小平の玉川上水を桜並木にしてはならない
高 槻 成 紀
<趣旨>
この文章はもしかしたら玉川上水の小平区域の林が伐採されるかもしれないということを知り、そうしてはいけないことを説明したものです。そのために雑木林の林やそこに生える植物のこと、都市の緑地のあり方などについて書いています。少し丁寧に書いたため、長くなりましたが、このことを意味を考えてもらうためにはある程度の長さも必要でした。ご一読いただければ幸いです。
内容は次のようになっています。
きっかけ:なぜこの文章を書いたか。
小平の玉川上水の自然:玉川上水のうち小平区間の特徴
小平市民の自然に対する意識:小平市によるアンケートの結果、小平市民は自然の豊かさを評価していることがわかった。
小金井の桜並木:小金井市の名勝桜並木は江戸時代から有名で、桜並木のため他の木は伐採する。
たまゆら草:玉川上水には雑木林の下に生える野草があり、その中には早春に現れては夏までに消えてしまう野草があり「たまゆら草」と呼んでみた。
林の草と草原の草:繊細な「たまゆら草」とたくましい陽性植物の比較
小金井方式とたまゆら草:桜優先の管理とたまゆら草の関係
小金井方式と緑地管理:都市緑地は原生的な自然とは違う。その管理には街路樹のような強い管理から、雑木林のような弱い管理までさまざま。
生き物のにぎわい:生物多様性について
小金井方式の拡大:小金井の桜並木は史跡として価値があるが、少なくとも小平には自然度の高い雑木林のような林を残すべき
まとめ:以上の内容をまとめました。
<きっかけ>
私は生物学の研究者で5年前に大学を定年退職してからは地元小平市で玉川上水の動植物のことを調べたりしています。小平の玉川上水はコナラなどの木が多く、緑が豊かな印象です。そのことは後で触れますが、最近、隣の小金井市の玉川上水に行って、ケヤキの大木が軒並み根元から伐採されているのを見て、あっけにとられ、心が痛みました。
小金井で伐採されたケヤキ(2020年3月)
そのことを一緒に玉川上水の野草を調べている「玉川上水花マップ・ネットワーク」(こちら)の皆さんのメーリングリストに流したら、さまざまな意見が寄せられ、私の知らなかったことも教えてもらったので、まとめてみることにしました。
<玉川上水の歴史>
玉川上水についてはご存知の人も多いですが、一通りおさらいをしておきます。17世紀半ばに作られた玉川上水は江戸市民の生活用水確保を目的とした運河で菅、その中で小金井の桜は有名でした。安藤広重にその桜並木を描いたものがあります。
小金井の桜並木(安藤広重)
近代化以降も戦後の高度成長期までは上水としての機能が続きましたが、1965年に武蔵水路ができて東京の水は利根川から取られるようになって小平監視所より下流の上水の機能は終わりました。杉並より下流は暗渠化され、玉川上水は無用のものとなりました。1971年には小平監視所より下流には全く水が流れなくなってしまい、ゴミが捨てられるなど荒廃しました。1980年代になると「清流復活」を求める声に押されて小平監視所から浅間橋までは下水処理水が流れるようになりました。
人々は散歩やジョギングの場として、また折々の草木の新緑、開花、紅葉などを楽しむ憩いの空間として親しまれるようになりました。この時代になって玉川上水の評価が高くなり、1999年には東京都の条例により歴史環境保全地域となり、2003年には国の史跡となって、文化財保護法で守られることになりました。
玉川上水の歴史については こちら
史跡玉川上水保存管理計画は こちら
<小平の玉川上水の自然>
小平市の玉川上水は全体から見ると雑木林的な性格が強く、雑木林の下に生える低木や野草が多く生えています。
小平の玉川上水の緑地
以下には小平の玉川上水でよく見られる植物を紹介します。
また鳥では、小平市の鳥であるコゲラも樹木にすむ昆虫をつついて食べるので、カラ類などとともに小平にはたくさんいます。
コゲラ(小口治男氏撮影)
