いたもの。
例えば『シャー・タフマスプのシャーナーメ』はナスターリク体で書かれているそうです。

 

コメント
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