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【ラノベ】ハイスクールD×D 13

2012-09-21 | ライトノベル
ハイスクールD×D 13  イッセーSOS (富士見ファンタジア文庫) ハイスクールD×D 13  イッセーSOS (富士見ファンタジア文庫)
価格:¥ 630(税込)
発売日:2012-09-20

 読了。

 折り込みカラーイラストを見る→「これは……アーシア……じゃないよな……胸が大きいし……新キャラかな? 可愛いな」→中を読み進める→件のキャラが木場だと知る






 同じ気分を味わった者は多いと聞く。

 つーわけで、13巻は8巻と同じ形式の短編集でした。つまり、ドラゴンマガジンのほうで連載している短編で物語の時系列が少し前後しつつ、最後は書き下ろしの短編で締める形。個人的には8巻ほど面白くはなかったですけど、十分楽しめたかなと。
 例によって一つずつ感想を書いていきます。


>>特撮の悪魔


 珍しくギャスパーにスポットが当たったエピソード。
 ダンボールヴァンパイアの天丼ネタはべつに笑えないかな……という結論に至る。


>>イッセーSOS

 前の短編で登場したテニス部絡みのエピソード。
 雪女=イエティみたいなのは基本的に一発ネタだと思いますし、僕としてはそもそもあまり面白くなかったので、同じネタを引っ張られても微妙だなあ……という結論に至る。
 挿絵のリアスは可愛かったですが、みやま零さんってリアス描くの苦手っぽいですよね。一番絵柄が安定してなくて、見るたびに顔が違う気がします。これがホントの「作画が安定しない」というやつですね。


>>アクマのカクラン


 冒頭の女体木場が登場するエピソード。実は木場が女体化するというネタ自体は、作品スレのほうで見かけて知っていたんですが、もっとガッツリ掘り下げると思っていたので、イッセーと二言三言やり取りを交わすだけというのは食い足りない感じがしました。
 どっちかっつーと、看病する小猫が可愛かったり朱乃がエロかったりすることのほうが印象に残っています。正しい形やね。
 あ、ちなみに、上でリアスの作画が安定しないって書きましたが、絵そのものは巻を重ねるごとに可愛らしくなっていて好みです。13巻は特に乳と尻の丸みがこれまで以上に高まっていて最高だったのだわ。


>>蘇らない不死鳥

 イッセーに2巻で倒されて以来引きこもっていたライザーが立ち直るエピソード。
 この手の作品に出てくる〝悪役〟としては、ワリとライザーは好感を持てるタイプだったので、この復活エピソードは楽しかったです。レイヴェルが登場するのも嬉しいですし。
 そういえば、あとがきによると次の14巻はレイヴェルメインになるようなので、もう今から発売が待ちきれません。しかしまあ、文章では「けっこうおっぱいがある」って書かれてますが、イラストを見る感じじゃあ相当なペタンですね、レイヴェル。隣にリアス&朱乃がいるせいで相対的に小さく見えるってレベルじゃねえ。


>>運動会でハルマゲドーン!


 13巻で一番笑ったのがコレ。身も蓋もないことを言うと、全勢力が集まって体育祭をするだけの話ですが、だからこそ面白かった!
 天使の「ああっ、堕天しちゃうう!」ってネタは出てくると笑ってしまうので卑怯。
 ただまあ、借り物競走など、美味しいネタは数限りなくあったのに、尺の関係なのかロクに掘り下げることもなくアッサリめに終わってしまったのは残念でしたね。これだけキャラが増えてくると出番を作るのにも苦労しそうです。ちょっとアーシアの空気っぷりがシャレになんねえ。


>>次期次期当主さまのお悩み

 今回の書き下ろしにして、ミリキャスがグレモリー眷属のもとを訊ねてくるという話。
 ミリキャスの才能SUGEEと、イッセーの使い魔SUGOSOUだけカバーしておけば、とりあえず間違いはないかなという感じの内容でした。
 しかし、初登場のときから感じてることですが、サーゼクスの眷属である「沖田」は……12巻までイッセーたちの前に立ちはだかった「英雄の曹操」と同じ微妙さがあるなーと思いました。ハイ。
 あと『ハイスクールD×D』は「良い意味でチープ」な作品だと思ってる僕ですが、さすがにここまで設定資料集じみた話をどばーっとまとめて出されると少し食傷気味に感じてしまうところもあったりなかったり。
 というか、個人的には、他のキャラが一切登場しないで、グレモリー眷属(+イリナ)だけでワイワイと騒ぐ話が見てみたい気もしますね。13巻の短編はどれもこれも「イッセー+グレモリーの誰か+ゲストキャラ」って組み合わせでしたが、このゲストキャラを省いたエピソードが読みたいといいますか。ぶっちゃけ一冊丸々使って「グレモリー眷属の日常」みたいなものを書いてもいいタイミングのような気がします。

