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玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

オオイヌノフグリ

2019-05-25 01:32:36 | 春の花
オオイヌノフグリ
現在の玉川上水は雑木林のような林が卓越しているので、林の野草の避難所になっている。玉川上水の両側は市街地であり、林が途切れるので、そこには林縁に生える植物があり、さらに道路に近いところには空き地の雑草や畑地雑草が見られる。オオイヌノフグリはそういう雑草のひとつで林の下にはない。明るい日差しを浴びてたくさんの花を咲かせる。それも早春から夏まで長い間、爽やかな水色の花を楽しませてくれる。花に近づいてよく見るとクワガタソウなどと通じる形と模様をしている。名前の由来になっている果実はハート型というかふくらみが2つある。気の毒なネーミングだという声が多いが、誰にも印象的な花にではなく果実に注目した視点がユニークだし、「なんとかソウ」といった気取ったものでないところが、民衆の愛情の表現ともとれるのではないか。玉川上水には同じ仲間のタチイヌノフグリ、フラサバソウもある。





果実

果実

可憐な小さな花になんとこの名前!「何でぇ?可哀そう」と思いましたが、おかげでなかなか花の名前を覚えられない私でもこの名前は一度で覚えました。
小島 基男 

春を知らせてくれる可憐な青い花。犬のふぐりなんてあんまりな名だが、昔の人の観察眼を褒めようか。
住田景子

名前の由来がかわいそうと言われがちだが、なかなか実がなるまでお付き合いすることがない。花は、拡大すればするほど、青紫で縞模様のある可憐な花だ。一日で散ってしまい、花ごと散るのを見ると、合弁花だろうか。
長谷川博行


オオイヌノフグリ

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タチイヌノフグリ


フラサバソウ

オオアラセイトウ

2019-05-25 01:31:17 | 春の花
オオアラセイトウ

ショカツサイの方が通りがいいようだ。アブラナ科なので花びらは4枚、ショカツサイの「サイ」は菜であり、その葉を見ると確かにサラダにでもすればおいしそうだ。中国原産の外来種で諸葛とは三国志の諸葛孔明の名。爽やかさのある薄紫色の花を咲かせ、東京では景観の中に溶け込んでいるようで、都心でも見かける。玉川上水でも明るい林やひらけた場所に生えており、水面を背景にするとなかなかきれいに見える。





毎年4月になると杉並の岳父の庭隅にところ狭ましと紫の花が咲いていました。
これが「ハナダイコン」と聞いたのを思い出します。そして窓越しの庭に春の息吹を感じました。 
小島 基男

電車の車窓から見る、線路わきのオオアラセイトウの群生は、通勤の春の楽しみだ。紫の大きな花は迫力があり、遠くからすぐわかる。玉川上水のオオアラセイトウの群生を船で下って水面から見上げてみたい。
牧田一雄


オオアラセイトウ

エゴノキ

2019-05-25 01:29:37 | 春の花
エゴノキ

玉川上水のいたるところにある木で、調査区画あたりの出現率は73%もあった。ナラやケヤキのように高くはならず、幹が黒っぽいので、冬でもすぐにエゴノキとわかる。5月頃になると「こんなにあったのか」と思うほどたくさんの木が開花し、枝々にたわわに花を咲かせる。その花が地面に落ちて歩道が白い絨毯のようになるほどだ。緑色の果実ができるが、これは昆虫に食べられないように有毒物質を含む。昔はこれを川に流して魚を獲ったらしい。中に大きな楕円形の種子があり、ヤマガラが好んで食べる。ヤマガラは足場の良い枝に止まってエゴノキの果実を足で挟み、くちばしでつついて皮をむいては中身を食べる。時には種子を運んで地面や木の割れ目などにたくわえる。たくわえた場所を覚えているのには驚くが、ときどき忘れることもあるらしく、エゴノキはそれによって分布拡大をするらしい。













玉川上水の近くに越して来て最初に覚えたのがエゴノキです。5月になると玉川上水のあちこちでこの木の枝に白い小さな花がたくさん下向きに咲きます。真ん中の黄色い雄しべが印象的です。木の下を歩くとほのかによい香りがただよい、爽やかな季節の到来を告げてくれます。
佐藤 留美子

