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石油の在庫能力はどれくらいあるのか

2020-04-09 | 石油
タンカー市況が急激に好況になっていると言います。新型コロナウィルスの影響で世界中の経済活動がスローダウンしていますが、逆の業界もあるようです。理由は幾つかあります。
原油生産量は4月以降増えていますが、逆に需要は急激に減少しています。そうすると原油在庫量は増えます。陸上タンクだけでは足りずにタンカーを浮かべて在庫する、フローティング在庫の需要が急激に高まりました。
また増産に転じたサウジが原油輸出船積み量を増やしたこと。
原油タンカーがこれまでと異なる新しい航路をとるようになったことや、荷揚げ港での遅延がその理由のようです。

現在4億バレルのフローティング設備のうち、1億バレル分が利用可能だそうです。陸上のタンクの空きにこのフローティング分を含めてあと11億バレルの在庫が可能との試算があり、現在1,800万BDの原油が過剰生産になっているとすれば、あと60日すると在庫が満杯になります。

サウジの輸出量急増(過去800万BDだったものが足元1,000万BDを超える)などによって、原油タンカーの一日のスポット価格は4万ドルから20万ドルに上昇しているようです。石油製品用のタンカーも同様で1.9万ドルが6万ドルに上がていると言います。

フローティングを利用している石油トレーダーによれば、石油価格が将来5ドル上がることは、1日5万ドルを払って6か月在庫しておくこととに見合うのだそうです。

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