化学系エンジニアの独り言

時の話題や記事の備忘録

ガソリン暫定税率の周辺

2008-01-19 | 社会
ガソリン暫定税率廃止の議論が盛んです。確かに53.8円/Lは高いですね。3年くらい前ガソリンが80円くらいのときがありました。ガソリン本体価格は26.2円ですから、税率なんと67%です。3分の2は税金を払っていたことになります。現在のガソリン価格はざっと150円ですから、税率36%で3分の1が税金、ということです。

逆に考えればガソリンの本体価格は26.2円から96.2円の3.6倍になっています。確かに原油の価格が3倍くらいになったのですから、仕方ないです。でも、原油の価格が上昇すると日本の石油会社の利益が大きくなる、というのはちょっと逆のように思いますが、主題から外れますのでここでは議論しません。

ガソリン税は二重課税になっていて、53.8円の税金にさらに消費税の2.7円がかかります。これもちょっとおかしい、と石油連盟はいつも主張していますが、税金は取れるところから取る、というのが政府の原則のようで一向に改まることはありません。

受益者負担という側面から言えば、自動車が走る道路を作るのにガソリン税が必要というのは理解できます。しかし、道路はインフラの筆頭ですから受益者負担の原則だけではなく、一般財源でも道路を作ることも考えるべきです。ガソリン税の一般財源化は、これと全く逆の議論です。

さてこの暫定割り増し分26.9円は3月で法律切れです。民主党は暫定割り増し分を廃止するのが目標、政府は当然今までどおり暫定割り増しを続けるということです。暫定割り増しを続ける必要があるのは、もっと作らなければならない道路がある、ということです。

2007年石油連盟の資料ではガソリン税収は3.1兆円にも上ります。確かにまだつかなければいけない道路やメンテナンスのための予算は必要ですが、この15年と同じペースで作らなくても良いでしょう。もうだいぶ道路は整備できているように感じます。
更に言えばこれからはガソリン税を自動車が排出するCO2抑制のためにも振り向ける必要があります。

もう一つ全く議論はされてませんが、軽油にも同じような暫定割り増し分があります。現在軽油引取税は32.1円、税収は1兆円を超えています。こちらは地方税ですから、国会の議論にはならないのでしょうが、同じ道路建設のための目的税で、消費者から見れば、ガソリン税も軽油税も同じ自動車にかかわる税金です。

軽油税には用途に応じた免税措置があり、地方によって免税措置が異なるとの理由で結局国税ではなく地方税になったようです。
例えばトラクターに使う軽油には税金はかかりません。確かにトラクターは農場を走るもので、道路を走るためには使いません。同様に道路を走らないもの、船舶、機関車、あるいは製紙のために使用する軽油には税金はかかりません。

さて、軽油引取税は本則では15円ですが、暫定割り増し分の方が高くて17.1円が上乗せされています。同じ道路整備の目的税ですから、ガソリン税と同様に議論されても良いのでは!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