 とまあ、そんな感じで今回も楽しめましたよということで一つ。


23 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして。 (すごい漢)
2012-10-16 20:05:54
この作品、ふと思ったのですが、結局のところ、無力な人類からすれば、すべての天魔外道の完全殲滅(勿論リアスやイッセーをも含めて)と、すべての神器の完全封絶(神器に心を喰われたエセ英雄みたいな人種が現れるのを完全に防ぐ為)を同時に行う事こそが、究極に理想的な結末な気がするんですけどもww

現世にふたたび光と生をもたらす為に闘う救世主<メシア>とか、調子くれてる天魔外道達に報復し現世に秩序を取り戻そうと闘う人類解放戦線的なレジスタンス勢力とか、人類の裏切り者のイッセーに人の心を取り戻させる人間の女性とか、リアスに「誓いません!貴方達のような悪魔には絶対従いません!!」と一発ブチかます無垢な少女とか…本当にこの作品はそうでもしないと「人類」に救いが無さ過ぎますからね…!
最新のプリキュアじゃないけど、この作品程バッドエンド(デビルマンエンド、なるたるエンド)が似合う作品はそうは無いと思います。いや、まぢでwww


更に言うならば、何故項羽じゃなくて曹操がいるんだよ?レッドクリフを見せてやろかゴルァ!とか思っているんですが。虐殺エピソードにも事欠かないし、赤龍帝ともおおいに因縁もある人なのに何故項羽じゃないんだよをゐとか思います。
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それと。 (すごい漢)
2012-10-16 20:28:10
間違いなくこの原作者さんは人間嫌いだと。


誰か、「悪魔のようなおぞましいバケモノになる位なら…見やがれ!これが魂の誇りと人間の尊厳だ!!」とか言って、腹かっさばいて心臓を悪魔に投げ付けてやる位の"人間”のキャラクターっていないものですかね!?>DD
禁書や境洞とかなら、こんなキャラいそうですけどww
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>すごい漢さん (FSM)
2012-10-17 00:44:47
はじめまして! コメントありがとうございます!

コメントを興味深く読ませて頂きました。僕は2chの『ハイスクールD×D』作品スレを見ていたことがあるのですけど、そこですごい漢さんと似た意見を目にしたことがあります。ようするに、(僕たち)人間からしてみれば、イッセーたちのような「人外」、もしくは「人以外」の存在というのは、総じて害悪にすぎないよね、ということですよね。なかなか頷かされる意見だなと思いました。

ただまあ、『ハイスクールD×D』がイッセーを主役にした創作物というのは大前提なので、どうしてもイッセー寄りになるというか、身も蓋もない話をすると「イッセーたち=善」、「イッセーたちに敵対する存在=悪」という構図になるのは避けられないのかなと。
同時に「おっぱいを突けば大抵のことが解決する」という大味な作風において、作者の石踏さんがそういったイデオロギー的な問題を取り扱うつもりがあるとは到底思えないため、考えるだけ無駄なようにも思えますねw
個人的な好みを言うなら、僕は(すごい漢さんがおっしゃるように)もっと作品に〝多様性〟を持たせて欲しいと思っていますが、今作においては曹操が「コイツの主張にも一理ある」という感じではなく、セコイ小悪党として描写されたままヤられてしまったので、これから先も〝多様性〟に関しては期待できないと判断しております。
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レイナーレで検索して来ました。 (伝説の悪魔ジンメン)
2012-10-17 07:59:52
>すごい漢さん
はじめまして…というか、HN的には別の掲示板でお会いしたような気がするのですがw
>>現世にふたたび(後略)
それやると一発で作品が終わりそうですねw
某種ばりのひどい主役変更が見れそうですww

>FSMさん
本来なら先にご挨拶するべきだったんですが、文面の内容上敢えて逆にさせていただきました。
相済みません。
>>ようするに(後略)
まぁ、これはあからさまに人類の味方をしてくれているというスタンスのキャラないし勢力があれば、問題は無いんですけどね。一応、既に死滅し(or殺害され)てしまった「神」が、それに相当するのでしょうか?
>>身も蓋もない話を(後略)
これに関しても、本当に「イッセーたち=善」であれば、別段、何の問題も無いんですが、実際は


