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【サッカー】ベスト8 その2

2010-07-04 | サッカー・ワールドカップ

◆アルゼンチン 0-4 ドイツ ~ディシプリンのもたらした歓喜と崩壊~

 クローゼ様━━━ヽ(∀゜ )人(゜∀゜)人( ゜∀)ノ━━━ !!!!

 最初の決定機を大きく外したときは、さすがに加齢による衰えは隠せないのかと思ったのに、あれよあれよと二得点。これで今大会四ゴール目! 計十四得点! あと一点でワールドカップ記録に並ぶ! ぶっちゃけクローゼが記録更新逃したら、今後十年単位で新たなストライカーは現れないと思うんで、是非とも頑張って頂きたいものです。
 試合内容は、まー順当ですよねーという感じで。アルゼンチンは開始早々失点をしてしまったのが痛すぎ。あの失点で、これまで誤魔化せていたチーム戦術の不備が完全に露呈してしまった形。(戦術の)ベクトルが向いてる方向は全然違いますが、リードされたときの対処が甘かったブラジルと崩れ方が似ていましたね。やっぱ指導経験のない「元選手」を監督に据えると、こういうところでボロが出ちゃうんだなあ。
 もっともアルゼンチンに関しては、メッシ偏重のチームだったのが敗退の原因だというのは、誰の目にも明らかでしょう。メッシは「どこでボールを持ってもチャンスに繋げられる」稀有な才能の持ち主だとは思いますが、彼がもっとも輝きを放つのは「メッシ抜きでも高いレベルでチームが成り立っているバルセロナ」なんですよね。淳さんの真似をして車で例えると、バルセロナという素晴らしい車にメッシという素晴らしいドライバーが加わると、お互いに高いクオリティを発揮できると。しかしアルゼンチンという車はメッシがドライバーとしてだけではなく、メンテナンススタッフとして働く必要があったと。ようするに、もう一人ゲームをコントロールできる選手を入れるべきだったというか、「メッシ中心のチーム」ではなくて「メッシ抜きのチームを作って、最後にメッシを加える」という方向でマネジメントしたほうがよかったんじゃないかなと思ったり。
 ドイツは先制してから追加点を狙いにいってましたが、敢えて言えば前半のうちに二点目を取れなかったのがこのチームの課題というか若さなんでしょうね。事実、後半開始直後にアルゼンチンが万歳特攻をはじめて、ハーフコートゲームになっていましたし、結果的に失点はしませんでしたが、あそこまでゴール近くにボールを運ばれてしまうと何が起こるか分かりませんので。それこそ、ブラジルのようにオウンゴールで追いつかれてしまうかもしれませんでしたし、今のドイツはそういったリスクを回避できるほどの盤石さは持ち合わせていないんだろうなと。ただ、二点目はまさに「ドイツの勤勉さ」がよく現れた得点でした。ああいう形で追加点をあげたことで、チームが更に自信を深めて三点、四点と得点を重ねられたのは素晴らしいと思います。
 そして何よりも、今日はドイツのシュバインシュタイガーとケディラのコンビが出色の出来でした。両サイドのミュラーとポドルスキが献身的に上下動を繰り返していたのはもちろん大きいんですけど、このダブルボランチが前と後ろを分断しないよう見事にバランスを取って、アルゼンチンの攻撃を単発で終わらせていたのはよくチームを助けていました。バラックが抜けて守備に不安があったと思うんですが、今のチームには機動力を武器にしたこのダブルボランチの組み合わせがバッチリはまってるかも。
 しっかしエジルはホントに素晴らしいなあ。パスを出すタイミングがなんだか気持ち悪くて、テレビで見ている状態ですらテンポを狂わされるんで、ありゃピッチで対峙してる相手選手はワケもわからず振りきられてるんじゃなかろうか。ワールドカップの最初の試合で見せた才覚を、ここに至るまでの全ての試合で見せつけてるってのが信じられんわ。


◆パラグアイ 0-1 スペイン ~欧州王者の"無敵艦隊"が世界王者を目指す~


 ビジャすっげえええええ!!!!!!
 その前のイニエスタの突破もすごかったですけど、やっぱサッカーは、パス回しを完結させるフィニッシャーの存在が必要不可欠なんだなあという感じ。パラグアイはあのワンシーンまで、ほぼ完璧にイニエスタを抑えていただけに悔しいでしょうね。シャビ、シャビアロンソあたりにある程度パスを回されるのを覚悟のうえで、バイタルエリアに壁を作りスペースを殺していたのに、スペインの猛攻の前に徐々にブロックが押し下げられてしまい、最後の最後で失点してしまいました。
 試合を通してパラグアイの決定機と呼べるものは(PKを除けば)二回しかなくて、それをどちらも決めきれなかった時点で勝敗は決していたのかもしれません。逆にスペインは、それほど決定機は作れていなかったのに、焦れずに最後まで「自分たちのサッカー」を貫き通したのが勝利に繋がったんじゃないかと。あんだけガッチリ守られたら普通は焦るだろうに、最終局面に至るまでまったくパス回しに淀みが見られなかったもんなあ。その結果、パラグアイの守備ブロックが上にも書いたように押し下げられて、イニエスタが突破に持ち込めるスペースが生まれたわけですし。
 とはいえ、スペインとパラグアイの間に力の差はほとんどなく(スタイルの違いはありましたが)、欧州王者といえども簡単な試合ではなかったというのは、試合終了後にスペインの選手たちがカシージャスを称えに集まっていたのがよく表しているでしょう。あのPKストップがなければ、まさに「パラグアイの術中」にハマり、スペインはベスト8で姿を消していたのではないでしょうか。その他にも、パラグアイはサンタクルスを投入したあとの五分間に、得点を取るチャンスが転がっていた気がします。あの時間帯は、背の高い選手を二人並べたことで、明らかにスペインの最終ラインは混乱していました。シュートに持ち込む一歩手前でミスをすることが多く、決定機には至りませんでしたが、あそこでもう一人攻めに加わるリスクを冒していれば、パラグアイにも十分勝機はあったと思います。うーん、勿体ない。
 勝ち上がったスペインに不安要素があるとすれば、右サイドのセルヒオラモスがワールドカップ通してコンディションが悪そうなところでしょう。トーレスはなんだかんだで調子を上げてきているので、次の試合あたりでかなりコンディションを戻してきそうなんですが、セルヒオラモスのところで基点を作れず、突破も出来ずというのが、これまでのスペインの手詰まり感の一要因ですので。
 あとはシャビアロンソがなー。なんか「悪いときの遠藤」を見ているようで、僕にはあまり効いてるように思えないんですが。ブスケッツもまだまだ発展途上という感じですし、大会前から指摘されていたように絶対的なアンカーの不在というのがそろそろ致命傷になりそうな気がします。


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