ぐるぐる自転車どこまでも

茨城県を自転車で散歩しながら,水戸藩の歴史について考え,たまにロングライドの大会に出場,旅する中年男の覚書

タロコ渓谷への旅~花蓮空港

2013-04-06 22:13:38 | 自転車
離陸後、雲の中に突入し、配られたジュースを飲んだと思ったらすぐに降下が始まり、あっという間に花蓮空港へ到着。
飛行機は満席だった。
花蓮と松山便はいつも満席らしく、当日、席をとるのは至難らしい。
もし、飛行機での移動を考えるのなら、早めに予約しておくべきだろう。
私がなぜ飛行機を選んだかというと、自転車をかついで駅のホームを移動するのが疲れるだろうと予想したからである。
体力がある人なら、台北駅から特急で花蓮へ行くという手もあり、時間は約3時間かかるが、そのほうが安い。
ところで、
花蓮空港は、軍事基地でもあるので撮影は厳禁。
軍事基地なので写真撮影したのがわかるととんでもないことになる。
ときどき、日本にいる感覚で知らずに撮影してお目玉をくらう人もいるらしい。
海外に出たら、日本とは事情が異なることも多い。

空港へ着いたら、飛行機のタラップを下りて、徒歩でターミナルへ向かう。
ほとんどの人は、何も預けていないので、そのままゲートを通り過ぎて外へ出てしまう。
荷物を預けた人はほとんどおらず、私ともう2人だけだった。
のんびりと預けた自転車が出てくるのを待った。
ここでも、やはりターンテーブルで出てきた。
回転テーブルに自転車が落ちるときに、けっこう勢いよかったので、ディレラーが大丈夫かなとちょっとだけ心配になった。
見回してみたが、回転テーブルの近くには、残念ながらカートがなかった。
本当はどこかにあったのかもしれないが、気づかなかった。
それで、輪行バッグに入れた自転車をエッチラオッチラと手で運んだ。
手荷物受取所を出ると、旅行客は誰一人いなくなって、ガランとしていた。
みなさん、あっという間にいなくなてしまっていた。


右側にツーリストガイドセンターがあった。
そこへ行き、マップをもらい、花蓮やタロコ渓谷の道路や天気のことを尋ねた。
というのは、つい2日前に、台湾南部で地震があったからだ。
前日に食事をした台北の人からは、「タロコは落石が多いんだよね。とくに地震や雨が降ると、岩が落ちてくる。去年も、中国大陸からの観光客が落石で死んでいる。タロコを歩くなら気をつけないとねぇ~」と脅かされていた。
それを聞いて考えた。
落石で死ぬこともある。これはたぶん、あるだろう。でも、落石って気をつければ避けられるのだろうか。落ちてきたら、たぶん避けられないだろう。いったいどこに気をつけたらいいのだろうなどと考え込んでしまった。
それよりも、心配だったのは、先日の地震で、タロコ渓谷の道路が崩れ、あるいは道路工事で閉鎖されているかもしれないということだった。

そこで、センターにいたおばさんにつたない英語で話しかけた。
つたない英語というよりも、ほぼ単語の羅列でしかない。
私の場合、なぜか西洋人コンプレックスがあり、西洋人の青い瞳に見つめられると、ドキドキして思考停止してしまい、知的生命体とは思えぬほど思考レベルが下がってしまう。
不思議に、アジア人に対してはそれほどコンプレックスを感じることなく、下手な英語で話しかけることができる。
感覚的にいうと、台湾の人に話しかけることは、日本の田舎にいるおじさんやおばさんに話しかけるのと大差がないのだ。

このツーリストセンターにいたおばさんは、私を日本人と見抜き、すぐに日本語で話しかけてきた。ありがたい。
空港のアナウンスを聞くと、中国語、英語、そして日本語のアナウンスまである。
かなり多くの日本人がタロコを訪れていることが推測できる。

で、おばさんは
「あなた日本から? どこへ行くの?」
「今から、自転車でタロコ渓谷の天祥へ行くつもりです。それで明日はできれば武嶺まで行きたいんです」
「それは大変ね。遠いよ」
「はい、わかってます」
「そこは山の中で店がないね。食べ物と水を準備しないといけないよ」
「どのくらいの距離ですか?」
「ここから50キロ。天祥から武嶺まで60キロ。天気は曇りと雨ね」
いろいろと心配して教えてくれて、有り難い。
話しながら、輪行バッグから折りたたみ自転車を取り出して組み立てを始めた。
ばっちりと緩衝材で養生しておいたのでとくに壊れたり異常は無かった。

