原作名:魔法少女リリカルなのは
作者:友
最終更新日:2011年11月27日
評価:D
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=all&all=15302&n
[あらすじ]
気がつけば何もない白い部屋。現れる老人。自称、神。寿命の尽きる前に死なせてしまったので、別の世界に転生させるとの事。
そして迎えた第二の人生は、時空管理局局員を両親に持つ男児。両親は共にSSランク、本人はSSSオーバーと、何そのチートぶり? 住まいはなぜか第97管理外世界『地球』は海鳴市。あからさまな死亡フラグ。
あり余る魔力資質は管理世界内一、だけど性格はヘタレな主人公が、挫折してハーレム要員を回収し、暴れてハーレム要員を回収し、普通に生活してハーレム要員を回収し、トラブルに巻き込まれてハーレム要員を回収する話。
[文章]
始めの数話は主人公視点の一人称。原作に突入した辺りから、キャラ視点移動の一人称に変わっている。
同じシーンでキャラ視点を変えて語る時があり、三人称で書けと言いたくなった。
[総評]
前書きに警告されているように、『主人公最強』『ハーレム』物。『原作知識持ち』『神様転生』主人公の『管理局アンチ』も付け加えておく。
ヒロイン枠は、原作三人+オリキャラ1人+アリサ+すずか+シグナム+シャマルと、ほぼ全ての女キャラと節操なし。使い魔にリニス。スバルやギンガ、果てはナンバーズに到っても好感度高しと、正直どん引きのレベル。好きな人には堪らないラインナップなのだろうけれど、当方には耐えられなかった。
とは言え、最初の神様との対話と、主人公の乳幼児期の気持ちの悪い高テンションを克服すれば、それなりに読める作品ではある。
ほぼ原作沿いに事態が進行しつつも、原作を逸脱した設定はそこかしこに散りばめてあり意外性がある。なのはに双子の姉がいたり、フェイトがジュエルシードを探す理由が違っていたり、暴走体がデジモンを模していたり、五人目の守護騎士が登場したり。
無印とA’s編では、管理局基準での犯罪者のいない話でまとまっているのだが、その反面、しわ寄せが管理局内部での不正や謀殺等として描かれている。StS編においては、組織の腐敗を正すのが目的の模様。
基本的には後ろ向きなヘタレ、開き直ると最強、ただし歯が浮き身悶えするような臭いセリフ付きな主人公。そんな主人公に耐性のある人なら、この作品はツボだろう。
原作名:魔法少女リリカルなのは
作者:やみなべ
最終更新日:2011年8月25日 2012年1月2日
評価:B
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=toraha&all=4610&n
[あらすじ]
聖杯戦争から10年。
いつか見た赤い剣の丘で、衛宮士郎は瀕死の体だった。その背中には、いつも一緒にいてくれた遠坂凛。そして二人は息を引き取り……。
……日本の衛宮邸で復活する。側には桜。
今の肉体は、二人が死んだ時に魂を移すため、あらかじめ用意していた人形との事。
しかし一度は死んだ身。いつまでもうろうろしていれば、また追われる羽目になるのは明白。そこで選んだ方法は、平行世界への逃亡。
かなりの無茶と幸運頼りの逃避行は、何とか成功。代償は、小学生低学年程度までに縮んだ肉体。
新天地が海鳴市という名前すら知らないまま、二人は生活拠点を築くために活動を開始する。
[文章]
各キャラの視点移動による一人称。三人称でも十分キャラを描き分けられるだろう力量があり、三人称の方が安定した文章にもなるはずなのに、一人称の視点移動に拘っているのが残念。
[総評]
UBWルート後の凛と士郎が、海鳴市に転移。
話数が多く、各話の文字数も多いので読み応えがある。ただ、話が進むにつれ各話の文章量が増え、独自設定の長い説明が挟まってくる。人によっては退屈してしまうかも。
Fate系のキャラが異世界に行くと、魔術の秘匿意識が急激に薄れる二次小説を山と見かけ、その度にとても残念な気持ちになる。しかしこの作品では、徹底して秘匿を貫いている。その姿勢には好感度アップ。
概ね『リリカルなのは』原作準拠でストーリーが進み、管理局アンチは弱め。魔術の秘匿を優先しているため、管理局とはなるべく距離を置いておこうと言うスタンス。
ジュエルシードの「願いを叶える」を『聖杯』と掛け合わせた考察や、管理局側の士郎の投影した宝具の考察など、非戦闘でのエピソードは良く練ってあり、読んでいて面白い。反面、戦闘シーンが冗長気味な印象があり、こちらの魅力は乏しい。
作品では、A’s編と事後処理が終わり、StS編までの長い10年の始まり。作者氏曰く、実生活の多忙と構想の練り直しと言う事で、更新は停止中。復帰を待ち侘びている。