『イッセーたち=※吐き気を催す邪悪』
『イッセーたちに敵対する存在=悪以下のゴミ(但し、たまに結果的に一理以上あるケースもあり)』


になっているから、問題があるわけでして(汗)
>>おっぱいを突けば
まぁ、実際おっぱいとガチ話を両立している作品もありますからね。電撃の通称「鈍器」と呼ばれる作品と、仮に言っておきますがww
>>多様性
中二狙いならむしろ多様性があったほうがいいのに、DDは設定が中二のくせに内容(作品の指向性、方向性という意味で)は多様性・イデオロギー全否定ですからねぇw
これに関しては、富士見も質が落ちた、といわざるを得ませんね…!


※「吐き気を催す邪悪とはッ!何も知らない無垢な者を利用する事だッッ!!(by ブチャラティ)」
(左道の心得の無い、無力な人間をも契約対象として狙っているので(実際、多少変則的だったとはいえ、犠牲者も出てしまいましたし))
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ちなみに俺は、リアスのおっぱいを“刺し穿つ死棘(... (伝説の悪魔ジンメン)
2012-10-17 08:04:42
イッセーが改心してリアスにドレスブレイク→胸の中央を拳でブチ抜く→心臓を掴み出してリアスに見せ付けるようにして握り潰す


やってくれないかなぁ…!?(ガチ)
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>伝説の悪魔ジンメンさん (FSM)
2012-10-18 00:53:38
はじめまして! コメントありがとうございます!

要点が曖昧にならないよう、二点に分けてレスさせて頂きます。

まず一つ目。すごい漢さんのコメントを受けての僕の返信と、伝説の悪魔ジンメンさんのコメントにおける要点である、「ハイスクールD×Dという作品における(というか、それを読んだ読者の持つ)善悪の価値観」についてです。
これに関しては、正直、読者ひとりひとりの好みの問題にすぎないと考えておりますので、正否については語っても意味がないという部分でコンセンサスをとれると考えております。ただ僕個人としては、すごい漢さんと伝説の悪魔ジンメンさんのおっしゃることには頷けますし、先だってのコメントレスに加えて、当ブログの12巻の感想などを読んで頂けると、お二人の抱く〝違和感〟(ここでは便宜上こういうふうに呼びます)を、僕が同じように抱いているとご理解して頂けるのではないかということを改めて述べさせて頂きます。
また、少々話が脇道に逸れますが、僕はこうした〝違和感〟を同レーベルの『だから僕はHができない。』に対してより強く感じています。アレはもう分かりやすく、人間と死神が共存しているセカイであるにも関わらず、死神側が一方的に生殺与奪の権利を握っているという描かれ方をしていて、しかもそれに対して誰も疑問を感じていないというのが気持ち悪くて仕方がありませんでした。
で、こうしてみると、富士見ファンタジア文庫というレーベルの、こうした〝違和感〟を改善できない体制が透けて見えてきます。一読者にすぎない僕には、敢えてそうしているのか、それとも作家さんと編集さんの技量が足りないせいで不備が残っているのか、どちらなのかは分かりかねますが、どちらにせよ手の届かない問題ですよね。
つまり、読者にはどうすることもできない問題であり、かつ読者ひとりひとりの好みにすぎない問題でもあるので、善悪の価値基準に関しては見て見ぬフリをしている、というのが僕自身のスタンスです。

二つ目。こちらが本題といえば本題になるのかもしれませんが。
率直に言って、13冊も出ている原作ラノベを買い続けている読者って、その作品が好きなのは間違いないですし、多かれ少なかれ登場人物に好感を抱いているとも思うんですよw
そういう相手に向かって、俺はこのキャラが憎いからぶっ殺したい、というような発言が「できてしまう」のは、色々な意味で危ないです。僕はたまたま熱が冷めているタイミングでしたが(13巻がイマイチだったというのと、内容がマンネリになっているから)、コレ、他のファンの人だったらすげー不愉快になったんじゃないでしょーか(^^;
こういうことはあまり言いたくないですけど、物事にはソレに相応しい時と場所というものがあるので、極端に批判に寄った意見はできるだけ角が立たないようにする気遣いが必要になると思います。

とまあ、そんな感じで。
自戒も込めてレスさせて頂きました。
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>FSMさん (伝説の悪魔ジンメン)
2012-10-18 07:33:28
早速レス、ありがとうございます。