このように小平市の玉川上水の緑は武蔵野の雑木林の面影を残しており、多くの動植物が玉川上水にレヒュージア(避難所)として生き延びています。
<小平市民の自然に対する意識>
こうした玉川上水の自然に対して小平市民がどういう印象を持っているかを調べた小平市による世論調査によれば、小平市民の84.2%が「ずっと住み続けたい」もしくは「当分住み続けたい」と回答し、その理由として「自然環境がよい」が最多で、60.1%の人がこれをあげています。
小平市政に関する世論調査報告書H28は こちら
また別の、環境に関するアンケートでは小平市の環境でよいと思う内容は
「用水や緑といった自然の豊かさ」がトップで64.5%を占めています。
小平市の環境に関する市民アンケート調査報告書(案) こちら
玉川上水で散歩を楽しむ小平市民
<小金井の桜並木>
小金井市の玉川上水は桜並木で知られ、桜並木の保存に力を入れています。
小金井市による「名勝小金井(サクラ)について」は こちら
サクラを残すために他の樹木は伐採されます。そしてサクラは間隔をおいて植えられますから、2018年の台風24号のような強風が吹いたとき、サクラは風害を受けやすく、小金井市の範囲で27本の風害木が確認されましたが、そのうち20本(74%)はサクラでした(こちら)。また間隔をあけた植え方なので、地表には光が当たり、ススキ、ノカンゾウなど大型の草やヒメジョオンなどの外来種が生えてきます。
<たまゆら草>
温帯の落葉広葉樹林には早春に開花して、夏までに地上の葉も枯れてしまう草本類があリます。その短命さからスプリング・エフェメラル(春のはかないもの)と呼ばれますが、私は「たまゆら草」と呼んだらいいと思います。
「たまゆら草」にはカタクリ、チゴユリ、アズマイチゲ、バイモなどがあります。いずれも小型の地表植物で、花は大きく、昆虫によって花粉を媒介してもらいます(虫媒花)。そして春に開花、結実して夏までに葉を枯らせて地下部で休眠します。
玉川上水の「たまゆら草」
「たまゆら草」はまだ林が明るく、それでいて光合成ができる気温になる早春の短い期間に生きて、そのあとにワッと繁茂する他の植物との競争を避ける生き方をします。ですから、直射日光が当たるような場所でたくましい草が生えるような環境では全く無力です。戦後の日本は雑木林を伐採してきましたから、カタクリやアズマイチゲ、ニリンソウなどは武蔵野にありふれた春の花だったが、今はめったに見ることはできなくなってしまいました。玉川上水はそのレヒュージアになっているのです。
<林の草と草原の草>
明るい場所に生えるススキは小さい種子を大量に生産し、風で飛ぶ種子を作ります。1株のススキが生み出す何万という数の種子は風で遠くに運ばれて、河原でもビルの上でも飛んでいきます。人の活動は林を伐ったり土地を耕したりしたから、草原の草にはプラスでしたが、林の草にはマイナスになりました。現在の玉川上水に残っている林の草は日本列島に人が渡ってくるよりもはるかに古い時代から休むことなく営々といき続けてきたながら消滅していった無数の草の中の極めて限られた生き残りなのです。
私は玉川上水に咲くアズマイチゲやキクザキイチゲ、チゴユリなどの「たまゆら草」に出会う時、そのことを思って、「やあ、今年も咲いてくれてありがとう」という気持ちで接しています。
林の草と草原の草については こちら
<小金井方式と「たまゆら草」>
小金井市は桜並木を歴史的遺産として保護しています。この桜優先の樹木管理を「小金井方式」と呼ぶことにします。小金井市民は桜並木を重要だと考え、そのような管理を支持していると思われますが、そのほかの樹木も適度に残すべきだという考えの市民もいます。
例えば「小金井玉川上水の自然を守る会」の橋本承子さんの質問に対する市長の回答(小企広発第123号、令和元年12月24日)の要点は次の3点でした。
1)小金井市は江戸時代からの伝統を継続し、文化財保護法にも指定されている桜並木を歴史遺産として尊重し、そのほかの樹木は伐採する、
