歩かない旅人

 彼がなした馬鹿げたこと・・・彼がなさなかった馬鹿げたことが・・・人間の後悔を半分づつ引き受ける。ヴァレリー

メディアの力は本当に衰えているか

2016-06-18 09:34:30 | 月刊雑誌「正論」を読んで

 

   


 アメリカ大統領選挙では、多くの日本人の著名人も予想を外した人が多かったと思います。日本のメディアも最初からまじめに、トランプ候補など相手にしていなかったのではないでしょうか。

 月刊雑誌でも、この原稿の場合、いきなりトランプ氏がでてきますので、アメリカの大統領選挙の分析などと混同してしまいますが、この特集に集められた、内容はメディアに対する批判記事が主力となっています。

  

 とにかく珍しい、変な文章を取り上げましたが、いきなり太宰治あたりを引っ張り出して、ジャーナリストを語りだす、それはそれで興味はありますが、今のジャーナリストの批判にどれほど結びつくか私にはよくわかりません。

 なんだかんだと騒がれましたが、アメリカの大統領は、ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプ氏との対決になりました。どちらが大統領になったら日本はどうなるかと騒いでいる人もいますが、どんな影響があるのでしょう。

 いまだに受け身の考え方が主力ですが、日本の安倍政権に、アメリカはどう付き合っていくか、どうすればアメリカらしい体面を保つことが出来るか、日本抜きには考えられない時代に突入していることも確かです。

  

 アメリカにはよほど有力な政治家でも、日本のことに対して、ほとんど無知な、それが当たり前の階層があります。アメリカがそれほど日本に対して無関心でいられた時代をそのまま引きずっていた階層です。

 アメリカも変わりつつあり、ものつくり大国から、日本などの追い上げにより撤退しつつあります。オートバイは完全に日本の独壇場にあり、今や自動車も、アメリカの自動車産業は、日本に追い抜かれている最中です。

 リアリストのトランプ氏の日本観も、大統領という重責に就いたら、今までの認識で押し通せるものではなく、私は全く心配していません。舛添氏などと比べたらよほどましな大統領になると思っています。

 

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 (月刊雑誌『正論』 2016年7月号より)

 【特集】躍進トランプと嫌われるメディア

 「第四の権力」の転落

 そして誰もマスコミを信じなくなった

  

   評論家、拓殖大学客員教授   潮 匡人

 太宰治もチェスタトンも揶揄

 太宰治に「おさん」という短編小説がある。敗戦翌年の夏を舞台に、妻の視点から語られる。「夫は、神田の、かなり有名な或る雑誌社に十年近く勤めて」いたが失業。起業するも失敗し、借金を背負う。

 最後は妻子を残し「神田の雑誌社の28歳の女記者」と心中する。「夫」は妻に以下の手紙を残す。

  

 「自分がこの女の人と死ぬのは、恋のためではない。自分はジャーナリストである。ジャーナリストは、人に革命やら破壊やらをそそのかして置きながら、いつも自分はするりとそこから逃げて汗などを拭いている。

 実に奇怪な生き物である。現代の悪魔である。自分はその自己嫌悪に耐えかねて (以下略) (『太宰治全集(9)』ちくま文庫)

 初出は「改造」昭和22年10月号。その翌年、太宰は妻子を残し、玉川上水に女性と入水する。

 妻へ宛てた遺書に「誰よりもお前を愛してゐました」 「あなたが嫌いになったから死ぬのでは無いのです。小説を書くのが嫌になったから死ぬのです。みんな、卑しい欲張りばかり」と記した。

 作中の「ジャーナリスト」と同様「自己嫌悪に耐えかねて」死を選んだのだろうか。事実、太宰は自殺未遂や心中未遂を繰り返してきた。女性関係も激しく、上作品を発表した翌月、「斜陽」のモデル(太田静子)との間に生まれた娘を認知する。

 死の直前に脱稿した『人間失格』の一節、「恥の多い生涯を送ってきました」は太宰の生涯とも重なる。ここでは上記のジャーナリスト評に注目したい。

 「現代の悪魔である」の「現代」は今から69年前の昭和22年当時、「人に革命やら破壊をそそのかして置きながら、いつも自分はするりと逃げて汗などを拭いている」

 今で言えば「安保法制の廃止をそそのかしながら」であろうか。そう主張する現代の有名ジャーナリストは、かつて自衛隊の国連PKO派遣にも反対した。

 その当時 「国民の信頼を得られないばかりか、国際的な理解も得られない」と毎日新聞のコラムに書いたものもいる。その後、自衛隊は内外の理解と信頼を獲得したが、彼らは口を拭い、平然とメディアに露出し続けている。

 「実に奇怪な生き物である。現代の悪魔である」・・・・太宰の揶揄は平成の今も当てはまる。

 昭和22年、太宰の周囲は「欲張りばかり」だったという。ならば、現在のジャーナリストはどうか。

 専門家の調査によると「家庭生活を怠るほどの異常な仕事ぶりが、彼らにはみられる」、「10人のうち4人は独身か未亡人か、離婚している。そして4分の3は扶養する子供がいない」(フランクリン他著『ジャーナリズム用語辞典』国書刊行会、2009年刊行)。

 彼ら彼女らの行き様は昭和の昔も平成の今も変わっていない。ただ一つ決定的な違いがある。昔は「自己嫌悪」があったが、今はそれもない。それどころか、自らを絶対的な正義とみなして憚らない肥大化した自意識と歪んだエリート意識を持ち、読者や視聴者を惑わし、そそのかす。

 都合が悪くなると、ヘビのようにするりと逃げる。まさに「現代の悪魔」と評し得よう。  (中略)

 

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  此処に書かれているジャーナリストの典型的な姿が、今の舛添報道です。週刊誌に先を越され、新聞もどっちに見方をすればいいか戸惑っています・テレビだけは視聴率稼ぎでせっせと放映していますが、その非難の矛先は、全部同じような公私混同に限られています。

  

 韓国との胡散臭い関係は、絶対に放映されませんし、なぜ舛添氏が死んでも都知事にしがみつくのは、何か韓国との密約があるのではないかと疑っています。平昌冬季オリンピックが、このまま無事に開催できるとは思えないからです。そのための舛添知事との密約は何か。

 実に危険きわまる、日本のためにならない都知事としてより政治家ともいえます。彼のいう都市外交は、韓国をどういう名目で助けるか、まさにその一点で集約されるでしょう。厳しく見守るべきです。

 

 しかし、舛添氏の辞任により、すべてが水泡に化しました。民進党は真剣に蓮舫氏で勝てると思っているのでしょうか。舛添氏の姿勢は安倍政権と間反対だったのに、なぜ公認してしまったのか、その辺が政治の分かりにくさです。

 リベラルのお花畑体質は、これから始まる都知事選にも十二分に発揮されるでしょう。蓮舫と言う人物が、出ると分かった段階から、前回の170万票と言う数字が、その時の、特殊な事情にあったなどと言う、奇跡的な事柄だという事を、まったく認識していません。

  

 テレビメディアも、さっそく蓮舫押しが始まっていますが、メディアの力が衰えた今、どんな結果が待っているか楽しみに待っています。全く学習能力のない連中か、有権者を舐めた態度と言わざるを得ません。