歩かない旅人

 彼がなした馬鹿げたこと・・・彼がなさなかった馬鹿げたことが・・・人間の後悔を半分づつ引き受ける。ヴァレリー

石平氏の「チャイナウオッチ」から

2015-12-19 09:57:03 | 難しそうだがいい歌です

 

  

 産経新聞ソウル前支局長の無罪判決事件、あえて事件といいます。無茶苦茶な言いがかりで、不法にも8ヶ月に渡って、移動の自由を奪い、恫喝的圧力を加えた、韓国という国家がまず問題に挙げられ、国際的にそれが知れ渡ったということです。

   無罪の判決を受け現地で会見に臨む加藤達也前ソウル支局長=17日、韓国・ソウル(撮影・納冨康)

無罪の判決を受け現地で会見に臨む加藤達也前ソウル支局長=17日、韓国・ソウル(撮影・納冨康

 もう少し落ち着いてから、しっかりと総括したいと思いますが、産経新聞以外の日本のメディアの対応も、問題を含んでいます。なんという意気地のなさ、冷たい態度、報道機関としての、根本的姿勢が成っていませんでした。

 今日は少し前になりますが、石平氏が産経新聞に寄稿した「チャイナウオッチ」から、習近平主席について書かれた、その寄稿文を載せます。図々しいのか気が小さいのか、何事も大きく考えて動じないのか、単なる鈍感なのか。謎の人物です。

 アメリカのオバマ大統領の腰の定まらない状況に乗じて、ロシアやチャイナが、ココぞとばかりに出しゃばり、それが返って国際的に反感を買ってしまう現象を生み出しました。

   

 その一番のいい例が南シナ海の人工島建設です。優柔不断なオバマ大統領の煮え切らない態度で、チャイナはアメリカを甘く見て仕舞ったのかも知れませんが、ようやく重い腰を上げ、イージス艦を一隻を南シナ海に派遣しました。

 人工島の建設は許さないというメッセージをもっての行動でしたが、チャイナは建設を凍結してしまったのでしょうか。それとも秘密裏にこそこそ工事を進めているのでしょうか。

   

 アメリカのメッセージは工事をしたら許さない。破壊するという恫喝が入っていると見ていますが、習近平主席はどう出るでしょうか。チャイナの場合はアメリカも怖いが国内の世論の方がもっと怖い、そういう面があります。

 習近平主席の行動は、非常にわかりにくい行動で、強いのか弱いのかもわからないチャイナの軍隊と同じです。チャイナは元々内戦というか、外から何遍も征服され、「元」とか「清」とかという国が出来、今は共産党に乗っ取られています。

   

 チャイナに国民という概念はあるのでしょうか。軍隊は人民軍と言って、共産党政府を守る軍隊です。未だに選挙という制度が育たない地域です。独裁国家とはある面崩れ出したら、あっという間です。今までのチャイナも革命してきました。

 産経新聞の石平氏の「ChinaWatch」は面白い読み物です。今日はそれを、まず載せてみます。

 

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【石平のChina Watch】 12・17

  

   

習主席アジア外交は惨敗 韓国までもが・・・

新聞の見出しでは【集主席アジア外交の惨敗】) 

 

 11月19日掲載の本欄で、南シナ海での中国の軍事拡張を封じ込めるために日米同盟を基軸とした「合従連衡」が形成される一方、中国はアジア諸国を個別に取り込む

「連衡策」をもって対抗する、というアジア外交の構図を論じた。その前後の一連の動きを見れば、この「合従連衡」のゲームに敗れたのが中国の方であると分かる。

 11月5日から6日にかけての習近平主席のベトナム訪問はその一例である。5日にハノイに着いてから、習主席はベトナムの首脳たちと次から次へと会談をこなし、相手のことを「同志」とまで呼んで「関係の改善」を訴えた。

   

 しかし訪問中の6日、同じハノイにおいて、ベトナムのフン・クアン・タイン国防相は来訪中の日本の中谷元(げん)防衛相と会談し、南シナ海の要衝であるカムラン湾の海軍基地に海上自衛隊の艦船を寄港させることで合意した。

    

 習主席を貴賓として迎えている最中に、ベトナムは中国に対抗するための日越軍事連携を堂々と進めた。中国に対する「配慮」の気持ちはみじんもないやり方である。このベトナムに翻弄され、恥をかいて帰国の途に就いたのは習主席の方だった。

 そして11月21日からマレーシア首都のクアラルンプールで、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本、アメリカ、中国などの18カ国の首脳が一堂に会した「東アジアサミット」が開催されたが、それもまた、中国にとってのアジア外交惨敗の場となった。

   

 まずは21日、米国とASEAN諸国との首脳会議が開かれた。会議後の共同声明には「南シナ海における航行の自由を保障することの重要性」が明記された。

22日の東アジア首脳会議では、「親中派」といわれるカンボジアとミャンマーを除く、すべての国々が、南シナ海における中国の埋め立て・人工島造成の問題を提起して、中国批判の声を次から次へと上げた。

  そして24日、東アジアサミットは首脳会議の結果を受けて議長声明を発表した。中国による人工島造成で緊張が続く南シナ海情勢について、

声明は「航行の自由」の重要性を再確認するとともに、「一部首脳が表明した深刻な懸念に留意した」と中国の動きを強く牽制した。

 その結果、少なくとも南シナ海問題に関しては、アジアにおける中国の孤立は決定的なものとなった。今月に入ってからも、習政権にとっての衝撃的な出来事がアジアで次から次へと起きた。

   

 まずは7日、カーター米国防長官とシンガポールのウン・エンヘン国防相が会談し、防衛協力の拡大で合意した。同時に、米軍のP8対潜哨戒機を3カ月に1回程度の割合でシンガポールに配備することを決めた。

   

 米軍哨戒機の配備は当然、南シナ海における中国の動きを監視する目的である。中国からすれば、それは要するに、伝統的な友好国であったシンガポールが「寝返り」、アメリカの中国包囲網に加わることであった。

 習主席自身が11月にシンガポールを訪問したばかりなのに、中国政府の挫折感はさぞかし大きかったのではないか。

 そして8日、南シナ海問題とは関係がないが、韓国海軍が中国船に警告射撃を行う事件も起きた。今、中国ともっとも親密な関係にあるはずの韓国までが、習政権のメンツを丸潰れにする、このような行動を取ったのだ。

 ここまで来たら、アジアにおける中国の立場はもはや四面楚歌に近い状況であろう。それは、習政権が進めてきた覇権主義的拡張戦略の必然的な結果だ。

   

 中国の古典には、「得道多助、失道寡助=道義にかなった者には助けが多く、道義を失った者には支持が少ない」という有名な言葉がある。習主席はそれを暗唱でもしながら自らの行いを反省してみるべきではないか。

 

 【プロフィル】石平

 せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

 

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 ここで見る限り、気持ちの良いくらい習近平主席の立場は困窮を極めているように見えますが、国内向けにはどう報道しているのでしょう。本当のことなど報道できないのが共産党政権の、どの国も取るやり方ですから。

 しかし、情報を北京政府が独り占めにして操作することも難しい時代になっています。ネットがチャイナでもどんなに厳しく監視しても、広がっていくのを防ぐのは難しいでしょう。

   

 ここでも、日本はいい働きをしています。安倍・菅コンビの鉄壁なブレない国益重視の姿勢は変わっていません。