2)台風による風害はケヤキに起きたから市民の安全と桜の育成のために大きいケヤキは伐採する、
3)ケヤキを伐採すれば一時的に生き物が少なくなると感じられるかもしれないが、桜が成長すれば緑の空間が再生される。
1)は妥当ですが、2)と3)は生態学的には正しくありません。2)については2018年の台風24号で風害木が生じたのは事実ですが、小金井地区での風害木は27本で、そのうちの20本はサクラであり、ケヤキは4本に過ぎません。したがって市民の安全のためにはむしろサクラを伐採すべきということになるはずです。
3)も見当違いです。樹木を伐採すれば、草原的な植物や路傍雑草、外来種などが入り込んで繁茂します。このことが「一時的に生き物が少なくなる」と表現されており、これは正しいのですが、「サクラが成長すれば緑の空間が再生される」としていることについてはそうは思えません。これについて小金井市の会議で委員長は伐採すれば環境が激変して森林の野草は激減するとしながらも、桜が育てば野草が戻ってくると楽観的な見解を述べています。(詳しくは こちら)
しかし私はこの想定は正しくないと思います。もしこの見解が正しければ現在のサクラの老木の下に雑木林の下に生える野草があるはずですが、林に生える草の性質からそうは思えないし、観察によってもそうではありません。これは今後現地調査をして実態を記述し、どちらの見解が正しいかを検証する予定です。
<小金井方式と緑地管理>
小金井市は東京の多摩地区にある都市で武蔵野市、小金井市、立川市などと同様、かつての農業地域が戦後の高度成長期に東京都のベッドタウンとして人口が増加しました。もともと都市の自然は多かれ少なかれ人の影響を受けて維持されています。花壇、農地も広義の緑地です。これと原生林の間には様々な段階の管理があります。雑木林弱い管理をされてきました。雑木林では20年ほどの周期で伐採して炭を取りました。伐採直後は直射日光が当たるから陽性草本が繁茂します。数年経つと低木が育ってそういう草本を排除してゆき、さらに時間が経つとナラ類が樹冠を広げて若い林の状態になり、林床に生える植物も間接光を利用するものが多くなります。「たまゆら草」はこの段階で出てきます。かつての里山にはこういう違う段階の林が並存していて、ある場所にはススキやホタルブクロがあり、別のところにはハギやウグイスカグラがあり、さらに別の林にはカタクリやアズマイチゲなどがあるという具合でした。
今の玉川上水の雑木林的な林は「残す」という意識で行われる管理です。小平市のアンケート調査によれば、大半の市民が「自然環境が良い」を挙げていますが、それは「残す」という意識です。小平市の鳥が林にすむコゲラであることも象徴的です。
<生き物のにぎわい>
このように考えてくると、同じ玉川上水の緑でも、小金井の桜並木と小平の雑木林的な林との違いがはっきりしてきます。小金井方式は桜だけを尊重し、そのほかの樹木は伐採するという考え方に立ちます。日本人にとってサクラは特別の花でしたからやむを得ないことかもしれません。
一方の雑木林は主だった樹木はコナラやクヌギなどの「雑木」、つまりありふれた樹木です。重要なのはきれいだから守るのではなく、すべての生き物を大切に考えることです。「たまゆら草」が生き延びるには落葉樹林の光環境が必要で、蝶や蜂などの訪花昆虫も不可欠です。つまりこれらの生物がセットとして存在しなければならないということです。「生物多様性」という5つの漢字熟語は硬いのですが「生き物のにぎわい」ということです。このような考え方は森を神の居所と感じ、「小さな虫にも五分の魂」という言葉に象徴されるような日本人の生命観となじみやすいと思います。
ただし、そのような生き物の住む雑木林も人の配慮がなければ一瞬にして消えてしまいます。私は小金井の皆伐地のケヤキの伐痕を見たときに、痛切にそう感じました。以下の写真は小金井の皆伐地と小平の雑木林的な玉川上水の景観を並べたものですが、小平の景観を小金井のようにするのは技術的にはたやすいことです。
