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【ラノベ】ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 4

2014-01-12 | ライトノベル
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか4 (GA文庫) ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか4 (GA文庫)
価格:¥ 651(税込)
発売日:2013-12-16

 読了。

 積み読がそろそろマズイことになっていたので崩そうと思ったら、比較的最近発売したばかりのコレから読んでしまうあたり業が深いというかなんというか。
 とにかく、登場人物の立ち居振る舞いが小気味良くて好きな作品の最新巻ですよっと。
 ……限定冊子つきのほうを買えば良かったと後悔したのも、すでに昨年の話やね!
 以下雑感。

・ざっくり言うと「PTメンバーを増やそう!」というのがテーマだった第4巻。果たしてどんな新キャラかと思ったら、非常に好感の持てる男! キャラ! で良い方向に予想を裏切られた。この手の作品だと、主人公以外は女子のハーレムPTになることが珍しくないので、バランスを考えても非常にイイ感じだと思う。

・メンバーを決めるまでの一悶着の落としどころが相変わらず好みだったというのは、好きな作品がキチンと好きなままでいてくれて嬉しい限り。「ベルが有名になって有象無象が近づいてくる→有象無象をこらしめる→ヴェルフと出会って臨時PTを組んでお互いに信頼を得る」というのが大まかな流れなわけだけど、ベルとヴェルフはもちろんのこと、二人に絡む他のキャラ(神様やらメイドやら)が、このエピソードの中でしっかりと個性を発揮しているのは何気にスゴイと思う。想定したストーリーラインに執着するあまりキャラクター描写が疎かになってしまったり、逆にキャラクター描写に注力した結果ストーリーラインに無理が出たりすることが少なくないだけに、エピソードを踏まえてキャラクターを掘り下げることができるあたりに作家さんの自力を感じる

・ベルが一足飛びに強くなっていくのは俺TUEE感があっていいが、どこかに落とし穴があるんじゃないかというふうにも思えて少しヒヤヒヤする。ぶっちゃけ「挫折」というのは、どこかで描く必要があると思うのだが、この「挫折」の描き方が悪いと一気につまらなくなりかねないので、今の段階では期待と不安半々といったところ。まー、ここまでの流れを見る限り大丈夫だと思いますが。

・二つの短編がどちらも面白かった。『女神へのカンパネラ』は、そうだよねー神様かわいいよねーみたいなニヤニヤ話だからともかくとして、『クエスト×クエスト』の意外なまでのシリアス展開で、かつキッチリと『ダンジョン~』らしくまとめていたのは驚いた。このエピソードにおいて何よりスゲェと思ったのは、ナァーザがベルを騙していたというのを、読者目線で許せてしまうというところ。許すまでの経緯や、落としどころに納得がいかないと、こういうのってサムイだめの話になってしまうのに、大したものだと思う。この手の「少しもやっとするエピソード」を上手いことまとめられる作家さんは大好き!

 つーわけで、文句のつけようがない一冊でしたということで一つ。
 なにやら15日にはスピンオフ作品も発売するということらしいので、そちらも楽しみにしたいと思います。