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国内最大規模の木質バイオマス発電施設を建設

2005-12-25 | バイオマス
やまがたグリーンパワー(株)は発電出力2,000kWの国内最大の木質バイオマス発電設備を工費15億円で建設します。2006年4月着工、2007年2月運転開始予定です。
これは経済産業省「新エネルギー事業者支援対策事業」として、1/3の補助と90%の債務保証を受けている。

同社は平成 17年7月29日、日本バイオマス開発株式会社(代表取締役社長:鈴木 誠氏)および五十嵐特殊建設株式会社(代表取締役社長:五十嵐 邦夫氏)が共同で設立したベンチャー事業会社です。

燃料となる木質バイオマスとしては、間伐材、道路河川事業樹木、支障木、ダムの流木、松喰い虫被害木、果樹剪定枝等をチップ化して利用し、使用量は年間約 20,000トンです。

燃料ボイラーによる発電においては木質バイオマスは水分量が多いため、乾燥する必要があり(乾燥のためのエネルギーを必要とする)、さらに50t/d程度の施設では発電効率が低く、事業化は困難とされていた。

今回の装置はJFEエンジニアリングが受注し、デンマーク・バブコック&ウイルコックスフェルント社の装置を導入する。
この装置はガス化炉・ガスエンジンの構成です。排熱を融雪やビニールハウスへ供給することも可能としている。JFEエンジによれば装置の特徴は以下の通り。
・ 水分が 35%~55%含まれるバイオマス資源を、乾燥工程を経ることなく直接処理することが可能。
・ガス化炉内部で熱交換が行なわれるアップドラフト式ガス化炉を採用しているため、総合エネルギー効率が高い。
・約 30%の高い発電効率 (総合効率は80%以上のようです)
・ガス化炉は、 10%まで低負荷運転が可能であり、運転のフレキシビリティが高い。
・完全自動化により、少ない保守要員で運転可能。
・独自のガス処理システムにより生成ガスの清浄度が高く、ガスエンジンの長期連続稼動が可能。
・タール含有排水は、独自のシステムで浄化。

ガス化炉方式の課題はタール分をどう少なくし、どうしても発生するタールをどう処分するか、です。また、ガス化材として利用する水(水蒸気)を使用後どう処理するかです。このあたりはJFEが独自技術で対応しているということのよう。

木質バイオマス利用促進は、新エネルギー導入の要でもありますからプラントの成果に注目です。

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