歩かない旅人

 彼がなした馬鹿げたこと・・・彼がなさなかった馬鹿げたことが・・・人間の後悔を半分づつ引き受ける。ヴァレリー

メディアに喝!百田尚樹氏が都知事選に出馬か

2016-06-21 10:01:54 | 名作コラムの中から

 

  


 日本と言う国はある面では世界でも稀な優しい国だと思っています。今世界は、特にヨーロッパやアメリカを中心に日本ブームが来たという人もいます。日本を訪れる外国人は驚くくらい増えています。

 それも職を求めて密入国する発展途上国ではなく、日本の魅力の再発見に欧米の人々は、今までの観光地中心ではなく、一般の日本人の普通の生活や、食べ物に興味を持ち出し、単独で日本語を学び、日本文化を尊敬と驚異のキッチリした時間通りに来る電車などに驚いています。

 しかし、舛添氏が大騒ぎで都政はどうかと言うと。きちんと警察も、消防署も、清掃局も機能して、都営地下鉄は順調に何不足なく通常通り動いていたのです。しかしながら舛添氏の報道に関しては日本のメディアは相変わらず、何かを恐れて30年前の山本夏彦翁のコラムの通りなのです。

 今回の舛添問題は週刊誌が火をつけ、恐る恐るテレビが追随して大騒ぎへと発展しました。しかしヘイトスピーチ規制法が、今回の問題に恐るべき規制をテレビ各局に押しかぶさり、肝心の本丸ともいうべき。韓国からの不正献金や。都有地貸与の問題は完全に無視されてしまいました。

 舛添氏夫人が創価学会の幹部であるという事も、テレビメディアは一切報道しませんでした。まさに朝鮮半島が絡んだ問題と。創価学会問題は、大手新聞といえども、まともに取り上げられないタブーになっているのでしょう。

 

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 (夏彦の写真コラム『週刊新潮』1985年7月4日号掲載

    危険な時は黙っていて

     

              山本 夏彦

 私は本誌以外の新聞雑誌にコラムを書いて時々字句を直されることがある。それは明らかに著作権の侵害であるが、私はめったに文句を言わない。

 大新聞の多くは漁師と書くと漁民と改める。小僧と書くと小店員と改める。今度はなんと改めるだろうと私はわざと書くことがある。

 私も商売だからこれらを単独には書かない。むき出しに書いて挑発するようなことはしない。「まだ御用聞きの小僧が各戸を回っていたころの話である」と言うように書く。果たして直せなくって苦しがって「まだ御用聞きの小店員が云々」と素知らぬ顔で改める。

 人の心はさまざまでこういう時怒る人があるが私は笑う。はじめ私は土人を原住民またはもとからいた人々と言えというたぐいは冗談だろうと思っていた。

 百姓と書いたら全国の百姓が起こって押し寄せてくるのだろうか。小僧と書いたら全国のもと小僧諸君が押し寄せてくるのだろうか。

 そんなことはあるまいし、よしんばあっても破顔一笑すればいいのに大新聞は何者かを恐れるのである。むかし創価学会を恐れたように恐れるのである。

 創価学会は批判がましいことを書いたら学会は、A新聞の読者中の全会員をB新聞に移すぞとおどかしたから恐れて書かなかったのだという。

 恐れないで論じたのは「赤旗」だけだったから、このとき言論の自由は赤旗にあって他になかったのである。何か月か経って他が恐る恐る論じたら何事もなくてあの創価学会騒ぎになったのである。

 

 騒ぎになっていくらあしざまに言っても安全と決まったら、今度は一番槍争いだと言い出したのである。

 私のように少ししか書かないものでも直されるのだから、流行作家はどのくらい直されているはずである。文士の集まりである「日本ペンクラブ」がこれに抗議しないのは怪訝である。

 言論の自由については最も新聞が言う。新聞がこれを大騒ぎしないのは何かの圧力によるとしか思われない。創価学会を恐れるに及ばなかったと同様に、これも恐れるに及ばないとは思わないのだろうか。

 それなら今度も「赤旗」が騒ぐのを大丈夫と見定めてから、遅ればせながら騒いで、真っ先にさわいだのは自分だと後で言うのだろうか。

 騒ぐ声が大きいと次第に一番槍は自分だと自他ともに思うようになるから不思議である。人の心はさまざまで、あの時は笑ってすませたのにこの時は笑ってすませられないのである。

 私は「言論の自由」と聞くとカッとなるくせがある。それは危険な時は黙っていて安全と見て取ると我がちに言う自由のことかと思うからである。

 

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 最近の地上波テレビは、今まで情報を独り占めにして、政治まで動かす力を十二分に発揮し、第三の勢力として、恐れられていました。今でも大きな勢力はまだまだ持っていますが、信用度となると、新しく表れたネットの発信するニュースを抜きにできないブランド製が落ち始めたのも事実です。

 大新聞もこれは昔から、週刊誌に何度もスクープ記事をすっぱ抜かれ。そんなことなら我々は前々から知っていたなどと強がりを言うのも見苦しい限りです。単なる圧力勢力を恐れて書けなかっただけですのに。

 しかし大手メディアが黙殺してきた、ネットの世界から在特会の櫻井誠氏や、『カエルの楽園』の作者、百田尚樹氏も、都知事選に名乗りを上げそうです。今までの偏ったテレビメディアが無視してきた意見が、選挙運動を通して表舞台に、堂々と登場できる絶好の機会かもしれません。

 

 

 百田尚樹氏と言えば、『カエルの楽園』と言う本を、大手メディアは、無理やり無視しています。なぜならこの本にはメディアの卑怯きわまる状況を、誰でもわかるように書いているから、書店でいかに売れていても、その紹介や、売れていることも隠し通しています。実に見苦しい状況です。

 

 

 前回の都知事選挙では、百田氏は田母神俊雄氏の応援に駆り出され、都知事候補者は、田母神氏以外はみんなクズばっかりだと街頭演説で喋ったことが、ちょっと問題になりましたが、多くの人々はよくぞ言ってくれたと喝采したものです。

 とにかく、今度の都知事選は、千葉県人には関わりはありませんが、本籍は東京ですし、ものすごく興味のある面白い選挙になりそうです。その百田尚樹氏が、TBSのゴゴスマと言うニュースワイド番組でインタビューを受けていましたが、此処でもかなり言いたいことを言えたと思います。

 その話の中で、日本は今危険な状況にある、安全保障の問題を語り、自著『カエルの楽園』の話に及ぶと、MCは慌てて、その話はやめてくださいという個所は笑ってしまいました。タブーに触れたのでしょう。しかしながら在特会の櫻井誠氏の関しては完全に黙殺です。

 テレビメディアにとってやりにくい時代が来そうです。泡沫候補ではなく、実力を持った、ネットからの挑戦が始まりました。