採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

豆しとぎ

2009-02-24 | +お菓子(各国)

みなさん「豆しとぎ」ってご存知ですか?
「まめすっとぎ」ともいうそうです。

数年前、農文協の『ふるさとの家庭料理』シリーズの「第6巻だんご ちまき」で初めて知りました。
基本的に冬に食べられるもので、固くゆでた青大豆をすりばちで粗く擂り、米の粉をまぜ、豆のゆで汁を加えて棒状にまとめ、適宜スライスして、生のまま食べる、というものなのです。
米の粉なのに生で食べていいの!?と衝撃を受け、それ以来ずっと気になっていました。
東北出身の人にあうと、「しとぎって知ってます?」と必ず聞いてしまうほど。

本来神様にお供えする食べ物のようで、「不浄火」を避けるため、生のままなのだそうです(火って聖なるものかと思っていましたが、不浄という考え方もあるのですね)。

いつか北東北に行って食べてみたい、と思っていたのですがなかなか東北に行く機会もなく情熱がくすぶっていたところ、最近『とりぱん』(とりのなん子著)というマンガで見て、再度好奇心に火がつきました。

北東北には縁がないのだったら、自分で作るしかないわ!
一度も食べたことがないものを作るのはやや不安ですが、まあいいや。
丁度冷蔵庫整理モードになっていたので、見付けた青大豆と大豆を使って作ってみることにしました。

作り方を再度検索。
数年前はあまり情報がなかったのに比べ、ヒットする数がとても多い気がします。
なんとクックパッドにも掲載されていました!(レシピID:631665)。
食べました、というブログも以前は全然なかった気がするのに今ではとても多いです。数年前よりブログ人口が増えたということかな。
いくつか探して比べてみましたが(例えばこちらこちら)、豆と米粉の分量比はさまざま・・・。

各種レシピで調べた豆と米粉の割合は次の通り
(”カップ”が200ccなのか180ccなのかは不明)

乾燥青大豆:米粒(もち3うるち7)=1升:2升
乾燥豆:うるち米:1kg(1升):1.5kg(1升)
乾燥豆:うるち米粉=1升:.7~8合
黒豆:米粉(もちうるち同量)=1kg:1kg
乾燥青大豆:米粉=カップ1:90g
乾燥青大豆:米粉=200g:100~120g
茹でた青豆:上新粉=2カップ:1カップ
ふやかした豆:米粉(うるちもち半々)=6カップ:1kg
枝豆:だんご粉(うるち6もち4)=300g:1kg

乾燥豆、戻した豆、米粉、米粒の、それぞれカサや重さで表示してあるため、比較するにも面倒です。

よって、いつもの通り、ゆきあたりばったり(ばっちり?)方式でやってみることにしました。

■■豆しとぎ
■材料
(青大豆バージョン)
青大豆(または普通の大豆でもよい)
上新粉
砂糖


(大豆バージョン)
大豆
上新粉
砂糖

すりゴマ


■作り方
(1)青大豆を1晩水に漬け、しっかり戻す。
(2)少なめのお湯(豆がひたひたになるくらい)を沸かし、塩ひとつまみを入れて豆を茹でる。
(3)お湯が再度沸騰して15~20秒後に豆を食べてみて、生でなくなったら、固くてもゆであがりとする(今回、ひたし豆にするより更に固めにしました)。
ザルとボウルを用意し、豆をあけ、茹で湯はとっておく。
(4)豆は冷水で洗い、完全に冷やす。
(5)豆の皮を剥く。
これがかなり面倒です。しないというレシピも多くありましたが、今回初だったので、青大豆バージョンでは剥きました。
この時、豆の皮の内側がヌルっとした感じだけれど、これは味のうちだと思ったので皮を剥いたあとは洗わないでおきました。
(6)フードプロセッサーで粗めのカケラが残る程度に粉砕する。
(7)ボウルにあけ、米粉と茹で湯、砂糖少々をさっくり混ぜて、ラップで棒状に整形する。(砂糖全然なしバージョンも作って味見してみた結果、少~し甘いとよいな、という結論)
(8)スライスして生のまま食べてみる。
(9)ホットプレート(フライパン)で軽く焼いてもよい。
(10)大豆製品なので日持ちしないので、冷蔵庫で早めに食べきるか、冷凍して保存する。
 

