今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

マズロー第6の欲求

2008-03-17 00:03:24 | Faculty Development

マズローの欲求段階説


人間の欲求は低次元のレベルから始まって、段階を経てより高次元のものへと昇華されていく、というも のです



下位の欲求が満たされてはじめて、上位の欲求を感じるようになります


医学教育での解釈で言えば

研修医の
  1. Physiological 生存欲求(充分な睡眠や食事の確保)
  2. Safety 安全の欲求(病院や上司に守られていると感じる)
  3. Love/belonging 所属の欲求(居場所、役割があると感じたい)
  4. Esteem 評価・承認の欲求(上司からほめられたい)
がみたされてはじめて

  Self-actualization自己実現の欲求(医師として自己研鑽を積みたい)


ここまではよく聞く話

マズローは晩年になってから6段階目を付け加えようとしていたらしいです


それは
「コミュニティの発展」Need for community development

いわゆる「世のため人のため」

臆面も無く自己開示をすると、最近この欲求が強いです

そういう年頃になったという解釈もあります(The Developmental Stages)が・・・

「やっぱり、上位の欲求をもてるということは、本当に周りに恵まれているんだよな~、感謝感謝!

市橋君と以前そのようなやりとりしたことがあります

医者は社会資源であり、すべからくそのような性質をもっていますが

「家庭医療」はとくに「communityのために」を大事な柱にうたっているということで、私にとってビンゴなわけです

でも、これだけ日本の医療が疲弊しているときに、

  • 渡米準備のために、診療を数こなしていない(社会貢献が少ない)こと
  • 留学で日本を離れること
     
には自己矛盾を感じています 

できていないから、強く感じているだけかもしれません

できていない空白を将来大きく埋めるのは、やっぱり教育だよな~

幸せの種をまけるような

花咲か爺さんになって、帰国したいと思っています