自転車の組み立ては珍しいらしく、おばさんが間近に寄ってきた。
「日本から持ってきたの?」
「小さくて便利ね!」
としきりに感心していた。


ある程度、組み立てが終わり、デイバッグと輪行袋とディレラー保護のために輪行袋にいれてきたプチプチと段ボールを自転車に載せてみた。
デイバッグはなんとかゴム紐でキャリアにしばりつけることができた。
しかし、プチプチと段ボールがどうしてもうまく縛り付けることができない。
しばし、格闘の後に、キャリアにくくりつけて運ぶことは断念した。
でもこれらを捨てるわけにはいかない。さっき見た自転車がターンテーブルに勢いよく滑り落ちてきたシーンが頭によみがえった。
これは帰りの飛行機に預けるときの衝撃緩衝材として絶対に必要なのだ。
で、どうするか。
やむを得ない。コインロッカーに預けるしかない。
花蓮空港には、手荷物預かり所はない。田舎の空港だから、預ける人などいないのだろう。
それでコインロッカーが設置されている。
日本の駅でも見かける小と大の2サイズがあった。
念のため、おばさんにどこかに預けられないのかと聞いたら、
「これだけね。大事なものないね。だったら預かってあげる」
とセンターの貸し自転車用品をいれておく戸の中に預かってくれた。
なんとも有り難いことだ。台湾の人は一般的に親切だ。
好意に甘えることにした。

外は小雨が降り出していた。
花蓮は、太平洋側に面しているせいか雨が多いのだ。
レインウエアを着込んで、出発する。
おばさんが近くに来て、
「空港を出たら右。まっすぐ」
と教えてくれた。気になるのだろう、しばらく見ていた。
「ありがとう」
と手を振って、空港から自転車をこぎ出した。



雨がポツポツと顔やレインウエアにあたる。
日本の雨ほど冷たくはない。やはり、ここは台湾なのだ。
タイヤが回転すると、シャッーと路面の水を巻き上げる。
さあ、天祥を目指すぞ。


タロコ渓谷への旅~松山空港

2013-04-06 20:44:13 | 自転車
日本航空を利用して羽田空港から松山空港へ移動。
今回、機内食が私と隣の人だけ配られないというハプニングがあった。
機内食が配られないはずはない、そんな経験は無かったので、いつか持ってきてくれるのだろうと気長に待っていた。しかし、他の人が食べ終わる頃まで待っても、やはり配られない。これは、もしかするとスチュワーデスさんのミスかもしれないと思い、声をかけたら、大変申し訳ございませんでしたと丁重に謝罪があった。お詫びにと、おつまみをどんどん持ってきて、どうぞと勧める。だが、おつまみをそんなに食べられるわけもなく、丁重にお断りした。

松山空港に到着して、自転車を受け取った。
手渡しなどではなく、普通に、ターンテーブルで運ばれてきた。
その後は、カートに載せてタクシー乗り場へ移動。
やはり、カートで運ぶのは楽チンだ。
普通にタクシーのトランクにいれてもらい、ホテルへ。
台湾では、ホテル名はあらかじめ漢字で書いておいて渡すと便利だ。
松山空港は、市内の真ん中にあるのでホテルへもすぐに到着。
ホテルにチェックインするときに、自転車だけは、フロントで預けることにした。
翌日は、台北市内で自転車に乗る予定もなく、明後日の朝に、また松山空港へ移動するだけなので、わざわざ室内に持ち込む必要がなかったからだ。

で、翌日は台北市内で仕事をして、いよいよ花蓮への移動の日になった。

朝、ホテルでタクシーを呼んでもらい、松山空港へ。
松山空港には、国際線と国内線があるが、花蓮行きはもちろん国内線のカウンター。だが、着いた所は、国際線のカウンター。
カートに自転車を載せて、ゴロゴロと移動。カウンターは一番端っこにあった。カートのおかげで助かった。
復興航空のカウンターで、チェックイン後に、自転車とバックパックを預けにちょっと奥へ移動。
係員に、これ自転車だよ、バイシクルと説明。
係員から、空気は抜いたか、バッテリーは入ってないか、免責書類にサインするように言われた。
テーブルに載せたら、重さは合計25キロもあった。



預けてから、セキリュテイチェックを受けて登場口へ。


待合室で、しばし待った。
この季節の台北は思いのほか寒い。寒いので、コーヒーを飲んで、貧乏揺すりをしていたくらいだ。待合室の人たちを見たら、みんなジャケットや軽めのジャンパーを着込んでいた。台北は暖かいと思いこんでいた。海外へ行くときは、軽量で温度調整ができる服があれば持参したほうがいい。荷物を増やしたくないので、今回はほとんどサイクリングウエアで、しかも、それらはさっき預けてしまったので寒さをしのぐために着るものがなかった。


飛行機は72名乗りのプロペラ機だった。
松山空港から花蓮までは約30分しか
かからない。あっと言う間に到着する。
でも、機内サービスは忘れない。飛び立つとすぐに紙パックのドリンクが配られた。配り終わると、すぐに着陸体制にはいるので、せわしい感じがした。