<小金井方式の拡大>
小金井方式は名勝保存という立場で進められています。これについて気がかりなことがあります。先の小金井市玉川上水・小金井桜整備活用推進委員会の「平成30年度第3回会議録」(こちら)には委員長の以下のような発言があります。
「小平市と武蔵野市が小金井市と同じようにケヤキを伐採してサクラを植えると、同じ付き合い方をしてくれるかもしれない。了解を得られれば、全域をサクラ並木にすることができる(一部略)」
これは小金井方式を隣接する小平市や武蔵野市まで拡大すべきだという意味ととれますが、もし小金井方式が拡大されるとすると小平市民にとって重大な問題です。
<まとめ>
玉川上水は歴史的遺産であり、自然そのものではなく、人の管理下にある遺産です。そこに生息する動植物も原生的な自然のものではなく、人の管理下にあるものであることは間違いありません。小金井の桜並木はその代表で、それはそれで価値があるものです。そのことを認めた上で、私はそれを小平にまで拡大することはしてはならないことだと思います。なぜなら。小平市民は現状の自然、ことに玉川上水に代表される雑木林的な自然があることを好ましく感じており、そのことが永住希望の大きな理由にもなっているからです。
私たちは次の世代に、そしてこれからもずっと続く世代に対してそのような愚かな選択をしてはならないと思います。
<謝辞>
本文は私の感想をもとに展開した玉川上水花マップネットワークのメンバーとの議論から生まれたものです。特に小金井で桜以外の樹木の保全に尽力してこられた加藤嘉六様、小平の玉川上水の保全に努めておられる水口和恵様、玉川上水以外の自然保護も進めておられる小口治男様、杉並で動植物の観察をしながら保全活動を進めておられる大塚惠子様には私が知らない玉川上水の保全についての重要な情報を提供し、ご意見を聞かせていただきました。これらの皆様に御礼申し上げます。
<たまゆら草>
「たまゆら草」は基本的に林に生える草で、春に開花、結実して夏までに葉を枯らせて地下部で休眠するという生活環をとる。これはニッチの多様化の結果である。
ニッチとは生態学的地位のことで、森林という生態系の中での役割のようなもので、例えば高木は樹冠を形成して直射日光を受けて大きな生産をし、その結果、林の下は暗くなる。そこには暗い環境に適した光合成をする低木や草本が生える。異なる性質を持つ生物が生態系の中でそれにふさわしい位置を占めて全体の一部を担うわけだが、その位置のことをニッチという。人間社会でも職業には様々なニッチがあり、社会が変化すればネット関係とか介護関係など新しいニッチが生まれることがある。
温帯の落葉広葉樹では樹冠が葉で覆われる夏と、寒くて光合成ができない冬の間に、明るくてある程度暖かいという微妙な時期が生じる。そのニッチに入り込んだのが「たまゆら草」である。そのためには光合成の補償点が低く、それほど明るくなくても光合成ができるという生理学的な性質を持つ必要がある。初夏になれば林は暗くなるし、多くの低木類、草本類が伸びてきて競争が厳しくなるから、その時にはすでに生育を終え、光合成産物は地下部に転流して蓄えておく。これが「たまゆら草」の得意なニッチに適応した性質である。
光合成の性質の違いで陽性植物と陰生植物に分けられるが、たまゆら草のような植物は陰生植物であり、ススキやタンポポのような植物は陽性植物である。
陽性植物と陰生植物の光-光合成速度曲線。陰生植物は補償点が低く、暗い環境でも光合成ができるが、最大値は低い。
陰生植物は暗くても光合成できるから、林では有利だが、直射日光が当たるような環境では全く無力である。したがって林が伐採されれば消滅してゆく。現実に戦後の日本は雑木林を伐採してきたから「たまゆら草」は壊滅的なダメージを受けてきた。カタクリやアズマイチゲ、ニリンソウなどは武蔵野にありふれた春の花だったが、今はめったに見ることはできなくなってしまった。そして玉川上水がそのレヒュージアになっているのである。
