玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

3月の観察会

2024-03-10 22:29:43 | 観察会
このところ寒い日が続いていました。今朝も寒かったのですが、明るい良い天気でした。いつものメンバーが集まりました。



関口さんが
「これが落ちていたんだけど、なんですかね」
と言うので見たら、白く長い毛がついた果実でした。
「もしかしたらセンニンソウかもしれない。でもちょっと違うかな」

皆さんにハハコグサのスケッチのハガキを配って喜んでもらいました。



時間になったので歩き始めました。1月くらいまでは残っていた果実もなくなり、植物は乏しいものの、少しずつ春の花が咲き始めていました。はじめに気づいたのはウグイスカグラでした。

ウグイスカグラ

この辺りでは他に花はあまりありませんでしたが、マユミが芽を伸ばしていて、つぼみをつけたものもありました。

マユミ

多くの木はまだ冬芽でしたが、コナラ、エゴノキ、クリなど、心なしか冬芽が膨らんでいるような気もしました。
橋の近くにオランダミミナグサなどがありました。

オランダミミナグサ

ノボロギク

シロダモがあり、葉の裏が白いこと、若いときは長い毛が生えていることなどを話しました。豊口さんがヒサカキの蕾を見つけました。
「この花は臭いんだよね。ハエを惹きつけるために腐った肉の匂いがするんですよ」
でもこのときはまだ匂いはありませんでした。
「ヤチダモってありますよね」
「はい、同じタモでも、あれはトネリコの仲間で違うものです。材が硬くて、王貞治のバットはヤチダモです」

ヒサカキ

アセビの花がありました。私は鼻が良くないので匂いは分かりませんでしたが、丸山さんは「いい匂いがする」といっていました。

アセビ

アマナの葉が伸びていましたが、花は見つかりませんでした。
テイカカズラがありました。果実が付いていたので、高いところにあったのを頼んでおろしてもらうと、それが関口さんが持ってきたものとぴったり合いました。
「花の大きさに比べて果実がとても長いんですよね。ここにこれが入っているわけだ」

テイカカズラ

「テイカカズラは葉脈がよく見えて、その葉脈は中央の軸(中肋という)から縁に向かって伸びますが、縁に近づくと、葉脈と葉脈が横につながります。こういうタイプの葉脈は南の方に多いということです。私はテイカカズラの葉脈の模様をとてもきれいだと思います」

テイカカズラの葉脈

私は少し前にヒメウズの花を見つけていました。皆さんがそれを見つけるかどうか様子を見ていましたが、結局気付かずに通り過ぎたので、声をかけました。
「あそこにヒメウズがありますよ」
皆さん少し目を丸くしていました。

ヒメウズ

ヒメウズ

あまりに小さいので気づかないことが多いです。通りかかった人が「何をしているのだろう」と寄って来たので、市川さんが
「きれいな花が咲いてるんですよ」と声をかけて、一緒に見てもらいました。双眼鏡で見るとよく見えたようです。花もきれいですが、葉もきれいで、同じキンポウゲ科のオダマキやカラマツソウなどと通じるものがあります。

豊口さんが
「あ、エナガだ」
というので見ると、いました、いました。小さな体に長い尾。何羽かいて虫でも探しているようですが、食べるところは見えませんでした。鳥といえばキジバトがほんの目の前で少し不自然な姿勢で地面に臥せたようにいるので、私翼を怪我でもして飛べないでいるのではないかと思って豊口さんにそういうと
「いやあ」
といってそのキジバトに手を近づけたらおっくうそうに立ち上がってゆっくり歩きました。
「頭の毛が逆立ってるから、頭を打つかなんかしてぼーっとしてたかも」
というのでホッとしました。それにしても、人が近づいても全く気にしないようでした。時々そういうキジバトを見かけます。

それからかなり歩いていくと今日見ようと思っていたキクザキイチゲの咲いているところに着きました。

キクザキイチゲ

「茎の先に一つだけ花をつけるからイチゲと言うんですね。葉っぱも中央部分についてるだけですよね」
「だからスッキリしてるんだ」
「これはキンポウゲ科で、アネモネの仲間です。ギリシャ神話では、身分の高い娘と身分の低い若者が恋におち、父親に反対されて心中する。その土の中から生まれたのがこのアネモネだという話があります」

キクザキイチゲの学名はアネモネ・プセイドアルタイカ

後で確認したらこれは間違いで、アイヌの民話でした。ギリシャ民話では、アドニスという美少年に女神が恋をし、その夫からの嫉妬を受けてアドニスが殺されてしまいます。そのアドニスの血が地面に落ち、そこから生まれたのがアネモネとされます。
どちらも地面から春先に現れる花に不思議なものを感じたという意味で共通しています。確かに枯葉の中からすらりと茎を伸ばすこの花には不思議な魅力があります。皆さん感激したと話していました。
ここにはバイモもつぼみをつけていました。

バイモ

もしかしたらこれは誰かが植えたのかもしれないという人もいます。しかし私は、これらは武蔵野の雑木林の代表的な花ですから、もともとここにあり、周りにもあったのが摘みとられるなどしてなくなっていったのであろうと思っています。



朝は肌寒かったのですが、歩いているうちにポカポカ陽気になりました。春の喜びを感じることができた観察会でした。

豊口さんは後でアマナを見つけたそうです。

アマナ

キュウリグサ


アメリカフウロ



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