今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

道草その2~病理のお勉強

2008-03-13 07:54:01 | 医療ネタその他
留学の試験勉強が一段落してスケジュールに少し余裕ができました

その余裕を在宅診療にあてていると ITと情報の共有という項で書きましたが

先月から「病理の勉強」にもあてています

血液内科医で病理医でもある友人の市橋君から個人レッスンを受けています

きっかけは「教えてあげるよ」と言われたこと

それだけなのですが

家庭医を明確に志すようになり自分の思考プロセスが

biopsychosocial modelのhierarchy of natural systems

つまり

cells⇔tissues⇔organs & systems⇔person⇔family⇔ community⇔nation⇔biosphere

でいうところの右寄りに偏りつつありましたので

biologicalな方も再度意識しようということでもあります

またTFCの故田坂先生が元々病理をされており、プライマリ・ケア医の精神を持ちつつも、biologicalな面へのすぐれた洞察をされていたのを目の当たりにしていたことも大いに関係していると思います

要はせっかく友人が、ありがたいオファーをしてくれた良い機会なのでお願いした次第です

「病理」といっても「病理医」になるつもりはありませんので、プライマリ・ケア医として知っておくべき病理のエッセンスを教えて頂こうかなと思っています

彼が非常勤で働いている某日赤病院の病理部へお邪魔しています

総論では

「神様が如何に理にかなった方法で、人間の体を作り上げたか」ということを教えて頂きました

また、たまたま入った病理解剖を見学したり

胎盤の切り出しを見学したり

なかなか新鮮な経験です

以下は総論のメモです(他の人が見てもあまり参考にならないです)

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癌と肉腫の違い
~細胞間がすきまなく繋がる傾向は癌
部位、由来組織、分化度+α
炎症とは機能の低下~神経組織(再生しない)は炎症を許容しない
          消化管は単純にIgA
食べ物を口から取り入れて排泄するまでの一連の流れ
悪性腫瘍~自律的増殖、分化しない⇔血管を作る