<林の草と草原の草の光合成>
一般に植物は明るいほど光合成が活発になるが、その程度は種によって違い、陰生植物は暗くても光合成ができるが、明るくなってもさほど光合成量が増えない。これに対して陽性植物は暗いと光合成ができないが、明るい場所では陰生植物の何倍も光合成ができる。林に生える「たまゆら草」が小さく、草原に生えるススキやシラヤマギクなどが大きいのはそのためである。これらが同時に生えることはないが、実験的に一緒に栽培して暗い環境におけば補償点の低い陽性植物は枯れてしまうから結果的には陰生植物が生き残ることになるはずである。逆に明るい場所で栽培すれば陽性植物が繁茂して陰生植物を枯らせてしまうはずである。
シラヤマギク
<林の草と草原の草の種子生産>
林の草と草原の草は光合成能力が違うだけでなく、種子生産でも対照的である。林の草は限られた光合成産物を使って少量の種子を作り、種子は特別の散布方法を持たないで、地面に落ちる。もっともカタクリやスミレは種子にエライオソームという栄養価のある付属物を持っているので、アリが好み、種子を巣の中に持ち込むことが知られてはいる。しかし種子の数は少なく、移動距離も狭い。林の中ではそれで十分なのである。これに対して、例えばススキは小さい種子を大量に生産し、種子の基部に基毛という風で飛ぶための装置を持っている。タンポポの綿毛と同じ働きである。1株のススキが生み出す何万という数の種子は風で遠くに運ばれる。そして河原でもビルの上でも飛んでいき、発芽する。ただし、ススキの種子は暗いところでは発芽率が低いから、林に運ばれた場合は枯れてしまう。
ヒメジョオン、セイタカアワダチソウなどの外来種も概ねそういう性質を持っている。明るい場所を好み、光合成が活発であり、明るい場所では急速に成長し、多数の種子を生産しては散布する。シナダレスズメガヤという外来牧草は1株で数十万粒の種子を生産するため、多摩川の河川敷に繁茂し、在来のカワラノギクを駆逐してしまった。こういう外来種はたくましく、人が開発する明るい場所では傍若無人ともいえる旺盛な生育をしている。
人の活動は林を伐ったり土地を耕したりしたから、林の草にはマイナスであり、草原の草にはプラスになった。特にチェーンソーを使っての皆伐は地球の歴史の中で植物が経験しないほどの壊滅的なダメージを与える。森林伐採とはそのような意味があることを忘れてはいけない。小金井で行なっている桜並木の保護はサクラの木を残すから皆伐ではないかもしれないが、林の草にとっては皆伐と同じ意味を持つ。
資料 桜伐採と野草
小金井市玉川上水・小金井桜整備活用推進委員会の「平成30年度第3回会議録」
(桜以外の樹木の伐採に配慮すべきという意見に対しての委員長の発言)
「これはなかなか難しいことで、言われていることは非常にもっともなことなのだけれども、一時的には、伐採するとどうしても環境は激変しますので、ヤマユリとかキンランとかなくなってしまうわけではないが、一時的には衰退するのですよね。草本が大きく育つ、すごく茂るので、かなりなくなってしまうようにみえるということはあるし、場合によってはなくなってしまうかもしれません(議事録p.13)」。
「そういう場所については、ある程度調査区を設けて、観測する必要があると思っています。(中略)今後伐採をしてみた時にどのくらいの変化があるかということは知っておく必要があるだろうと思うのです」。
「ケヤキだけが緑陰を作って、サクラは緑陰を作らない木だということは全くないわけです。10年も経つとサクラ自体がすごく繁りますから、 サクラの下はほどよく日陰になります。広重の絵を見ると小金井のサクラの風景は、あの当時は草刈りをよく行っていた時期でもあるのですが、大きな草は全然ないです。クサボケが多く繁っている状態です。ケヤキは頼りになるけど、サクラはならないわけではありません。サクラがきちんと繁れば同じような状態になります。(議事録p.13)」