さてさて、写真を撮ったので見て下さいませ。
試食の感想はそのあとで。

2009/2/6

青大豆の皮を剥いたところ。
結構面倒ですが、特に青大豆の場合、剥いた方が仕上がりが断然綺麗だと思います。
剥かないと、多分豆の綴じ目(?)の黒い点々が目立ちます(食物繊維は多いけど)。

2009/2/6 FPで砕いた豆と米粉を混ぜたところ。ちょびちょび味見しながら粉を適当に混ぜてみました。
あまり沢山出来てしまうのもな~と思い、まとまる程度の米粉です。
結局、茹でた豆450cc:上新粉150ccという比率。米粉少なめです。

茹で湯はごく少量ずつ加えるのがいいです。結構少なくてもまとまります。
2009/2/6 ラップで棒状にまとめたところ。
手前は適度な水分。奥はやや水っぽくなってしまいました。
米粉の比率が少ないため、webで見かけた他のものより断面がゴロゴロと粗く乱れてます。
2009/2/6 スライスを焼いた様子。生では白っぽいのですが加熱するとグリーンが鮮やかになります。
2009/2/6 こちらは普通の大豆バージョン。
青大豆で皮を剥き疲れて、こちらは剥くのをさぼりました。そうしたらやはり皮がもろもろします。
(でも米粉を多めに入れるとそれほど目立ちませんが)
2009/2/6 大豆バージョンの方には、すりゴマを加えてみました。



気になる味ですが・・・

●青大豆バージョン
生の米粉を湿らせたもの、というものにとても興味があったのですが、意外と違和感がないです(日本人だからかな?)。少しひんやりした、お米の味。
白玉団子を作るときに手についた粉を少しなめたときを思い出しました。

ところで非加熱、といえば、アメリカには加熱前のクッキー生地を(チョコチップ的扱いで)練り込んであるアイスクリームがあるそうです(SunnyさんのHPの04/3/17の日記で見ました)。
本当なのでしょうか?
生の小麦粉!?と初めて知ったときは思いましたが、小麦文化圏の欧米人は、生の練り粉を食べても(私がしとぎを食べるように)違和感がないのかなあ。

青大豆は、固ゆでだけあってとてもよい歯ごたえ。
これまで「サクサクしておいしい」と読んだことあって、サクサク、というのは湿って固められた米粉部分のことかと思っていたけれど、豆部分なのだと気づきました。
(サクサク、というより、コリコリ、だと思いました。それとも、豆をもっと細かくして、米粉を増量するべきなのかな?)
米粉部分の歯ごたえはさほど目立たず(今回米粉が少なかったせいもありますが)、豆のポリポリ感が強く感じられます。
大豆ではなく、何かおつまみのナッツのよう。
・・・何に似てるのかとよく考えると・・・、なんとピスタチオ!!
カリコリして、さわやかな風味で、とても美味しいです。

味付けは、今回砂糖なし版と少量のグラニュー糖(緑色の綺麗さを生かすため)入りを試してみましたが、少し甘い方が美味しいかな~。
米粉と豆の味を消さない程度にお砂糖を入れるといい気がします。

生も美味しいけれど少し焼いてみました。
そうすると米粉部分がもっちりして、これもまた美味しい。
加熱されて一体化するため、ぼろぼろ崩れず食べやすいです。豆部分のポリポリ感は、生でも加熱しても同じ位です。

●大豆(すりゴマ入り)バージョン
こちらは青大豆とは全く違う風味でした。
青大豆のピスタチオっぽい風味はないです。
その代わり、すりゴマの味が利いています。こちらの場合は、黒糖などで甘みづけするのが合いそうです。
生のままでもいいけれど、焼いた方が(温かい方が)胡麻の良い香りが強まって、みんなに受けそうな味です。


美味しくて食べ過ぎてしまい、翌日はこめかみが筋肉痛
(同時に作ったひたし豆もしとぎ用の超固ゆでだったためもあると思う)
でもまた食べたい味です。

筋肉痛も治ったし、また作ろうかな~。
あ、でも青大豆、もう使い切ってしまったのでした。

いつか本物を食べてみたいものです。

コメント (9)
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