少し気になる部分はありますが、取り敢えず、FSMさんのスタンス「好きだけど疑問は抱いている」というのは伝わりました。
でも、そうなるとその「違和感」のない、「違和感」と真剣に向き合って改善している、他社(特に電撃)と比べた際、何か、喩えるなら「くしゃみが出そうで出ない」類のもどかしさ、やりきれなさを感じてしまいますかね。


さて、このままだと荒らしになってしまうので、D×Dについての話をば。

FSMさんは曹操の件を出しましたが、見方を変えれば、性格はどうあれ、強力な「神器」の使い手であり、喩えるなら某聖杯戦争に参戦すれば、その宝具の強力さと人的能力でさぞかしいいサーヴァント(クラスはランサー?)になりそうな御仁だったのが、結局天魔外道にみすみす屈したという事は、人類は更に絶望的な状況へと陥ったという風にも見て取れるわけで、もう「神器」は人類の希望たりえない…という、人類破滅への暗示とも取れるのですが、FSMさんはどうお考えでしょうか!?
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>伝説の悪魔ジンメンさん (FSM)
2012-10-19 00:03:59
レスありがとうございました!

ご質問の件に関しては、ちょっと僕にはよく分からないというか、この場合は判断つきかねると言ったほうが正しいでしょうか。

というかですね、まず大前提として、僕は『ハイスクールD×D』の世界が人類にとって絶望的であるとは、どうしても思えませんw
極論かもしれませんが、伝説の悪魔ジンメンさんとすごい漢さんの考え方を突き詰めると、「異種族、異能力が登場するラノベは総じて人類にとって絶望的な結末を迎えるしかない」となりませんか?
お二人は、つまるところ、人の尊厳が人以外のモノによって脅かされる可能性を内包した世界観と、そうした世界観を許容する作家と編集に対して疑問を呈しておられるのですよね。

失礼ですが、僕にはこの話の着地点が見えないです。
お手数ですが、具体的に『ハイスクールD×D』を例にとって、どのような展開であれば疑念を抱かれなかったのかというのをお聞きしてみたいですね。すごい漢さんは「すべての神器の完全封絶が究極に理想的な結末」、伝説の悪魔ジンメンさんは「『ハイスクールD×D』は人類破滅を暗示している」とそれぞれおっしゃっていますが、最初に述べたように僕にはどうしてもピンとこないのですよ。
あ、ちなみに、これは別に「文句があるなら自分で書いてみろ」的なナンセンスないちゃもんではなく、純粋に『ハイスクールD×D』が作品としての舵取りを間違ったのはどのポイントなのかというのを知りたいからです。

あとできれば、電撃文庫で〝違和感〟と真剣に向き合って改善していると考えておられる作品名を教えて頂ければ幸いです。
これは完全に余談ですが、個人的に近年の電撃文庫レーベルは商業主義に走るあまり、中身を蔑ろにしている作品ばかりという印象ですので。
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こんばんは。 (伝説の悪魔ジンメン)
2012-10-19 02:41:34
>>どのような展開であれば疑念を抱かれなかったのか(後略)

まぁ簡単ですね。
ぶっちゃけ前にも書いた通り、敵にも個々の大義名分がきちんとあって、イッセー達に冷や水を指す展開があって、人類の退魔(天)組織及びリアス達に一発ブチ喰らわせる位の「人間」のライバルがいて、そういったキャラクターによって、舞台の町(学校)を取り返す(守る)展開が過去のエピソードとしてあって…

つまり、真っ当な「人間」の勢力が無いのが問題なわけで。
この辺に関しては、FSMさんも先の書き込みにおいて「違和感」という言葉を用いて返答してくれた部分ですが。


この辺のパワーバランスの差配は、電撃系はしっかりしていると思いますが。禁書も境洞も。
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特にアニメの「とある科学の超電磁砲」の佐天涙子... (伝説の悪魔ジンメン)
2012-10-19 08:13:15
>>僕は『ハイスクールD×D』の世界が(後略)
遅ればせながら。
ソロモン72柱クラスのクソ悪魔が、その筋のプロ(例:裏高野、英国王立国教騎士団、ゴーストスイーパー、アンチスキルetc.な組織及び職種に属する人間)達に一切取り締まられる事無く、好き勝手(町レベルの現世の私物化、学校の名目での魔術工房製作・運営etc.)しまくっている現状は、既に絶望そのものではないでしょうか。正直、これではフリードが世界に絶望し狂気に染まったのも道理かと(若干の独自解釈あり)。
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