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【ラノベ】いちばんうしろの大魔王ACT4

2010-07-10 | ライトノベル
いちばんうしろの大魔王ACT4 (HJ文庫) いちばんうしろの大魔王ACT4 (HJ文庫)
価格:¥ 650(税込)
発売日:2008-11-29

 読了。

 アニメ放映が終わってから間もないですが、どうやらアニメはACT5までのエピソードだったようで、ACT4はそこに至るまでの前振りという感じになっていました。わかりやすくいうと、阿九斗が「魔王になる」と宣言してピーターハウゼンが現れるまでのお話。

 以下雑感。

・絢子はアニメも悪くないけどキャラ的にはやっぱ原作(ラノベ)のほうがいいなあ。心情描写が省かれてしまうと理不尽系ツンデレの色が濃くなるというか、阿九斗のところに夜這いをかけにくるシーンはアニメだと酷かったですし。絢子に限らず、原作では全体的に「キャラクターがエゴを通そうとするとき、その行為が自分のエゴであると理解している」ことをちゃんと描写しているので、行為の是非はともかく納得できるのよね。こういうのって、最近のラノベなんかでは一番疎かにされがちなところですけど、『いちばんうしろの大魔王』はしっかり書けてることに感心します。

・ヒロシも同様、アニメでは邪魔をするキャラという感じの印象だったのに(最後の最後でいきなり理解者然とするのは唐突すぎて違和感がありましたし)、原作では「強大な力を手に入れたことに対する喜び」と「チートで得た能力への葛藤」と「阿九斗への憧れや反発心」あたりがバランスよく表現されていて良い感じ。

・そして不二子ところねのブレなさっぷりはガチ。

・ここまで読んでみて(そしてアニメを最後まで観てみて)思ったのは、『いちばんうしろの大魔王』という作品が他のハーレム系ラノベと一線を画するのは、たとえば「教義」や「神というシステム」という設定であり、そしてそれを踏まえたうえでの「阿九斗をはじめとしたキャラクターたちの性格やものの考え方」であるから、これらはアニメ化するに当たって絶対に削れないモノだったんだなあということ。つまりアニメがイマイチだったのは、こういう要素を全て省くかのような導入~中盤を作っておいて、終盤に物語をまとめる段階でこれらの設定を一気に表に出してしまったところにあると思う。ここまで物語の根幹に食い込んだ設定なのだから、序盤からもっと巧く視聴者に提示していくようなプロットが必要だったんだろうな。

 しかし、この話ってACT5から先はどんな風に続いてるんだろう? 気になる。


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