途中、次第に雨脚が強まるも、地元埼玉の「見沼ファーム21」のメンバーによる応援もあり、徐々に形が出来てくる。
実際に、これらの藁を調達して頂いたのは、さいたま市近郊の見沼の田んぼを耕作維持しているボランティアグループ「見沼ファーム21」の皆さんのお陰。
藁は、コンパインによる機械刈りの自動結束なので、束が細く、積み上げるには時間がかかるが、整形するには都合が良い。
この政令指定都市さいたま市のあたりでは、農業の機械化で勿論のことなれど、昨今では積み藁をする習慣はないので、藁を集めるための農家の理解協力は、さぞや大変だったに違いない。今の時代、単純に“藁を積む”という行為をしようとすれば、それはもう想像以上の手間と時間がかかるのだ。
今回の美術館側の企画とは、実はそういう困難をクリアーするチャレンジ精神の上で実行されている。全国から稲藁風景の絵画を集めるというテーマ性だけでも普通は至難の業である。