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玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

クサボケ

2019-05-25 02:35:09 | 春の花
クサボケ

ウメの花などに通じる5弁の花を咲かせ、早春の明るい草原のようなところを彩る。その朱色は素朴な印象があり、同じ頃に咲くチゴユリやヒメウズなどの洗礼された美しさとは対照的な気がする。背が低いし、名前に「クサ」がつくから草本のようだが、ガッチリした幹を持つ木本で、枝がトゲのようになる。これはズミなどほかのバラ科の木本で見られることだ。クサボケは思いがけないほど大きな果実をつけるが、これは近縁なカリンも同様である。





果実 7月

果実 11月

果実 5月末

田舎の福島県白河村の近くではシドミと呼んでいました。おもしろ半分にかじりましたが、まずかったです。また、「火事花」と言って、家には持ち帰らないように言われたことを思い出しました。
加藤嘉六

まだ冬枯れた草の間に朱色の花を咲かせているのが印象的です。秋には「地梨」と呼ばれる黄色の果実がなり、砂糖漬けにするとおいしいということなので食べてみたくなります。枝が横に広がる姿が気に入ってミニ盆栽を始めました。                      
佐久間


クサボケ


カラスノエンドウ

2019-05-25 02:33:58 | 春の花
カラスノエンドウ

食用にする野菜や果実と比べて小さいものに動物の名前をつける表現がある。スズメノテッポウとかノミノウフスマなどもその例で、カラスノエンドウもそのひとつ。花が終わるとまさにエンドウ豆のミニミニの豆ができ、そのサヤの中にこれまたミニミニのエンドウ豆が入っている。花はマメ科の代表的な蝶形花で、上にある旗弁はピンクで下が白くなり、横にある翼弁は赤紫色で、その取り合わせはなかなかきれいだ。半ばつる性で、自分だけで立っていることが多いが、他の植物に絡まることもある。複葉で先端の葉はカールしたトゲ状で、いかにも「チャンスあらばつかまろう」としているようだ。明るい場所に生える。









果実

果実

緑色のサヤを見つけると、草笛を作りたくなります。子どもの頃、「ピーピー」「ブーブー」と鳴らし、友達と音色を競い合いました。
桜井秀雄

赤紫の可愛い花をなぜカラスというのか、長いこと不思議でした。真っ黒なさや状のものが実だと知って、驚きと共に納得したことを記憶しています。
水上和子

莢(サヤ)から種が飛び出すところを、ぜひ一度見てください。黒く乾いた莢をぎゅっと握ると勢いよくタネが弾き出て、莢は手品のように一瞬で変化(ルビ:へんげ)します。どうなるかはお楽しみ。
リー智子


カラスノエンドウ

オオイヌノフグリ

2019-05-25 01:32:36 | 春の花
オオイヌノフグリ
現在の玉川上水は雑木林のような林が卓越しているので、林の野草の避難所になっている。玉川上水の両側は市街地であり、林が途切れるので、そこには林縁に生える植物があり、さらに道路に近いところには空き地の雑草や畑地雑草が見られる。オオイヌノフグリはそういう雑草のひとつで林の下にはない。明るい日差しを浴びてたくさんの花を咲かせる。それも早春から夏まで長い間、爽やかな水色の花を楽しませてくれる。花に近づいてよく見るとクワガタソウなどと通じる形と模様をしている。名前の由来になっている果実はハート型というかふくらみが2つある。気の毒なネーミングだという声が多いが、誰にも印象的な花にではなく果実に注目した視点がユニークだし、「なんとかソウ」といった気取ったものでないところが、民衆の愛情の表現ともとれるのではないか。玉川上水には同じ仲間のタチイヌノフグリ、フラサバソウもある。





果実

果実

可憐な小さな花になんとこの名前!「何でぇ?可哀そう」と思いましたが、おかげでなかなか花の名前を覚えられない私でもこの名前は一度で覚えました。
小島 基男 

春を知らせてくれる可憐な青い花。犬のふぐりなんてあんまりな名だが、昔の人の観察眼を褒めようか。
住田景子

名前の由来がかわいそうと言われがちだが、なかなか実がなるまでお付き合いすることがない。花は、拡大すればするほど、青紫で縞模様のある可憐な花だ。一日で散ってしまい、花ごと散るのを見ると、合弁花だろうか。
長谷川博行


オオイヌノフグリ

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タチイヌノフグリ


フラサバソウ

オオアラセイトウ

2019-05-25 01:31:17 | 春の花
オオアラセイトウ

ショカツサイの方が通りがいいようだ。アブラナ科なので花びらは4枚、ショカツサイの「サイ」は菜であり、その葉を見ると確かにサラダにでもすればおいしそうだ。中国原産の外来種で諸葛とは三国志の諸葛孔明の名。爽やかさのある薄紫色の花を咲かせ、東京では景観の中に溶け込んでいるようで、都心でも見かける。玉川上水でも明るい林やひらけた場所に生えており、水面を背景にするとなかなかきれいに見える。





毎年4月になると杉並の岳父の庭隅にところ狭ましと紫の花が咲いていました。
これが「ハナダイコン」と聞いたのを思い出します。そして窓越しの庭に春の息吹を感じました。 
小島 基男

電車の車窓から見る、線路わきのオオアラセイトウの群生は、通勤の春の楽しみだ。紫の大きな花は迫力があり、遠くからすぐわかる。玉川上水のオオアラセイトウの群生を船で下って水面から見上げてみたい。
牧田一雄


オオアラセイトウ

エゴノキ

2019-05-25 01:29:37 | 春の花
エゴノキ

玉川上水のいたるところにある木で、調査区画あたりの出現率は73%もあった。ナラやケヤキのように高くはならず、幹が黒っぽいので、冬でもすぐにエゴノキとわかる。5月頃になると「こんなにあったのか」と思うほどたくさんの木が開花し、枝々にたわわに花を咲かせる。その花が地面に落ちて歩道が白い絨毯のようになるほどだ。緑色の果実ができるが、これは昆虫に食べられないように有毒物質を含む。昔はこれを川に流して魚を獲ったらしい。中に大きな楕円形の種子があり、ヤマガラが好んで食べる。ヤマガラは足場の良い枝に止まってエゴノキの果実を足で挟み、くちばしでつついて皮をむいては中身を食べる。時には種子を運んで地面や木の割れ目などにたくわえる。たくわえた場所を覚えているのには驚くが、ときどき忘れることもあるらしく、エゴノキはそれによって分布拡大をするらしい。













玉川上水の近くに越して来て最初に覚えたのがエゴノキです。5月になると玉川上水のあちこちでこの木の枝に白い小さな花がたくさん下向きに咲きます。真ん中の黄色い雄しべが印象的です。木の下を歩くとほのかによい香りがただよい、爽やかな季節の到来を告げてくれます。
佐藤 留美子

「子供の頃この実をつぶして玉川上水にまき、魚が浮くのを獲った」と小平生まれのお年寄りが話してくれた。
住田景子

学生時代、玉川上水を1回だけ津田塾生と2人で歩いた。私は踏まれてもしぶとく生きるタンポポが好きと言うと、彼女はエゴノキが可憐で、いい匂いがするから好きだという。私はきれいだがツンと澄ました印象を受けた。その後、彼女と会うことはなかった。
関野吉晴

5月、足元ばかりに気を取られて歩いていると、突然白い花に埋め尽くされている地面が出現してハッとすることがある。見上げると、鈴なりの小さな白い花。新緑の風にやさしく揺れるエゴノキの花を見ると、夏がすぐそこまで来ていると感じられる。
豊口信行


エゴノキ