「子供の頃この実をつぶして玉川上水にまき、魚が浮くのを獲った」と小平生まれのお年寄りが話してくれた。
住田景子

学生時代、玉川上水を1回だけ津田塾生と2人で歩いた。私は踏まれてもしぶとく生きるタンポポが好きと言うと、彼女はエゴノキが可憐で、いい匂いがするから好きだという。私はきれいだがツンと澄ました印象を受けた。その後、彼女と会うことはなかった。
関野吉晴

5月、足元ばかりに気を取られて歩いていると、突然白い花に埋め尽くされている地面が出現してハッとすることがある。見上げると、鈴なりの小さな白い花。新緑の風にやさしく揺れるエゴノキの花を見ると、夏がすぐそこまで来ていると感じられる。
豊口信行


エゴノキ



ウグイスカグラ

2019-05-25 01:28:18 | 春の花
ウグイスカグラ

早春を告げる花で、気の早いものは3月の上旬から花を咲かせる。春を待ちかねて林を歩いていてこの花を見ると、「春遠からじ」とうれしくなる。花の色が暖かい紅色で、黄色い雄しべとのコラボも楽しい。花が5枚の花びらを開く前のつぼみはボーリングのピンのようでかわいい。スイカズラ科なので枝も葉も対生し、ややひし形のような楕円形の葉をつける。時々茎を抱くような托葉が付いているのを見かける。晩春のウツギやスイカズラなどが咲く頃には、もう赤い実をつける。その実を見ると半透明で、中の種子が透けて見える。昔の子供はおやつにしたようだ。







つぼみ

果実

托葉

「おやつ」なんて言葉のなかった60年前の伊那谷。この紅い実が優しく甘かったなあ。
住田景子

落葉低木につく淡い紅色の花は、貴婦人を連想させます。周囲にあまり花がない早春に花が咲くので、目につきやすいです。5月頃に赤い実をつけますが、花と実が結びつかず、これがウグイスカグラの実であることを知ったのは、つい最近のことです。
富澤 克禮

初夏の森、飲み物が底をついたときに運よく出くわしたウグイスカグラ。早春、ピンクの花を控えめに咲かせていたこの花は、今では真っ赤な実をたわわにつけて、果物になって目の前に現れた。
豊口信行

1月6日(日)落ち葉掻きイベントに向かう里山の日当たりのよい場所にピンクの花1個。「今年もまたこの場所に一番に花をつけたね」。そして緑色の実から透きとおった赤色の実になる。こうなるとほんのり甘い。私の大好きなウグイスカグラ
長峰トモイ

鶯の神楽。素敵な名前、どんな花でしょうと出会いを楽しみにしていました。玉川上水でお目にかかり、葉の間からのぞく可愛らしい花の姿に魅せられました。
水上和子


ウグイスカグラ


アマナ

2019-05-25 01:22:47 | 春の花
アマナ

ユリ科アマナ属。春一番に咲く野草のひとつで、玉川上水では明るい落葉樹林に咲く。アマナそのものはわりあいよく見かけるが、花を咲かせないものが多い。早春の、まだ木々が芽吹かない明るい林で、枯葉の中から葉を伸ばす。背丈が10センチほどしかなく、横向きに咲くので気づかないで通り過ぎる人が多い。花をよく見ると花びらの外側にえんじ色の筋がある。林の縁や明るい場所には生えていないから、開発には弱いものと思われる。アマナを守るためには、よい林全体を守らなければならない。これからも玉川上水に残ってほしい野草だ。







八重のタイプ

玉川上水で初めてアマナを見つけたとき、車道の脇に生えていたので嬉しかったのを思い出します。地中で何年もかけて球根を育て、春のひと時だけ地上に顔を出すと聞きました。「こんなに小さな花がうちの子と同い年くらいなのかな」と、不思議な気持ちになりました。
安河内葉子

「あそこに行けばアマナがある」という場所があります。「もしかして」と早春の林に出かけてみますが、まだでした。でも土の中では確実に茎を伸ばしているはずです。「もう少し、がんばって」。出会いを期待して土の中を想像するのも早春の愉しみです。
高槻成紀


アマナ